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味の傾向:
どっしり系の樽酒純米酒。これでもかってぐらい濃厚なお酒だ。強い甘みに熟成感ある苦味、うま味の満漢全席。しかし、最初から最後まで明確な酸味があり、これが全体の飲みやすさ感に大きく貢献している。醇酒好きなら、真夏でも常温でクイクイいけちゃう。

おすすめシチュエーション:常温からぬる燗が最適温度帯。でも、冷酒も悪くない。おおらかな酸味を楽しめる。これも食中酒として輝くお酒。スモークチーズ、もつ焼き、さばの干物、からすみ・・・涎が出そうな濃厚な肴と合わせてみよう。

評価:75点/100点(個性があり、好みが合えばとても良いお酒)

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山形県!日本酒好きにとっては、くどき上手や十四代、出羽桜のような芳醇系日本酒の聖地といった認識があるのではないだろうか。そんな華やかなイメージの山形県にあって、「あんた島根あたりのお酒じゃね?」と言いたくなるような渋~いお酒がある。それが今回ご紹介する「住吉(すみよし) 特別純米 銀住吉」だぁ!

もうラベルからしてヤバさプンプンである。まるで花札のような、ヘンテコなカラフルさ。商品名に「銀」なんて使うセンス。お前はチョコボールの当たりかっつーの!ちなみにもちろん「金住吉」もあり、こちらは山田錦を使用している(銀はササニシキ)。

このお酒最大のポイントは「樽酒」であるということ。飲んだことがある人はわかると思うけど、杉樽で貯蔵された影響でめっちゃ木の香りと味がする独特なお酒だ。好き嫌いはかなり分かれると思うけど、山廃系(菊姫とか)が好きなら、ぜひ一度チャレンジしてみてほしい。いい樽酒はマジうまいから。

飲んでみると、たしかに濃厚だし古酒のような熟成感があるんだけど、最初から最後まで存在するズバッとした酸味のおかげで、意外なほどの飲みやすいということがわかる。この酸味が杉の香ばしさや、後半の辛さのキレと一体化していて、全体の味の芯になっている。菊正宗の樽酒は澄んだ甘さが特徴的だけど、こっちは酸味がウリになっている。2つの傑作酒の差も面白いので、飲み比べてみたいなぁ。

山廃、生もと系の濃い純米酒が好きなら、間違いなくおすすめの一品。飲み飽きない食中酒として理想の一本である!

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名称:住吉 特別純米 銀住吉(火入れ、28BY、樽酒)
精米歩合:60%
酒米:山形県産ササニシキ100%
アルコール度:15%~16%
日本酒度:+5
酸度:1.9~2.1 アミノ酸度:1.6~1.8
蔵元情報:樽平酒造 株式会社
購入価格(税込):2493円/1800ml
購入日:平成29年7月15日 
購入店小山商店(東京都多摩市)


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