70点 上澄みはシャープ、混ぜてにごり酒にするとマイルド。両方楽しめてお得な甘口食中酒だ。

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今回ご紹介するのは、長野県は駒ヶ根市の蔵元・長生社がつくる「信濃鶴(しなのつる) 純米無濾過生酒」だ。長野県でも、南より位置する酒蔵だね。

信州お酒集中攻略も、このお酒で3本目。「川中島 幻舞 特別純米 山田錦」と「大信州 超辛口純米吟醸 生」を飲んだ限りでは、甘口の食中酒というのが僕の長野酒のイメージ。

お酒ごとに口当たりのテイストは様々だけど、メインディッシュと一緒に飲むと、どのお酒でも柔らかでしっかりした甘味が出てきて食欲をサポートする。そんな感じだ。

ちなみに他県では「奈良県はやり過ぎ超個性派、島根県は甘さに頼らない旨味超重視派、新潟県は淡麗辛口と濃厚甘口の両極端」、こんなイメージがある。もちろん偏見だけど(笑)。

「信濃鶴 純米無濾過生酒」は、名前の通り無濾過の生酒。精米歩合は60%で澱(おり)がバリバリ瓶底にたまってる、酒飲みのテンション上げてしまう仕様のお酒だ。原酒だけど、アルコール度16~17%というのもありがたい。濃すぎると飲むのつらいからね。

さて、一杯飲んでみますか!

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せっかくなんで、上澄みの澄んだ状態と、混ぜて濁らせた状態とで飲み比べてみた。これがけっこう面白かったよ。

●上澄み:色はめっちゃ透明、香りはパイン系で甘味と酸味がふわ~と匂う。加えてピチピチの生酒な青っぽい香りもする。味はシャープ!おお、鋭い!って声あげたくなる。
甘味は薄く、むしろ旨味がメイン。微炭酸によるシュワシュワ感あり。なんか硬水のミネラルウォーターみたいなカッチリしたうまさだ。

●濁り:香りにお米っぽい感じが加わる。あれだ、お米の研水の香り。味は上澄みの味に甘味がたっぷり加わり、すっかり甘口のお酒に。ただシャープさも失われるので、悪く言えば味がぼやけるかな。
ハーブのイメージを思い起こさせるような、草っぽさもあり。う~ん、食中に飲むべき甘口酒になったね。

こんな感じ。僕は上澄みが気に入ったね!キューッとくるような気持ちよさで、実際の温度よりもさらに冷たく感じるほどだ。

ちなみに生酒感(微炭酸、アセトアルデヒドを主体とした香り)は3日ほどで抜けるので注意。この感じが好みなら、2,3日で飲みきるのをオススメする。

◆◆◆

う~ん、ザ・信州酒!という感じのお酒だった。ますます長野のお酒=甘口系の食中酒というイメージが、僕の中で確固たるものになってきたなぁ。

このお酒は、旨口、辛口、コク系のお酒の中に放り込むと輝く。普段甘口を避けてる人ほど美味しく感じるんじゃないかな。食事中甘くないお酒の後に飲むと、食事を邪魔しない形で甘口酒を楽しませてくれる。うん、よくできた食中酒だ。

「信濃鶴 純米無濾過生酒」、長野のお酒のよさが詰まったお酒。信州のお酒を求める時に、ぜひ選択肢に入れてほしい。

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紹介:同じお酒の「酔いどれオタクの日本酒感想記」さんのレビューはこちら

名称:信濃鶴 純米無濾過生酒
精米歩合:60%
酒米:不明
アルコール度:16%~17%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:酒造株式会社 長生社
購入価格(税込):1388円/720ml
購入日:平成29年2月18日 
購入店丸文酒店(埼玉県ふじみ野市)


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