70点 凡庸な味と侮るなかれ。淡麗に仕上げられた辛口、雑味の少なさ、温度変化への対応力。どこをとってもプロの仕事だ。

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今回のお酒は、新潟の吉乃川(よしのがわ)が出す一品「厳選辛口 吉乃川」である。このお酒は単純に値段にひかれて買った。なんと地元のスーパーで4号瓶718円(税込)である!しかもこれは定価なのだ。

普通の地酒純米酒のお値段で2本、へたすると3本買えてしまうようなお値段である。おいおいおい、吉乃川さん、頑張り過ぎじゃないですか?無理せずパックで出したほうがいいんじゃないですかぁ?

しかし吉乃川のお酒は、山口直樹さんが著書で「スーパーで迷ったら吉乃川、八海山、玉乃光にしておくこと」と書くぐらいにレベルが高いらしい。マジか。




スーパーでおいしい日本酒探すのが好きな僕としては、買うしかないお酒である。ま、最悪でも料理酒にでもすればいいぐらいの値段だしねッ(台所に並ぶ料理酒の数から目をそらしつつ)。

スペックは「普通酒、精米歩合65%、日本酒度+7、酸度1.2」というもの。普通酒なのに表示義務のない精米歩合書くあたり、他とは違うんだぜッというアピールを感じるな。

◆◆◆

今回はさっそく飲んでみよう。裏ラベルのおすすめ通り、冷蔵庫でキリッと冷やして、ワイングラスにそそいでみる。おお、お酒の色は驚くほど透明だ。さすが新潟酒。

香りをかいでみる。これがびっくり、まったく香らない!ワイングラスで匂いを強化してるのに、ここまで香りがないとは。ふーむ、「香りなんて、食事の邪魔になるだけだぜ」って感じか?

ごくりごくり、んん、これは!トロリと甘い口当たり。しかし、酸味と苦味が極めて少ないので、フルーツの甘さではない。

あれだ、和菓子の甘さ。うぐいす餡とか水飴とか。とはいえ、あくまで淡麗に仕上げられているので、主張は少ない。このあたりのバランス感覚、さすが大手蔵。食事の邪魔には一切ならないぜ。

後半は新潟らしい辛さが待っている。これがまた自然に甘さから辛さにつながるんだよなあ。スーッと口の中が辛くなっていき、キュッとキレて味が消える。

味ははっきり言って、灘の大手、具体的には大関の味に似ている。しかし、ずっと淡麗辛口よりで、飲みやすい。ちなみに熱燗もバッチリ。苦味も生まれず、ふくよかなお米のふくらみを楽しめるぜ。

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ねえ、これちょっと凄くない?この値段で欠点というものがないのだ。アル添普通酒なのに、不自然なアルコール感は全くなし、その上冷酒も熱燗もOK。

マニアが喜ぶ美酒じゃないけど、嫌いな人がいないハズレのないお酒。宴会とか野外のパーティーとかにもってこいだと思う。パックじゃなくて、瓶なのも高級感あっていい。

僕は、誰が飲んでも不満のないお酒って必要だと思ってる。キリンの氷結が花見とかで選ばれるのって、そういうニーズがあるからだし。日本酒にもこういうお酒がもっと必要なのだ。いやあ、さすが失敗しない銘柄に選ばれるだけあるぜ!

あと、ちょっと面白いなと思ったのは、八海山の普通酒も、灘のお酒に似た味なのだ。新潟のお酒といえども普通酒で雑味なく綺麗につくろうとすると灘っぽくなるというのは、コスパ酒の作り方になにかしらの共通点があるのかもしれないね。

「厳選辛口 吉乃川」、スーパー・量販店で日本酒に迷ったら、ぜひとも選びたい品。そのハイコスパに、嬉しくなっちゃうぞ!

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名称:厳選辛口 吉乃川(普通酒)
精米歩合:65%
酒米:新潟県産米100%
アルコール度:15%
日本酒度:+7
酸度:1.2
蔵元情報:吉乃川 株式会社
購入価格(税込):718円/720ml
購入日:平成29年5月10日 
購入店:近くのスーパー


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僕も愛用しているリーデルの日本酒グラス。香りを感じ取るにはめっちゃ役立つ。安いし、とってもおすすめ。