85点 旨味と酸味のスピリチュアルなハーモニー。まさに完璧な美酒。ただし、その味は1日しか保たないぞ。

今回紹介するのは、島根県の「王祿(おうろく) 超王祿 無濾過中取り」だ!
うおお、王祿王祿王祿ぅぅぅ~~~ッ!!なにを隠そう、僕は王禄教の信者なのだッ。
この宗教の教義は「王祿であれば、全てよし」。どんな飯マズ料理でも、調味料に王祿のお酒が使われていれば、ありがたく食べるのだ!(え?)
ちなみに王祿をご存じない方に説明すると、苦味を主体とした今までにない日本酒をつくるブランドだ。徹底した品質管理を販売店に求めることでも有名で、このお酒が買えるお店は、全国でも34店舗のみである(H29年5月現在)。
ここの凄いところは、「苦味」という日本酒において重要な味であるが、扱いにくい要素を前面に出したお酒をつくってるところだ。
さらに驚くべくことに、そんな特異な味をメインにしているのにイロモノ感はまったくなく、むしろ定番酒のような気楽に飲めるお酒となっている。そんなストイックさと商品としての完成度の高さに、僕はメロメロなのだ。
◆◆◆
この超王祿は、ブランドの基本となる純米酒なのだが、なんとバリエーションが5種類もある(さらに隠しバリエーションまである)。
本生 ☆
生詰 ☆☆
原酒本生☆☆☆
直汲み ☆☆☆☆
中取り ☆☆☆☆☆
星の数が多いほどレアなお酒だ。ちょ、種類多すぎィ!
今回手に入れたのは最上級品である「中取り☆☆☆☆☆」。信者としては、全身全霊で飲まないといけないお酒であるッ。
中取りというのは、お酒を醸造しているタンクから取れる一番おいしい部分のこと。マグロにおける大トロみたいなものだ。これは期待せざるを得ないぜ。
お値段はちょっぴり高めの2052円(税込720ml)。しかし、この程度で最上級品が手に入るなんて、ご褒美と言えようッ。

さて、きっちり冷蔵庫で冷やして、ワイングラスにそそぐ。
香りはふんわりと微かにバナナ、アルコールを予感させる匂い。ごくごく穏やかだね。正座して飲んでみる。
・・・・パァァァァァァァァァァッッッ・・・・・!!!!(天から光がさす効果音)
すっげ、すごいよ!なんてお酒だ!!まず、口にふくむとピリピリした酸が舌を刺激する。これぐらいはよくある味だけど、そのキメの細かさ、刺々しさと柔らかさの両立が絶句レベルの美しさ。
味は意外にも王祿らしい苦味が少く、うま味を酸とごく少量の甘味が支える形。新政っぽい雰囲気がある。
そして、最も感動的なのは、うま味の余韻!リンゴのハチミツ部分のおいしい味が、ず~~~っと口の中を漂っている感じと例えるべきか・・・。おいしさの真ん中部分が、永久に味わえるのだ!
もうね、飲んだら笑みがこぼれちゃいましたよ。完璧だ!完璧だぞ、王祿!
が、完璧なお酒なんてないのでありました(泣)。
このお酒の弱点は、上に書いた奇跡の味が1日しか保たないこと。翌日になったら味が完全に変わっていたのだ。
新政と違って、味が悪くなるのではない。全く別のお酒、ノーマル版の超王祿に戻るのだ。
過剰なキラキラ感、ミネラル感は目立たなくなり、原酒らしいヘビーな雰囲気に。王祿の特徴である苦味も出てきて、生レモンを搾ったような酸味、渋みが支配的に。鉄分のような味もある。とにかくどっしり。
これでも十分おいしいし、たぶん星1つの「超王録 本生☆」と比べたら、こちらのほうがエレガントだと思う。しかし、あの開栓直後の味とはまるで違う。この落差はやっぱり辛かった。感動が大きかった分、それが失われると失望感が強くなるんだろうね。
◆◆◆
2日目以降はちょっと残念だったけど、最上級品の名に恥じないお酒だった「超王祿 無濾過中取り」。あの至福、思い出すだけでニヤけてしまうぞ。
しかし、こういう「開栓直後が最高の味」ってお酒は、僕の中では新政、花陽浴あたりが該当する。今まで飲んだ王祿はこういうことはなかったのだけど、今回初めてだ。王祿の高級ラインはこのタイプなのかもしれないね。
次回、また貴重な王祿を手に入れた時は、その日のうちに味わい尽くしてやるぞー!

名称:超王祿 無濾過中取り(生酒)
精米歩合:60%
酒米:富山県産五百万石100%
アルコール度:17.5%
日本酒度:+8.7
酸度:2.5
蔵元情報:王祿酒造 有限会社
購入価格(税込):2052円/720ml
購入日:平成29年3月25日
購入店:坂戸屋(川崎市高津区)
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神奈川建一(@KanagawaKenichi)
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