resizeP1130333
味の傾向:
冷酒と熱燗がおいしい、甘旨口の本醸造だ。アル添らしいアルコール感があるけど、それが大丈夫ならきっと気に入る品。冷酒では軽やかな甘苦さを、熱燗では引き締まった酸味と甘味のコレボレーションを楽しめる。

おすすめシチュエーション:冷酒なら気温に合わせて、5℃~15℃と幅広く選べる。熱燗もぬる燗から熱燗まで自由自在だ。合わせる料理はなんでもOKと言えるほど気軽に楽しめるお酒だが、肉類や牡蠣などこってりした素材に、醤油、ソース、味噌などの濃い味付けが好相性だろう。焼き鳥もおいしいぞ。

評価:75点/100点(格安地酒として素晴らしい完成度)

◆◆◆

今日ご紹介するのは、宮城県の地酒蔵として大きな存在感を持つ一ノ蔵、その看板商品「一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口」であるっ。このラベル、スーパーなどで見たことある人も多いのでは?4合瓶800円台という、財布に嬉しいコスパ酒だ。

他にバリエーションとして「超辛口」「甘口」があり、特に「甘口」はIWC(ワインの世界コンペ)2017本醸造酒の部最高賞トロフィーを獲得して、最近大注目だ。さっすが一ノ蔵。この値段で世界のトップを取っちゃうなんて!そこに痺れる憧れるゥ!

さてこのお酒、素の状態である常温で飲むと、なんとも大味だ。香りはアルコール感強く、味はむっちりフルボディな上に甘さと苦さが全力で襲いかかってくる。野性味あふれると言えば聞こえはいいけど、要は味がまとまってねぇ!

しかし、温度を変えると評価が180度変わる。いや、これがすげぇンですよ!

まず冷酒。常温の味がウソのようにスッキリした味に変化する!強い甘さと、下支えするうま味は変わらず存在するのだけど、それがぎゅーっと縮こまって控えめになるのだ。東北らしい濃厚酒なんだけど爽やかというバランスが見事ッ。後半のキレはアルコール感と苦さでシュッとスマートに消えて行くぞ。

次に熱燗。これまた驚いたことにビシッと引き締まった味になる!ちゃんと甘いのに!その秘密は最初から存在感がある酸味だ。これがゆーっくり強くなっていき後半辛さに変化してフィニッシュする。いや、これがいいのよ!これのおかげか、甘さもぐっと控えめに感じられ、なんとも上品♪

これは美女に例えると、常温=実家で油断してるノーメイク美女、冷酒=カクテルドレスに身を包んだ美女、熱燗=和服を着こなした美女、って感じだろうか。いやー、表情豊か!油断美女がエロいって言う人もいるだろうから、常温もまたこのお酒の表情の1つですな。

これが4合800円台、一升2000円弱・・・いやぁ、悪いけどこのお酒とタメはれるお酒は、そうそうないだろう。全国で幅広く売れているのも納得だ。「一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口」、スーパーで買える東北酒としてはイチオシの一品。飲んだことない人は、まず買おう!

resizeP1130327
名称:一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口(2回火入れ、H28BY)
精米歩合:65%
酒米:不明
アルコール度:15%
日本酒度:+4~+6
酸度:不明
蔵元情報:株式会社 一ノ蔵
購入価格(税込):895円/720ml
購入日:平成29年8月20日 
購入店:近所のスーパー


Twitterやってます。お気軽にフォロミー!
神奈川建一(@KanagawaKenichi) 

お酒ミライのFacebookページはこちら。いいね、もらえると喜びます!

Instagram始めました
神奈川建一