今回は、ちょっと前に日本酒の勉強会に行ってきたので、皆さんと情報をシェアしようと記事を書いてみた。興味持ってもらえると嬉しい。

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勉強させてもらったのは、日本橋横山町にある「インフィニット酒スクール」。代表の菅田ゆう先生が主催するワイン・日本酒のスクールで、なんとマンツーマンレッスンが基本という凄い学校だ。

今回は、単発の日本酒セミナーである「香りのサンプルから科学的な発酵経路を紐解く」というものに参加してきた(これは8人参加のグループセミナーだ)。

講義内容はずばり「科学的にお酒を理解すれば、客観的な絶対評価が可能である」ということ。日本酒の科学的絶対評価!すっごい興味わいてくるでしょ?


早速ホームページ経由で申し込んで、教室まで向かう。場所は都心のマンションの一室。ほえー、こんなところにあるんだ。

菅田先生曰く、「日本酒はワインと違って、香りの種類は10種類のみです。これがわかれば、全ての香りを分析できます。そして、お酒の造りまで理解することが可能なのです」。

おおお!この時点で僕の目はソンケー一色である。うーん、勉強する気がむくむく湧いてきたぞぉ!


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それでは、僕が今回のセミナーで習ってきた10種類の香味成分を列挙してみよう。同時に香りのサンプルを嗅がせてもらったので、個人的な感想も併記してみるよ(先生の掲載許可済み)。


0:原料由来成分 蒸し米や麹の香り・ミネラルの味わい
 →にごり酒など、お米が残ってるお酒に顕著。サンプルは完全にお米で、ほとんど僕には感じられず。

1:エチルアルコール+CO2 アルコールの刺激とアルコールの香り
→アルコールのピリピリした味のもと。CO2は微発泡につながる。香りはすっごく繊細。これまた判断しにくい!

2:有機酸(乳酸、リンゴ酸、コハク酸)

→香りは乳酸のみで、他は無臭。ヨーグルト的な酸味の香り

3:アセトアルデヒド  青々しい清涼感ある香り

→いわゆる生酒っぽさのこと。香りは木や草のイメージ。ハーブとかかな。

4:カプロン酸エチル リンゴやメロンの香り

→皆さんご存知・吟醸香の代表。嗅いだらめっちゃ「出羽桜・吟醸酒」思い出した(笑)。

5:高級アルコール類 油性マジックのような刺激的で重い香り

→完全にマジックの香り。先生は油の香りと表現していた。日本酒で油とは・・・!

6:酢酸イソアミル バナナや洋梨の香り

→いわゆるイソ系ってやつ。最初セメダインだけどすぐバナナのイメージが湧く。僕の好きな香り。

7:酢酸エチル 溶剤やセメダインの香り

→接着剤だ!プラモデルを作ってる時を思い出すなぁ。しかし酢酸イソアミルとどう区別するんだろ。

8:各種脂肪酸エステル サラダ油や樹脂の様な香り

→木の香り?湿っぽくカビっぽい印象。元となる脂質は精米で削られるから、高精白では無くなるのかな。

9:貯蔵・熟成・火入れ・温度変化 ソトロンの生成(カラメルや醤油の香り)

→完全に古酒のあの感じだ。ずーっと嗅いでると、醤油をイメージする。分かりやすい。 

この内、1~8は必ず日本酒にある香りで、あとは程度の差だけなのだそうだ。 


この香りの成分を理解すると、「グレープフルーツの香り」が、「生酒で酸度が高くてカプロン酸多め」と分析できる。つまり「アセトアルデヒドと乳酸とカプロン酸エチル」が優勢のお酒とわかる。

すると、そこを根拠としてお酒の造り(酵母や、生もとか速醸か、生なのか火入れなのか、など) を推測できるのだそうだ(今回はそこまでやらなかったけどね)。


はぁ~~~~、プロはそうやってお酒を理解していくのか。しかし、こう理論的に説明されると、僕でも出来るような気がしてくるぜ!ンフフフフフッ。

しかし、そんな甘い考えは、次の実践ティスティングにて打ち砕かれるのである!


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今回のティスティング用の日本酒。そうそうたるメンバーだ。

まず紀土の純米大吟醸を嗅いでから、而今特別純米を試す。うん、前者がメロンを思わせるカプロン酸エチル系で、後者がやや酢酸イソアミル系強めであることはわかる。

先生「而今に草を思わせる香りがあるのがわかりますか?これがアセトアルデヒド。つまり生酒です。そして紀土の純米大吟醸にはアメの香りとソトロンの香り。これで火入れだとわかります」

・・・・ま、まじですか、ワカリマセン(泣)。

他にも、「ここにはビスケットのような香りがあります」「乳酸の香りをよく嗅ぎ分けて。酸っぱい香りは乳酸しかありません」「ナッツの香りからソトロンを見つけられますか?」などなど、ことごとく僕の鼻には解析できないことを、説明してくださる先生。

き、キビシー!さすがに一流の利き酒師になるには、半端ない鍛錬が必要なのですね。うう、精進します。


◆◆◆

他にも多数のご講話をいただき、2時間半のセミナーは終了。少人数(8人)でこの濃い講義が5000円。このまま勉強すれば、科学的にお酒を評価・採点できるのか。うーん、憧れるなぁ!

今回はインフィニット酒スクールの、ほんの触りの内容だと思われる。全12回の年間コースや、単発のティスティング講座もある。

先生の予定次第だけど、スケジュールに自由度があって、極少人数で受講できるのが実に僕好みだ。ぜひ年間コース参加したいぜ!


もし、貴方も興味持ったら、ぜひインフィニット酒スクールのHPから問い合わせてみて欲しい。日本酒の勉強は、師から習うのが近道!その科学的アプローチは、目からウロコ必死だぞ!

次回から本コースに参加します。レポートはこちらから!





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