こんにちわー、お酒ミライの神奈川建一です。インフィニット酒スクールの講座も早4回目。今回は日本酒づくりにおいて最も重要な、「麹(こうじ)」のお話になります。第3回目のレポートはこちら。
「一麹、二もと、三造り」という有名な言葉にあるように、麹は日本酒において最も重要な要素です。しかし僕ら消費者にとっては、酵母やつくり方の違い(吟醸づくりなのかそうでないのか)などに比べると、味の方向性を決めるものではないので、馴染みが薄いですよね。
では麹は何を決めるのか?それは「お酒の良さ」です。同じ味の方向性のお酒でも、良し悪しがあるものですが、それはつくり手のレベルの差から生まれます。そしてそのつくり手の技術がもっとも発揮されるのが、麹をつくる製麹(せいぎく)なのですね。一流のお酒は例外なく良い麹づくりができています。
では、良い麹とはなにか?というと、それは「お酒に最適な酵素力を持ったもの」となります。酵素力とは、お米を溶かして糖分(ブドウ糖)をつくる力のこと。これこそ良い日本酒が生まれるために必須のものであり、つくり手である杜氏(とうじ)のセンスが問われる要素です。
例えば、お米の不作のせいで不出来な日本酒が頻発したと言われるH28BY(酒造年度が平成28年のお酒)ですが、ごく一部の酒蔵はちゃんとした日本酒をつくっています。それは悪いお米(溶けにくいお米)に対応した酵素力の麹をつくる技術があったからです。お米と求める味から計算して最適の麹をつくる、これぞ卓越したつくり手のセンスでしょう。
さて、麹は麹室というとても暑い部屋(30℃~35℃ぐらい)でつくられます。蒸したお米に種麹と呼ばれる麹菌の固まりをふりかけ、菌をお米に定着させるのです。この際、菌の増殖にともない温度が上昇します。この温度で麹のできが決まってくるので、理想の酵素力を持った麹をつくるために、必死で温度コントロールをおこないます。
面白いのが麹づくりにも流行があり、先生によると、最近は出麹時点(完成時点)で42℃ぐらいがはやりだそうです。これは日本酒のいい香りであるカプロン酸エチルの元となる、グルコースがつくりやすい麹ができる温度なのです。製麹にもトレンドがあるあたりが面白いですね。
今の日本酒の華である吟醸酒においては、麹の酵素力は高くても低くてもいけません。そのどちらでもない中途半端なところが、吟醸造りの難しいところだそうです。これぞ杜氏の腕の見せ所であり、その中心を担うのが麹なのですね。
◆◆◆

さて、今回のティスティングはこんなラインアップでした。先生が意図的にお酒を並べてくれて、実に興味深かったですよぉ。主に香りの話がメインです。
まず①亀泉と②真澄は、前者が超・カプロン酸エチル系日本酒、後者が超・酢酸イソアミル系日本酒と両極端の比較ティスティングでした。どちらもいい香りですが、全く違う。この2つが日本酒(特に吟醸酒)の2大アロマなので、脳みそにきっちり刻みつけておきました。
リンゴなどに例えられるカプロン酸エチルは、ミルクのような香りも出すことも注意点です。また、カプロン酸エチルは出す酵母と出さない酵母がしっかり分かれてますが、酢酸イソアミルはどんな酵母でも必ず出てくるので、そこも注意点だということです。
③八海山は言わずと知れた淡麗辛口の代表銘柄。新潟の淡麗辛口は活性炭ろ過をおこないますが、これは香味成分も吸着してしまいます。ただこのろ過で消えない香りがあり、それは「乳酸」と「高級アルコール」。そのため、淡麗辛口系は皆同じ香りになるそうです。香りで味がすぐわかるお酒の1つだそう。確かに酸っぱさと穀物感、オイリーな感じがわかりやすいんです。なるほど・・・。
④廣戸川はデキの良い日本酒の見本です。先生絶賛の蔵元。香りはカプロン酸エチルと酢酸イソアミルがバランスよく。そして最大の注目点は、飲んだ時の「滑らかさ」。これが日本酒では大切で、他の酒類では出せないものだそうです。そして日本酒でも、ここまでくっきりと出せる蔵元は限られているとか。確かにヌメりがはっきりしており素晴らしい味わいです。これが良いお酒か・・・とじっくり飲ませていただきました。
以下、先生の興味深いコメントです。
・①亀泉は原酒なのに14%という低アルコール。これは使われているCEL-24という酵母のせい。この酵母はカプロン酸エチルをものすごく生産するが、アルコールにするべき糖分までも香りの生産に使ってしまうため、アルコールが生成しにくい酵母になってしまった。いわば奇形の酵母である。
・④廣戸川も欠点があり、それはアルコール16%のためやや刺激があり、それがせっかくの滑らかさを減少させてしまっている。理想としてはアル度15%であるべき。このつくりで15%を実現できれば、さらに凄い蔵になるだろう。
◆◆◆
以上、第4回目でした~。香りから日本酒を読みとくのがインフィニット酒スクールの特徴ですが、よりその感覚が身についてきた感じです。特に今回のティスティングはよかった!もっともっと勉強して、皆さんに伝えられたらと思います!
それでは、また次回お会いしましょう~。
第5回目の講義はこちらです。
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「一麹、二もと、三造り」という有名な言葉にあるように、麹は日本酒において最も重要な要素です。しかし僕ら消費者にとっては、酵母やつくり方の違い(吟醸づくりなのかそうでないのか)などに比べると、味の方向性を決めるものではないので、馴染みが薄いですよね。
では麹は何を決めるのか?それは「お酒の良さ」です。同じ味の方向性のお酒でも、良し悪しがあるものですが、それはつくり手のレベルの差から生まれます。そしてそのつくり手の技術がもっとも発揮されるのが、麹をつくる製麹(せいぎく)なのですね。一流のお酒は例外なく良い麹づくりができています。
では、良い麹とはなにか?というと、それは「お酒に最適な酵素力を持ったもの」となります。酵素力とは、お米を溶かして糖分(ブドウ糖)をつくる力のこと。これこそ良い日本酒が生まれるために必須のものであり、つくり手である杜氏(とうじ)のセンスが問われる要素です。
例えば、お米の不作のせいで不出来な日本酒が頻発したと言われるH28BY(酒造年度が平成28年のお酒)ですが、ごく一部の酒蔵はちゃんとした日本酒をつくっています。それは悪いお米(溶けにくいお米)に対応した酵素力の麹をつくる技術があったからです。お米と求める味から計算して最適の麹をつくる、これぞ卓越したつくり手のセンスでしょう。
さて、麹は麹室というとても暑い部屋(30℃~35℃ぐらい)でつくられます。蒸したお米に種麹と呼ばれる麹菌の固まりをふりかけ、菌をお米に定着させるのです。この際、菌の増殖にともない温度が上昇します。この温度で麹のできが決まってくるので、理想の酵素力を持った麹をつくるために、必死で温度コントロールをおこないます。
面白いのが麹づくりにも流行があり、先生によると、最近は出麹時点(完成時点)で42℃ぐらいがはやりだそうです。これは日本酒のいい香りであるカプロン酸エチルの元となる、グルコースがつくりやすい麹ができる温度なのです。製麹にもトレンドがあるあたりが面白いですね。
今の日本酒の華である吟醸酒においては、麹の酵素力は高くても低くてもいけません。そのどちらでもない中途半端なところが、吟醸造りの難しいところだそうです。これぞ杜氏の腕の見せ所であり、その中心を担うのが麹なのですね。
◆◆◆

さて、今回のティスティングはこんなラインアップでした。先生が意図的にお酒を並べてくれて、実に興味深かったですよぉ。主に香りの話がメインです。
①亀泉 純米吟醸 原酒生 精米歩合50% アル度14% 日本酒度-14 酸度1.7 酵母:CEL-24
②真澄 MIYASAKA 生原酒 精米歩合55% アル度16% 日本酒度+3 酸度1.7 酵母:7号系(自社?)
③八海山 吟醸 精米歩合50% アル度15.5% 日本酒度+5 酸度1.0 酵母:901
④廣戸川 純米吟醸 精米歩合50% アル度16% 日本酒度+2 酸度1.4 酵母:煌901-A113、M310
まず①亀泉と②真澄は、前者が超・カプロン酸エチル系日本酒、後者が超・酢酸イソアミル系日本酒と両極端の比較ティスティングでした。どちらもいい香りですが、全く違う。この2つが日本酒(特に吟醸酒)の2大アロマなので、脳みそにきっちり刻みつけておきました。
リンゴなどに例えられるカプロン酸エチルは、ミルクのような香りも出すことも注意点です。また、カプロン酸エチルは出す酵母と出さない酵母がしっかり分かれてますが、酢酸イソアミルはどんな酵母でも必ず出てくるので、そこも注意点だということです。
③八海山は言わずと知れた淡麗辛口の代表銘柄。新潟の淡麗辛口は活性炭ろ過をおこないますが、これは香味成分も吸着してしまいます。ただこのろ過で消えない香りがあり、それは「乳酸」と「高級アルコール」。そのため、淡麗辛口系は皆同じ香りになるそうです。香りで味がすぐわかるお酒の1つだそう。確かに酸っぱさと穀物感、オイリーな感じがわかりやすいんです。なるほど・・・。
④廣戸川はデキの良い日本酒の見本です。先生絶賛の蔵元。香りはカプロン酸エチルと酢酸イソアミルがバランスよく。そして最大の注目点は、飲んだ時の「滑らかさ」。これが日本酒では大切で、他の酒類では出せないものだそうです。そして日本酒でも、ここまでくっきりと出せる蔵元は限られているとか。確かにヌメりがはっきりしており素晴らしい味わいです。これが良いお酒か・・・とじっくり飲ませていただきました。
以下、先生の興味深いコメントです。
・①亀泉は原酒なのに14%という低アルコール。これは使われているCEL-24という酵母のせい。この酵母はカプロン酸エチルをものすごく生産するが、アルコールにするべき糖分までも香りの生産に使ってしまうため、アルコールが生成しにくい酵母になってしまった。いわば奇形の酵母である。
・④廣戸川も欠点があり、それはアルコール16%のためやや刺激があり、それがせっかくの滑らかさを減少させてしまっている。理想としてはアル度15%であるべき。このつくりで15%を実現できれば、さらに凄い蔵になるだろう。
◆◆◆
以上、第4回目でした~。香りから日本酒を読みとくのがインフィニット酒スクールの特徴ですが、よりその感覚が身についてきた感じです。特に今回のティスティングはよかった!もっともっと勉強して、皆さんに伝えられたらと思います!
それでは、また次回お会いしましょう~。
第5回目の講義はこちらです。
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