65点 居酒屋を席巻するコスパ銘柄のローエンド商品。常備酒向きの意欲作だが、ややバランスに難あり。

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今回ご紹介するのは、岐阜県のお酒「百十郎(ひゃくじゅうろう)赤面(あかづら)」だ。商品の読み方は「せきめん」じゃないよ!

この歌舞伎顔のラベル、日本酒に強い料飲店でよく見かけないだろうか?2012年に発売以降、メキメキと頭角をあらわしているブランドなのだ。

その秘密は、甘さを抑えた万人向け食中酒としての味と、コストパフォーマンスに優れた価格設定である。なにせメインの価格帯が4合瓶で1200円~1400円、一升瓶で2200円~2700円というのだから嬉しくなってくるよね。

地味だけどお手頃でつい飲んでしまう、そんなところが酒飲みと酒場に支持されているのだろう。

この「赤面」も、4合瓶1294円(税込)という値段で、「純米、精米歩合70%、日本酒度+12の大辛口」というスペック。この鉄板を予感させる要素に、期待感はMAXだ!

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僕は、日本酒がもっと日常的に飲まれるようになるには、お値段も大切!って思っているので、百十郎のように価格で努力している蔵元があると、応援したくなるのだ。

純米酒でおいしくお手頃なお酒をつくるのは小さな蔵には大変なことだろうけど、ぜひがんばってほしいものだ。


しかし、灘・伏見の大手蔵元のお酒(白鶴や大関、月桂冠など)こそ、コスパ酒の代表と言える日本酒なのだけれども、もうちょっとなんとかならないものかなぁと思う。

いや、お買い得だし酒質はいいし、売れてる量はそれこそ百十郎の何十倍もあるのだけれども、どうにもイメージが悪いというか。地方酒が大手酒を踏み台にしているというのもあるのかもしれない。

「あっちは大量生産のまがい物で、うちのお酒が本当の日本酒なのです!」というアピールは、売り文句としては結構響くものねぇ。実際今の地酒はとびきりうまいので、説得力もあるんだよね。

地酒と全国酒が仲良くなること、それこそが日本酒文化発展のためには必要なんじゃないだろうか。

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閑話休題。それでは飲んでみるよー。3つの温度帯で飲んでみたので、並べて感想を書いてみるぜ。


【冷酒】
お猪口にそそいでGO!香りは薄い。アルコール由来の甘さ、やや苦味がある、酸味はなし。ふーむ、硬派な感じ。こういう設計好きだぞ。

だが、妙に薄まった感じがする。本醸造ではよく体験するアルコールが味を薄めたような・・・。加水の影響かな?ちょいとバランスがよくない。狙いどおりにつくれてないのでは。

【常温】
今度はワイングラスに。香りに酸っぱさがただよってきた!そして味は苦い&酸っぱい!そして軽くて飲みやすい!苦味はもうちょっと抑えたほうがいいけど、食中酒としてのレベルが高い。お見事。

【熱燗】
50度ぐらいに熱してみる。うーん、これは失敗。苦すぎる。そのまま放置して燗冷ましで40度ぐらいにするとグッド。常温の味そのままに、温かいお酒独特のムッチリしたヌメリが味わえるぞ。


総じてみると、「百十郎 赤面」は甘くない硬派な食中酒で、苦味とやや隠れがちなうま味をメインにしたお酒だ。ただ、苦みが強すぎることや、温度変化によるバランスの崩れが多い点など、まだまだ欠点があるという感じだね。

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正直、菊正宗の上撰生もと純米や、大関の佳撰ワンカップのような、完成度の高い常備酒を期待していたので、ちょっと残念だった。

けど、個性的であろうとする姿勢はいいし、実際いろいろな場所で支持されているのを見る限り、このブランドの未来は明るそうだ。

僕としても、この前鈴木酒販で飲んだ「百十郎 G-mid」は、とても渋くてうまい純米吟醸という印象を持ったので、引き続き応援したいところ。近々新しい百十郎を仕入れたいものだ。

岐阜の百十郎、期待してるぜぇ!

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名称:百十郎 赤面(純米酒)
精米歩合:70%
酒米:五百万石100%
アルコール度:15.3%
日本酒度:+12
酸度:1.4
蔵元情報:株式会社 林本店
購入価格(税込):1294円/720ml
購入日:平成29年4月11日 
購入店KISSYO新吉田本店(横浜市港北区)
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神奈川建一(@KanagawaKenichi)