味の傾向:吟醸酒らしい、たっぷり香りをため込んでいる芳醇な甘口系日本酒。夏酒用にシャープに設計されているが、強い香りと甘い味があるので真夏には向かない。涼しい時期に飲みたい。
おすすめシチュエーション:暑い部屋で食事しながら飲むと、間違いなくクドくなるタイプなので、冷房の効いた涼しい部屋などで食前の一杯として飲むのが似合う。香りが強いので、邪魔をしないあっさりとした肴をつつきながら飲もう。
評価:60点/100点(地酒として平均的。特徴が薄い)
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佐賀県と言えば九州の中でも一番日本酒が盛んなところ。その基礎を作った江戸時代の鍋島公にちなんだお酒がこの鍋島である!今回ご紹介するのは、夏酒として限定発売される「鍋島 Summer Moon(なべしま サマームーン)」だ。スペックはアル添の吟醸酒、お米は山田錦、精米歩合は50%となっている。
あの鍋島がつくったアルコール添付の夏酒というだけでテンションが上がるぜ!アル添もつくるところがつくれば、ホントいいお酒になるからね~。しかも醸造用アルコールは、夏酒に必須なスッキリ感を出すのに役立つしね。さっそく飲む!
冷酒でそそいでみると・・・あれ、この典型的な吟醸香(吟醸酒特有の香り)は・・・ベタベタな芳醇甘口系なの?かなり冷やしているのでそこまで匂わないけど、これ温度上げると香り強くなりそうだ。マンゴーや甘いリンゴを思わせる。
ゴクリと飲んでみる。お、悪くない。口当たりアルコールを含んだアタックが強く、いきなりガツンとくる。でもアル度15%と平均的な濃度なので、大したことはない。ヌルリとした日本酒らしい粘性が飲んでて楽しいぞ。
基本は甘口なんだけど、フルーツ系ではないやや人工的な感じ。ラムネかなぁ?この甘さ、誤解を恐れずに言えば、大関上撰ワンカップに似ている。あの酸味とうま味に頼らない、ストレートな甘さだ。これが鍋島流のアル添吟醸酒なのか。後半は甘さが緩やかに消えていく感じ。苦味とかでキュッとキレるかな?と思ったけど、サラリと流す感じの終わり方だ。
うう~ん、これはどうなんだろう?こういう甘味も香りも強いお酒って夏に需要あるのだろうか?クーラーが効いてる場所で飲む用なのかなぁ。この前の風の森夏のALPHAもそうだけど、香り高い夏酒ってのは、僕にとって疑問がある商品だ。それ飲むなら、氷結飲むよって思ってしまう。杯を重ねるごとしつこくなるというのも、夏に向かない一因だ。
加えてこのSummer Moon、風の森と違って明確な個性がない。良くできているのはわかるけど、このお酒じゃなきゃ!と思うポイントが感じられないんだよね。飲んで損した!とは思わないけど、嬉しくもないというか。
「鍋島 Summer Moon」、期待していた分、かなり残念なお酒だった。鍋島もこういうお酒つくっちゃうんですねぇ。
名称:鍋島 Summer Moon(吟醸酒、火入れ、H28BY)
精米歩合:50%
酒米:山田錦100%
アルコール度:15%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:富久千代酒造 有限会社
購入価格(税込):1598円/720ml
購入日:平成29年7月1日
購入店:石澤酒店(神奈川県川崎市)
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