こんにちはー、日本酒ブロガーの神奈川建一です。

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3月にもなり暖かくなってきた。日本酒も冷酒が段々心地よくなり、自宅の日本酒冷蔵庫の中身を春仕様にし始めた諸氏も多いのではないだろうか。

何、日本酒冷蔵庫なんて持ってねーよだと?よし、4月になる前に用意しなさい。できない場合は1ヶ月間ノンアル日本酒しか飲めないの刑なッ!


で、毎年3月になると、この冬を彩った熱燗酒を思い出すのがとても楽しい。

梵・ときしらず達磨政宗・酉年限定ブレンド九頭龍・純米カネナカ・超辛口るみ子の酒・特別純米辨天娘・青ラベル・・・どれも最高だった。


そんな今季の冬、異彩を放つ熱燗酒に八王子の酒屋で僕は出会った。それが今回ご紹介する、「金寶自然酒(きんぽうしぜんしゅ)燗誂(かんあつらえ)」なのである。  

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僕の熱燗の好みは、「甘さや酸味がガッ!ときて、辛味などでカッ!とキレていく」みたいな豪快で気持ちの良いタイプ。

さっき列挙した燗酒は、テイストの違いはあれど似たお酒だ。こう、「カーッ、うめぇ!」ってやりたくなる感じ?

しかし、この金寶自然酒・肝誂は全然違った。まるで別物。その時の体験をリプレイみるので、ぜひ驚きを疑似体験して欲しい!

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誇らしげなIWC金賞受賞のPOP。


さあ、当然熱燗(50℃)でイクぜ。ほわわわ~ん、ああ、この熱燗の湯気、見るだけで酔えそう(恍惚)。

しかし香りは極小。うーん、奥ゆかしいお酒だねぇ。  ゴクリゴクリ。・・・これは?驚くほどサラリとしてるぞ?コクというものがとても少ない。

だからと言って、お湯みたいというわけではない。焼き芋のような丸い甘味がじんわりくる。これが上品で! しかし、今までにない、不思議なフィーリングである。

僕は日本酒の熱燗というのは、何かしらの味が強くなるイメージを持っている。 それは酸味だったり、甘味だったり、苦味だったり、お酒によっていろいろだけど、熱さと共に強化されるのが多いと思う。

しかし、この金寶自然酒・燗誂はそんな僕の常識と全く違う!味は全てにおいて控えめで、強くなる味の要素なんて皆無だ。凄いぞ、これは!どういう造りなんだろう。

それゆえに、今までにない食事との組み合わせが期待できそう。今回はあっと言う間に飲んでしまったので、試せなかったのが悔やまれる。

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いかがだろうか、僕の感動が少しでも伝わると嬉しい。

熱燗酒って、まだまだこれからのジャンルだと思う。淡麗辛口のブーム以降、日本酒は冷酒ってイメージあるし、昨今の生酒ブームもそれに拍車をかけてる。僕の熱燗酒に対する画一的なイメージも、熱燗への誤解の現れだと思う。

でも、こういうお酒に出会うと、多様な味の熱燗が存在することを実感できる。こういうのって、ホンマ嬉しいなぁ。お値段もお得だし。

金寶自然酒・熱誂、熱燗日本酒の概念に一撃を加える見事なお酒。ぜひ皆さんにも一献お勧めしたいぜ!


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名称:金寶自然酒 燗誂(生もと仕込み)
精米歩合:80%
酒米:不明
アルコール度:14%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:有限会社 仁井田本家
購入価格(税込):1180円/720ml
購入日:平成29年1月21日 
購入店:築地酒店(店頭)