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味の傾向:
基本はキレキレの本醸造酒。アルコール由来のドライさが楽しめる。ただ食事との相性が抜群で(特に出汁系)、味が大幅に変化する。明確なストロベリー感あるフルーティさに驚くだろう。アル添特有の喉の渇きを誘う味もあって、大変危険なお酒だ。

おすすめシチュエーション:蔵元のアドバイス通り、冷やしすぎない、温めすぎない温度がベスト。きれいな吟醸香を楽しもう。食中から食後が一番おいしいゾーンだと思うが、ドライな味が好きなら食前だってOK。合わせる料理は薄味の和食がおすすめ。天ぷら、カツオのたたき、おでん、寿司、粕漬け、幅広く合うだろう。

評価:90点/100点(味も凄いがコストパフォーマンスが高すぎる銘品)

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この前の静岡旅行で出会ったお酒、磯自慢酒造の「磯自慢(いそじまん) 本醸造」である!磯自慢と言えば静岡地酒でもトップレベルの知名度を誇り、洞爺湖サミットの乾杯酒に採用される等、そのブランド力は広く知られている。このお酒はその磯自慢の一番安い商品(一升瓶・税込2100円)だ。

僕もその名声にひかれて、何度か外飲みしたり自宅で飲んでみたりしていたのだけど、どーもピンとくるものがなかった。典型的な「昔飲んでイマイチだったから避けてきた銘柄」だ。しかし、「地酒は地元で飲むとおいしい」という話を聞いて、せっかくだからと静岡市内の居酒屋で飲んでみると・・・ありえないうまさ!!!勢いで翌日、磯自慢の蔵元で買ってしまったのだ。

磯自慢の本醸造は何が凄いか?というと、「典型的な本醸造らしさと、フルーティな吟醸感の両立」だろう。磯自慢のHPや裏ラベルを見ると、この蔵元が吟醸香に強いこだわりを持っていることがわかる。本醸造といえども吟醸造りしてるのだ。このお酒は夏季出荷商品なので2回火入れなのだけど、わざわざ高度な火入れをしていることを、裏ラベルに明記するほどである。

「典型的な本醸造らしさ」は、最初の一杯として飲んでみるとわかる(ここでは冷酒)。まったく甘さがないのだ!きわめてドライで、アルコールが添加されていることがよく分かる。加水感も強くまさにザ・本醸造という感じ。新潟の普通酒などを連想する、悪い言い方すれば実にオッサンっぽい味だ。

しかし、ここに「フルーティな吟醸感」が加わると、評価が180度変わる。まず香りが実にいい。ピーチを思わせるふんわりとした香りは、アル添吟醸香のレベルの高さを感じさせる。味については、食事とともに飲むことで大幅に変化する!まるでストロベリーのような甘さが出てきて、得も言われぬ味に感動してしまう。個人的には出汁ものとの相性がすごすぎて、例えば湯豆腐などは失神するレベルの相性だった。

この「典型的な本醸造らしさ」と「フルーティな吟醸感」が合体するとどうなるか?「何度飲んでも飲み飽きない、フルーティな日常酒」となるッ!最近の日本酒の花形である果実感ある純米吟醸酒は、とてもおいしいけど飲み疲れと食事との相性の難しさという問題がある。

しかし、磯自慢・本醸造はそれを克服している。食中に出てくるストロベリー味は、サッと醸造用アルコール由来の辛さと軽さに流されてしまい、口の中はいつでもスッキリな状態のままである。喉の渇きに誘われて、食後飲み続けても、全く飽きないのだから恐れ入る。

そしてこの味が一升瓶で2100円・・・はい、もう磯自慢に降参です。安すぎるだろ!十四代の本丸や、田酒の特別純米、飛露喜の特別純米もそうだけど、やはり有名蔵元はローエンド商品が凄い。磯自慢の名声が、地元の人達の支持の上に成り立ってるのだなぁと実感するお酒だ。

「磯自慢 本醸造」、十四代や新政ほどのわかりやすさはないけど、ある程度日本酒を飲み歩いたらぜひ飲んで欲しいお酒。その一滴入魂っぷりがすべての商品に行きわたってる、銘醸造場の凄さが体験できるだろう。

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名称:磯自慢 本醸造(2回火入れ、H28BY)
精米歩合:65%
酒米:出羽燦々(山形)55% キヨ錦(山形)45% New-5(静岡 自家培養酵母)
アルコール度:15%~16%
日本酒度:+4~+5
酸度:1.2
蔵元情報:磯自慢酒造 株式会社
購入価格(税込):2100円/1800ml
購入日:平成29年8月8日 
購入店:酒友 寺岡酒店(磯自慢直売所)(静岡県焼津市)


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