こんにちわ~。お酒ミライの神奈川建一です。インフィニット酒スクールの日本酒初級講座も3回目。今回はお酒の方向性を決める「酵母」の授業です!第2回めの講義はこちら。
が、今回はそこまで深い話も出ず、むしろ後半のティスティング訓練の方が興味深かったので、座学の部分は軽くいこうかと思います。
◆◆◆
日本酒の発酵を担う酵母!皆さんご存知のように、糖化したお米をアルコールに変える働きがあります。これがなくちゃお酒ができないのですから、これ以上になく重要な要素。実際、日本酒の原材料系の要素(お米、水、麹菌、酵母)の中でも、一番味に影響をあたえるものでしょう。
この酵母、それだけ重要なので種類もとんでもなく多いです。いちばん有名なのは、日本醸造協会が配布する協会酵母(19号まで存在する)ですが、各県が独自に開発した酵母も実にたくさん存在しています。さらに自家培養の酵母、ワイン酵母、花から採取した花酵母と・・・もう、無限に存在するかのよう!
さて、この酵母ですが、使い続けるとあっという間に変異してしまい、まるで別物のようになってしまいます。例えば協会酵母なら、3造りぐらいの使用が限度で、その後は再度購入するのが普通だそうです。なぜ変異がいけないのか?それは「計画通りにお酒がつくれないから」です。発酵の具合が変わってしまうのですね。
「昔は野生の酵母を使って、酒づくりしてたから問題ないんじゃない?」という方、鋭い。そう、近代以前の日本酒は、蔵付き酵母と言われる野生の酵母(もちろん常時変異している)を取り込んでつくられていました。今でもいくつかの蔵元がチャレンジしてますね。この方法、確かにお酒をつくり続けられる。しかし、それは「同じお酒のみ」という条件付きです。違う味のお酒にチャレンジすると、かなりの確率で失敗するのだそうです。これがいわば蔵グセってやつなんでしょうね。
今の時代のように、新しいお酒を計画通りにつくることができるのは、性質の安定した酵母が買えるためなのです。まさに自然の力の工業化ですね。日本酒がワインに比べて工業製品だと言われるのは、こういう理由があるのです。おかげで、今の多種多様な日本酒ラインアップを僕らは楽しめるわけですね。
ただ、規格化されている協会酵母が、味の画一化の原因と言われてるのも事実。最近の酵母開発が県の間で激しいのも、そういう過度な平準化への対応なのかもしれませんね。
◆◆◆
さて、ここからはティスティング。最初に先生から聞けた面白い話をいくつか。まとまりがない上に専門用語が多くてすみません。
さて、ここからはティスティング。最初に先生から聞けた面白い話をいくつか。まとまりがない上に専門用語が多くてすみません。
・お酒の味は「甘い、旨い、滑らか」で1グループ(甘グループ)、「酸っぱい、苦い、渋い、刺激」で1グループ(酸グループ)。・お酒を口に含んで3秒で1stステップ、さらに3秒で2ndステップ、その後は3rdステップ。1stでは甘グループ、2ndでは甘グループと酸グループ、3rdでは酸グループの味がメインとなる。・お酒の見た目・ツヤ照りは、少し熟成すると良くなる。しぼりたては少し悪く、アル添失敗したお酒は少しにごる。・【香りの話】お米の香り(蒸し米、酒粕、餅などのイメージ)は無濾過生原酒で出てきやすい。乳酸(ヨーグルト、サワークリームなどのイメージ)は酸度が高かったり、加水が多かったりすると目立つ。また炭素濾過でも目立つ(乳酸は濾過できないため)。・アセトアルデヒド(ハーブや青草、井草などのイメージ)は生酒特有の香り。また瓶燗火入れでも残りやすいので、生っぽい火入れ酒もある。
今回のお酒は、こんなラインアップでした。

①雁木 純米吟醸 無濾過生原酒 精米歩合50% アル度17% 日本酒度+5 酸度1.7 酵母:山口9H9E②クラシック仙禽 亀ノ尾 無濾過原酒 精米歩合50% アル度15% 日本酒度-2 酸度2.3 酵母:NEW-δ
③九頭龍 逸品 精米歩合65% アル度15% 日本酒度+3.5 酸度1.0 酵母:自社
④菊姫 山廃純米 精米歩合70% アル度16~17% 日本酒度-3 酸度2.5 酵母:自社(9号系)
以下、先生のコメントです。
①の雁木は、アルコール度の高さの影響で、香りの中のフルーティさが強い。高アルコールなお酒の特徴。このフルーティさが強いせいで、他の香りがマスキングされているところに注意。
②の仙禽は、酢酸イソアミル系酵母でつくられたお酒の典型例(酢酸イソアミルとは、バナナ系の香りを出す日本酒の甘い香りの代表。もう1つの代表はカプロン酸エチル)。飲んでみると甘酸っぱく、後半苦味がある。この苦味はコハク酸。イソ系酵母はコハク酸が出るので、この苦味がある。またアセトアルデヒドの青っぽいかおりがあるが、これは瓶燗火入れのせい。
③の九頭龍は、アル添の本醸造。バランスが良い加水の例で、とてもまろやかになっている。ここが黒龍の凄いところ。酵母は14号系。コハク酸が出ていないが、これは黒龍独自の炭濾過技術のせいと思われる(これは僕の推測)。
④の菊姫は、香りが強い(=アル度が高い)。乳酸の酸っぱさが大きく出ている味。日本酒において酵母が作る酸度は1.5ぐらいが最大。この菊姫の酸度2.5の内1.0は乳酸がつくっている。乳酸を活かした山廃らしいお酒。苦味があるが、これはコハク酸ではなくアミノ酸だそうだ。ここが、ちょっと僕には理解できなかったな・・・。こんど質問してみます。

この回からティスティングシートが複雑になって、いろいろ苦労しました。これでも初級用なんだよなぁ(汗)。がんばって精進します。まずは、自分の毎日の晩酌でトレーニングですね。
さて、第3回、いかがでしたでしょうか。今回はちょっと物足りなかったかもですね。まだまだ続きますので、次回もお会いしましょう!
第4回目のレポートはこちらです。
Twitterやってます。お気軽にフォロミー!
神奈川建一()
いいね、もらえると喜びます!
Instagram始めました
コメント