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味の傾向:
グッと重い甘味、キリリと響く酸味、激しい苦味をともなう辛口のキレ!なにからなにまで重量級な大吟醸。ヘビー級愛好家には大いにウケるだろう。大吟醸らしい舌触りの滑らかさは健在なので、そっちもしっかり楽しめる。

おすすめシチュエーション:温度は大吟醸のセオリー通りやや冷やした冷酒で(10℃~15℃)。華やかさもあるけど重量感あるお酒なので、重厚な料理でもOK。食中から食後にかけて楽しめるだろう。豆煮込み、ホタテのグラタン、鶏肉のハーブ焼きなどがおすすめ。

評価:65点/100点(地酒として及第点。まだおいしくなる余地がある)

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今日は、久しぶりに三重県のお酒をご紹介。名張市にある蔵元・瀧自慢酒造の「瀧自慢(たきじまん) 純米大吟醸」であーる。これも前々から飲みたくても縁のなかったお酒だ。今回はお値打ち品の純米大吟醸(4合税込2187円)をチョイス。2000円前半の大吟醸は、初体験の銘柄でも選びやすいのでいいよね~。

今回のセレクト基準は、而今と同じ名張市のお酒だということ。その程度!?って思う人もいるかもしれないけど、お酒買う理由はこのぐらいでいいと思う。「ラベルがいい」とか「名前が気に入った」とか「イケメン店員のおすすめだった」とか、選ぶ理由はなんでもいいと思う。お酒は口に入らないと最終的な判断はできないので、その前の段階は適当でいいんですよ、うん。


さあ、セオリー通りワイングラスに冷酒でそそぐよ~。ふむ、香りはバランスの良い感じ。適度にフルーティ、適度にアロマティック。飛び抜けて良くもないけど、ちゃんとした吟醸香だ。

飲んでみる。ぐほっ、重っ!パワー系大吟醸だ!グーーーッと口に広がる甘さは、砂糖や餡こを思わせる和菓子系だ。強い酸味もあるのだけど、フルーティ系にならない味。硬派甘口吟醸酒とでも言えばいいのか?適度な粘性があるので、大吟醸の華とも言える滑らかさがしっかり出てる。ここはマルだ。

後半から喉越しのキレもドカーン!と辛口でくるので、全体がとにかく「強い」って感じ。でも、実際に味が濃いわけじゃないのよ。香りがほどほどなせいか、芳醇なイメージもないし。しかし、そういう印象をもつ、面白いお酒だ。

最近のメインストリームである洋風の大吟醸に対して、この瀧自慢は和風の大吟醸という感じだった。なんか変な言葉だけど!

ただ気になるのは、甘味と酸味の組み合わせ。どちらもしっかり主張するのだが、全然溶け合わない。甘味を酸味が下支えしたり、強い酸味を甘味がフォローしたりと、最近の日本酒はいろいろ工夫されている。しかし、このお酒はどちらの味も独立して存在しており、まったく協力し合ってない。なんかもったいない気がするのだが、これが蔵元の考え通りの設計なのだろうか。


「瀧自慢 純米大吟醸」しっかりした純米大吟醸だった。しかし、改善の余地はけっこうあるなぁという印象だ。

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名称:瀧自慢 純米大吟醸(おそらく火入れ H28BY)
精米歩合:45%
酒米:伊賀産山田錦100%
アルコール度:16%
日本酒度:+6
酸度:1.2
蔵元情報:瀧自慢酒造 株式会社
購入価格(税込):2187円/720ml
購入日:平成29年9月10日 
購入店西山屋(神奈川県川崎市)


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