70点/100点 山形らしいフルボディの甘さが特徴のお酒。じっくり飲むと、その技術力の高さを垣間見ることができるだろう。

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山形県!日本酒的には、十四代を筆頭に人気の蔵元が多数集まる県だ。名物のオランダせんべいをオランダ人に食わせたいよね!

そして山形のお酒のイメージは・・・濃密、芳醇、甘口!重厚な甘さを誇る吟醸酒が多い地域だ。新潟県の淡麗辛口がブラックコーヒーなら、山形県のお酒はチョコレートケーキトップフラペチーノwithコーヒーショットって感じ(極めて個人の感想です)。

今回ご紹介する「山法師(やまほうし) 純米吟醸」も山形酒の基本をきっちり守ったお酒。そのヘビーさをさっそく味わってみましょ~。

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このお酒を作っているのは、株式会社六歌仙。昭和47年に5つの蔵元が合流してできた酒蔵だ。

って、6つの蔵じゃないの?とかツッコまない!「人々の心にやさしく響き渡る和歌を詠んだ平安の歌人『六歌人』のように、人々の心にやさしい味わいを届けたい思いを込めて誕生した」って公式サイトに書いてあるから!5とか6とか些細な問題だから!

山法師というと「山法師 純米爆雷辛口生原酒」という日本一辛いお酒(日本酒度+28!)が有名なのだけど、今回はごくごく一般的な純米吟醸酒をセレクト。

常温で売られていたので、火入れは確実だけど、1回か2回かは不明だ。精米歩合は60%、アルコール度は16度である。

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さあ、飲むで~。いざ、開栓!もちろんきりっと冷やして、ワイングラスで飲むぞ。

香りは甘い。トロリとした香水のようで、THE山形!って感じだ。もう、重量級の甘さが待ち受けてるのをビンビンに予感してしまう香り。ちょっと専門用語だけど、カプロン酸エチル系の典型的な匂いである。

飲むと、口当たりから「ズン!」と音が聞こえてくるほどの甘味!いや~山形やねぇ・・・。お米由来の糖分をこれでもかってぐらい味わえる。好きな人にはたまらないな。

ただ、よーく味わうと、最初の方からうっすら鋭い辛さがある。隠れているのだけど、いわば隠し味として存在しているのだ。これがこのお酒に個性を与えている。

飲み進めると、この辛さは酸味をともなってポンッと口の中で弾ける。そしてそのままジワ~っと辛さに苦味を加えて広がって消えていくのだ。

ちなみに火入れのおかげか、時間経過であまり劣化しなかったのはよかった。カプロン酸エチル系の吟醸酒はわりと早くダメになるので、ここは美点だね。

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なかなかのテクニックを見せつける典型的な山形の純米吟醸酒、そんな感じかな。火入れとしてはまずまず。濃厚甘口好きなら気にいるだろう。

ただ、ちょっとよさが分かりにくいのが残念。この味のレポートも、舌の感覚が鋭いとされる日中の午前中に、シラフでティスティングしたのを元にしている。

正直、夜の飲み会などで味わっても、ただの甘口の山形酒としか認識されないんじゃないかなぁと思う。特別に濃厚甘口を好きじゃない人でも、「おお、これ凄いじゃん!」と言わせる何かが欲しかった。

「山法師 純米吟醸」、平均点はクリアしているけど、ちょいと物足りないお酒だった。パワーアップを期待したいぜ。

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名称:山法師 純米吟醸(火入れ 回数不明)
精米歩合:60%
酒米:不明
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:株式会社 六歌仙
購入価格(税込):1632円/720ml
購入日:平成29年5月5日 
購入店酒壱番(千葉県市川市)



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