80点/100点 杯を重ねるごとに明確に強くなっていく酸味。しかし、ギリギリくどくならないレベルでピタッと味が収束する。見た目に反して、恐ろしく緻密な設計でつくられているぞ。

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酸、酸、酸~~~~~!!!真夏の日本酒において、最近一番求められる味だ。口の中をスッキリさせてくれる酸は、真夏の食中酒にベストな要素として人気になっている。ちょっと前までは日本酒の酸味なんて全く見向きもされなかったのだから、日本の食生活の変化は大きいものだと実感するね~。

当ブログでも今年は「甲子林檎」「飛良泉 マル飛No.77」「愛・米・魅 金の純米酒」といった派手な酸味をウリにした日本酒を紹介してきたが、ここで真打ち登場!そう、あの栃木県・仙禽の「かぶとむし」である!

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夏に飲むお酒に求められる要素は、何杯も飲めるお酒であることだと思う。この点甘味・うま味をメインとする日本酒は不利で、飲み続けるとくどくなることが多い。

そこで、糖分が少ない=辛口のお酒だったり、アルコール度を下げて飲みやすくした日本酒が夏に出回るのだが、これは日本酒にとっては諸刃の剣。この傾向のお酒は、日本酒の良さを殺したお酒になりがちなのである。

このジレンマを各蔵元は毎年たゆまぬ努力で解決しようとしているのだが、そこに「酸」という要素で1つのモデルを示したのが仙禽だ。このかぶとむしは、その考えを体現したお酒で、毎年大人気なのである。

スペックは「山田錦使用、生酒、精米歩合50%、アル度14%」というもの。酸度は非公開ながらかなり高いと思われる。特定名称はないが、純米大吟醸相当だ。

去年は使っていた酒米が雄町だったので、リニューアルしている。はたしてどういう変化があるのか?楽しみである。

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たっぷりワイングラスに注いでみる。うふふふ、ガバガバ飲んでやるぞ~。お酒の色はわりと薄めで、コクの少なさを予感させる。

香りはさすが大吟醸!と思わせる、ふんわり甘い、花をイメージする匂い。もっと酸っぱい香りを想像していたので、ちょっと意外だ。これは女性ウケしそう。

1杯目を飲む。ごくり、柔らか~い甘さと口当たり。なんと酸味は少く、むしろ物足りない?アルコール感も少ない。

2杯目。あ、最初の味が少しづつ濃くなっている。そして後半、まるで坂道を駆け上がるように酸味が強くなっていき、パァッ!とはじける。

3杯目。カチッときまったかのような甘旨酸味が混ざった味を楽しめる。最初の一口目にあったような物足りなさはなく、絶妙な濃さの酸味がたっぷり味わえる。そうか、このお酒は数回飲んで、やっと完成するのだ!

夏に僕らが何を求めるかを、まるで予測したかのような日本酒だ。しかも3杯目以降は、味がそれ以上濃くならず、ずーっと同じ味で飲み続けることができる。いやぁ、凄い。こういうのを見事な設計の日本酒と言うのだろう!

ちなみにオンザロックにすると、さらに酸味が強調されて甘さは消える。まるで口当たりのいい白ワインみたいになるぞ。こんな裏技まで隠し持ってるとは。どこまでハイレベルなお酒なんだ!

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こりゃーあれですよ、商品性抜群すぎますよ。夏飲むならこれっきゃないと感じさせるものがある。もちろん玉川のアイスブレーカーみたいに、濃密甘口(でもスッキリ)という方向もあるので、これは1つの解答にすぎないけど見事、グッジョブだ。

去年のかぶとむしと比べてだけど、雄町の時の方が、より酸っぱかった気がする。今回は軽やかな甘さが目立ったような・・・。まー、僕の味の記憶ほどあてにならないものはないですけど!

7月中旬の現在、やはり売り切れが目立っているかぶとむし。ただ再入荷の話も聞こえてくるので、欲しい人は取扱店に聞いてみよう。もしかしたらまだチャンスはあるかもしれないぞ。

「仙禽 かぶとむし」、やはり夏の日本酒の王者は今年も素晴らしかった。日本酒の多様な可能性の1つとして、応援したいお酒である!

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名称:仙禽 かぶとむし(H28BY 生酒)
精米歩合:50%
酒米:ドメーヌさくら・山田錦100%
アルコール度:14%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:株式会社 せんきん
購入価格(税込):1674円/720ml
購入日:平成29年6月17日 
購入店KISSYOトレッサ店(横浜市港北区)



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