こんにちはー、お酒ミライの神奈川建一です。 

resizeP1100832

美し国の三重県!昨年は伊勢志摩サミットで注目が集まった県である。日本酒も作や瀧自慢、半蔵など、サミットで提供されたお酒が話題になり、そのお陰か今年度の三重県日本酒販売額は、前年比107%で全国2位の伸び率だそうだ(28年度1月~11月累計)。

この結果は、もちろん元々三重県の日本酒がおいしかったからである!そんな三重県のお酒の中でも、一際個性的な日本酒がこちら、森喜酒造場が醸するみ子の酒である。今回は「るみ子の酒 特別純米 7号酵母」をご紹介!


resizeP1100810
可愛いラベルで、飲み屋や酒屋でひときわ目立つるみ子の酒(「夏子の酒」の尾瀬あきら先生の絵!)。そのキュートなルックスに、甘口の華やかなお酒を想像するが、これが全然違う。

むしろコクや旨味を好む玄人系のお店でよく見るお酒。グツグツと煮立つお湯で燗するのが最高な、むしろオッサン好みの渋いお酒らしい。

前々から気になっていたけど、ようやっと我が家にご招待。さあさあ、その正体、見極めん!!


resizeP1100819
7号酵母、通称真澄酵母を使用とのラベル。普通酒などにも使われる一番普及している酵母だけど、このお酒でどう映えるか?

resizeP1100814
いやいや、ほんわかするラベルだこと!文字は踊り、絵は水彩画のよう。お見事。


さて、いろいろなお薦めを見る限り、熱燗がマストらしいので、熱燗でスタート!ゴクリゴクリ。むむむむむッ、これは苦酸っぱい!!あれだ、夏みかんの酸っぱさ!あの何とも言えない苦味が混じった感じだッ。

口当たり柔らかく、香りは燻製を思い出す、苦手な人は苦手だけど好きな人は好きなスモーキーな感じ。後半のキレは辛さですっぱりキレる熱燗の優等生的設計。うむ、いいぞ!

しかし、これが冷やすと恐ろしい。完全に苦いだけのお酒になる。いやもう、びっくり。全然飲めない。まあ、それでも杯が進んじゃうのが飲み助であり、このお酒のポテンシャルだけどさ!

再度熱燗にして飲む。う~ん、さっきは無かった強い酸味が苦味を洗い流してくれる。しかし、この苦味があるからこそ、コクが出で食事にも負けないお酒になっている。そう、このお酒はあくまで苦さが主役なのだ。



いやあ~、苦味って奥深いなぁ!そう実感するお酒だ。なんでも舌のセンサーってやつは、甘さや旨味は1つしかないのに、苦味は20以上もあるらしい。

そんなにセンサーが多いのは、苦味=毒を早期発見するためだとか。人間はその危険な苦味を楽しむレベルにまで業が深いらしい。 センサーの数が苦味を奥深いものにしてるのだろう。


なんか、ちょっと上級者向きっぽい紹介の仕方だったけど、 熱燗は気楽に飲める絶品の食中酒だ。気負わず温めて飲んで欲しい。

「るみ子の酒 特別純米 7号酵母」。日本酒の苦味ってやつを強烈に楽しめる逸品であるぞ!


resizeP1100823
名称:るみ子の酒 特別純米 7号酵母
精米歩合:60%
酒米:阿波産山田錦(麹米、酒母米)、信州産ひとごこち(掛米)
アルコール度:15%
日本酒度:+7
酸度:酸度1.8 アミノ酸度1.3
蔵元情報:合名会社 森喜酒造場
購入価格(税込):1431円/720ml
購入日:平成28年12月24日 
購入店:寿屋酒店(店頭)


購入アドバイス
熱燗に向くような熟成系やらコク系やらのお酒をメインにしているところには、高確率で置いてある。が、比較的流通量も多いのか、関東ではお店に関わらず定番として見ることも多い。今回の品も特別限定品というわけでもないので、巡り会える可能性は高い。


オススメ酒販店

寿屋酒店
今回の購入店。厚木日本酒酒屋の基本店である。るみ子の酒以外にも熱燗が向きそうなお酒がずらり。この手のが好きな人(僕もその1人)にはたまらないお店だ。