80点 開栓直後は落第点のお酒、しかし日に日に鋭さが増し驚きのうまさに。見事な甘口系傑作酒だ。

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今回のお酒は福島県の地酒、「名倉山(なぐらやま) しぼりたて純米吟醸」である。このブログで福島の日本酒紹介は4回目。意外と少ないですな。調べてみると日本名門酒会のHPが最初に出てくるので、日本酒問屋・岡永で流通してるお酒のようだ。

僕としては、ちらっと酒屋などでラベルを見たことがある程度で、未体験の銘柄。埼玉県酒屋めぐりと称して地酒屋さんをまわっている最中に試飲して、気に入ったので購入したのだ。

試飲した時の感想は、「大吟醸のような落ち着きの中に清廉な甘さが漂う」という異常なべた褒め(笑)。これは家呑みでの感想に影響してくるので、覚えておいてほしい。

お酒のスペックはしぼりたての新酒、どうやら生酒のようだ。55%精米の純米吟醸、お米は不明。去年の27BYと同じなら、夢の香という福島県産のお米だ。たぶんそうかな?

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さて開栓。香りをみるためにワングラスに冷酒でそそぐぜ。香りはプワ~ンと甘い吟醸香(カプロン酸エチルという典型的な香り)がわんさか出てくる。なんというか、東北のお酒によくある感じ。

味はこれまた典型的!甘口を酸味と苦味で支えるバランス型・・・と言えば聞こえがいいけど、要はフツーの東北甘口吟醸酒ということ。没個性もはなはだしく、どこにでもありそうなお酒だ。


試飲した時との落差で、実にがっかり。やっぱり僕の舌は外飲みでは信用ならないなぁと、しょんぼりしたものだ。

しかし、開栓したからにはしょうがないので飲む。

2日目:味の後半に酸が出てきて、ちょっとおいしくはなってる。でも平凡。
3日目:他のお酒を2杯飲んだ後に飲む。ぐわーっと甘い。あれ、なんかおいしいぞ?
4日目:なんかめちゃくちゃおいしくなっている??キラキラつやつやしている!!
8日目:味はしっかり安定している。開栓して急速に熟成が進み安定する系日本酒か!名前長っ!

はい、ここで確信した。あの酒屋で飲んだのは味がベストな状態で安定した、最良の名倉山だったのだ。

味の特徴は、「いろいろな甘さが、ミルフィーユのように重なり合っている」というもの。とにかく様々な甘さが混ざって、キラキラしてるんだぁ~。

水飴の甘さ、桃の甘さ、三ツ矢サイダーの甘さ・・・この甘さがコクを生んでいる。この複雑さがなにからできてるかはわからないけど(酸味かな?)、ただ綺麗なだけの甘口でないのが素晴らしい。傑作です!

◆◆◆

いやあ、とてもいい買い物をした!と大満足のお酒だった。同時に試飲の難しさも感じた。開栓してすぐには真価を発揮しないお酒があるのが日本酒なのだ。

こういうの、他のお酒だと少ないと思う。ウィスキーや焼酎のような蒸留酒だと変化は遅いだろうし、ビールはもちろん論外、あるとしたらワインだろうけど・・・。どうなのかな。

こういう知識は、酒屋さんが地道に伝えていくしかないと思うけど、日本酒の1つの常識としてもっと共有されてほしい情報だ。

「名倉山 しぼりたて純米吟醸」、もし購入したら、じっくり様子を見ながら飲んでほしいお酒だ。日本酒らしい熟成の神秘を感じてほしいぞ。

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名称:名倉山 しぼりたて純米吟醸
精米歩合:55%
酒米:不明
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:名倉山酒造 株式会社
購入価格(税込):1725円/720ml
購入日:平成29年2月18日 
購入店丸文酒店(埼玉県ふじみ野市)店頭購入


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