75点/100点 脂ぎった鶏肉との相性が最高。アル度6%という超低アルコールが、ガブ飲みを可能にするヤクルト系日本酒。

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プリプリの弾力が素晴らしいもも肉、したたる鶏油、パリッとした固い食感の鶏皮・・・このむせ返るジューシーさが鶏肉料理の醍醐味だ。

そして、こんな本能を直撃するような動物性タンパク質の料理に最適なお酒は・・・ビールだよねぇ。当然だよねぇ。

口の中の脂っこさを爽快に流してしまう炭酸と苦味には、「生きててよかった!」と言わせる魔力がある。

しかし、「バカヤロー!そんな常識、蹴散らしてやる」と日本酒界から異議申し立てが行われた!

それが鶏肉専用の日本酒、香川県の川鶴(かわつる)「讃岐くらうでぃ」であるッ。

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このお酒は、香川県の名物「讃岐・骨付鶏」に合う日本酒をつくってくれという依頼から生まれたという商品なのだそうだ。

僕は横浜のお店で骨付鶏を食べたことかあるのだけど、滴るほどの油のため食べるのが困難なほど。正直なところ、「日本酒ください!」とは考えない料理だ。絶対ビール。

油マシマシな肉料理に合う日本酒としては、新政・天蛙、王祿出雲麹屋にごりなどが思いつく。どちらもこの讃岐くらうでぃと同じくにごり酒だけど、あちらの2つは発泡性でこっちは違う。そこに興味を持ったので買ってみたのだ。

特徴は「焼酎用の白麹使用、麹の量3倍、アルコール度6%、激にごり仕様」といったところ。かなり凝ったつくりに、本気度を感じるぜ!

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さて飲んでみる。バリバリ氷を入れるロックスタイルがおすすめらしいので、ワイングラスにたっぷり入れてみる。

香りは…乳酸飲料感ある!こりゃ、凄いな。酸味とお米の香りでこんな風になるのか。

ゴクリと飲むと…うん、完璧だ。完璧なヤクルトだよ、これ!(笑)  甘酸っぱい味で、赤リンゴや杏の味と例えることもできるけど、ヤクルトが一番わかりやすい。酸味主役、甘味隠し味、そこに牛乳的なミルキーさが加わるのが、このお酒の味だ。

これが油ものの肉料理と合わせると素晴らしい。僕は手作りの鶏胸肉唐揚げと一緒に飲んだのだけど、油をシュッと切ってくれる感じがとてもグッド。

6%という低アルコールの理由もわかる。これだけ低ければ、気にせず食事に合わせてカパカパ飲んで大丈夫なわけだ。よくできてるなあ。

ロックで飲むのを推奨しているのは、キリッと冷えた状態が一番おいしいのと、加水に耐える酒質のお陰。うむうむ、いいぞー。

ただ、わりと食中限定のお酒だ。単独で飲むと意外なほど爽快感がなく、余韻も少ない。独特の粉っぽさもあって飲みづらいので、食後もいまいちだ。食事の真ん中で飲むのがベストだね。

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かなりの状況限定タイプの日本酒だった。けど、その分悩むことなく食事との相性を楽しめる。こういう分かりやすさ、いいと思うなあ。

ただ、唐揚げくらいに庶民的な料理だと「ビールの安直な味で十分じゃね?」と感じたのも事実。けっこう上品なお酒なんですよ。ヤクルト味とか言ってますが。

ローストチキンとか炙り鶏肉とか凝った料理のお供として飲むと、より合うだろうなと思う。

「川鶴 讃岐くらうでぃ」、局地戦型日本酒というジャンルの可能性を感じさせる一品。今の日本酒シーンの面白さを感じられたぜ!

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名称:川鶴 讃岐くらうでぃ(火入れ 本醸造)
精米歩合:70%
酒米:不明
アルコール度:6%
日本酒度:ー70
酸度:5.0
蔵元情報:川鶴酒造 株式会社
購入価格(税込):1026円/720ml
購入日:平成29年6月17日 
購入店KISSYOトレッサ店(横浜市港北区)
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日本酒バラエティ本。川鶴のくらうでぃ開発秘話が載ってますよ。