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味の傾向:
強く香る吟醸香に、テンションは上がりまくること必死。味はまさしく「大吟醸」。高精白の日本酒らしい、雑味のないきれいな甘さとうま味に心がおどる!後半、酸味、苦味、渋みなどの要素が辛さを作り出し、パアッと弾けて消えていく。このキレの良さは、食事にも好相性。

おすすめシチュエーション:きれいな味だが、きれいすぎないのでいろんな食事に合うというメリットがある。温度はもちろん冷酒(ついでにワイングラス)で。醤油や出汁、みりん系の料理と飲むと、甘さが強調されてうまい。また、塩やビネガー、オリーブオイルなどのさっぱりした味付けだと、お酒の味がそのまま味わえ、これまたよい。

評価:85点/100点(明確な個性がある。その上、高コスパ&取扱い楽ちんとハイスペックだ)

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今回はお酒好きなら誰もが知ってると言って過言ではない、あの山口のお酒「獺祭(だっさい) 純米大吟醸50」をご紹介!

獺祭のすごさは、誰が何と言おうと「生産量を拡大する力」だ。日本酒は工業製品であるが、まだまだ人の手が必要で、安易に生産量を拡大できない。作る量が増えると、杜氏(醸造の責任者)の目が行き届かなくなり味が落ちるのだ。そのため、取引蔵に「生産量を増やさないように」とアドバイスする酒屋もあるぐらいだ。

しかし、獺祭はそんな常識に反して生産量をどんどん拡大しても味は落ちない。それは、コンピューターとデータ統計を使った杜氏を置かない生産体制という、掟破りのしくみが可能にしてるのだ。

獺祭よりいいお酒をつくる蔵はいくらでもあるけど、どこも生産量を大きく増やすことができない。結果飲める人が限られ、日本酒が広まるきっかけになりにくい。この日本酒特有のジレンマを越えていけるのは獺祭だけだ。僕がこのお酒を高く評価するのはそのためである。

では、実際の味はどうだろうか?僕としては久しぶりの獺祭家呑みだ。スペックは精米歩合50%の純米大吟醸(2回火入れ)、もちろん山田錦100%であるッ。


ワイングラスにそそぐ。うひょ~~、香りがたまらん!これぞ大吟醸と叫んじゃうほどの香ばしさである。あま~い完熟リンゴとイチゴの匂いがふわ~~~と香る。しかしくどくなく、バナナの匂いも加わり、実にバランスがいい。

飲んでみる。・・・・グッ!(親指をサムズアップ) いやいやいや、これおかしいでしょ、ウマすぎでしょ!!味は一言で言うと「しっとりしたメロン味」。精米歩合が高い日本酒特有の雑味のなさを最初から楽しめる。このうま味と甘味しか存在してないかのような体験は、日本酒でしか味わえないぜ。

獺祭の特徴は、後半明確に味が変化し、辛さをともなったグワッとした派手なキレ味が出てくることだ。これが口の中をリフレッシュするのに役立つんだわ~。状況によってはけっこう辛いので、淡麗辛口方面から来た人でも楽しめるのが、このお酒の懐が深いところだ。

そしてなによりすごいのは、このお酒が「入手が容易で、一番価格の安い商品で、常温で保管できるぐらい扱いが楽」ということだ。これが立派。ほんと尊敬するわ。それにしても、獺祭の純米大吟醸50ってこんなにおいしかったっけ?ずいぶん飲んでない内に、そうとう進化したんじゃないかな。

「獺祭 純米大吟醸50」日本酒飲むなら、まずここから。そう僕が断言できる、現代日本酒の魅力が詰まった傑作だ。日本酒に不慣れなら、これを飲んでほしい!

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名称:獺祭 純米大吟醸50(2回火入れ、H28BY)
精米歩合:50%
酒米:山田錦100%
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:旭酒造 株式会社
購入価格(税込):3078円/1800ml
購入日:平成29年8月11日 
購入店渋谷東急フードショー(東京都渋谷区)


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