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味の傾向:
穏やかな香りとともに、シャープで楽しい酸を味わえる高精白純米大吟醸。而今よりずっと控えめな味で、酸は油を流すタイプなので白ワイン的だ。いかにも「お米磨いたお酒です!」という感じが、分かりやすくていい。

おすすめシチュエーション:食中酒かと思いきや、意外とボディがあり甘味も後に引くので、食前がおすすめ。高級大吟醸なので、冷酒の温度はやや高めで(10~15度)。軽い食事と一緒に、メインの料理に向かって飲もう。ササミの燻製、チーズプレート、温野菜サラダなど、お好みの肴でどうぞ。

評価:75点/100点(味は素晴らしい。が、商品としては疑問点あり)

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29年の9月、日本酒マニアの間に衝撃が走った。あの而今をつくる木屋正酒造が、新規銘柄(正確には復活銘柄)のお酒を出すというのだッ!多くのファンが酒屋に走り、店は戦場になったという(戦死した戦友よ、安らかに眠れ)。その新商品が今回のお酒、「高砂(たかさご) 純米大吟醸 松喰鶴(まつくいづる)」である。なんとありがたいことに、友達に譲ってもらったのだ。感謝!

お酒のスペックは精米歩合45%の純米大吟醸、お値段は720mlで3240円(税込)である。うわー、第一弾の商品でこの強気の価格、自信のほどをうかがわせる。まー、見る人によっては「調子に乗りやがって」なんて感想もありうるけど、あれだけ支持される銘柄つくったんだから、当然かなと僕は思う。一番最初に飲むであろうコアなファンに向けて、ガツンと印象づけるためにも純米大吟醸は有効だしね。


さてティスティング。まずはそそいで色と香りを見る。あれれ、けっこう色がついてる。ほんのり黄緑って感じか。ふーん、熟成してるんだね。味は意外と濃いかも。香りは超穏やか。これはいかにも14号酵母(香り控えめで酸も控えめになるイソアミル系酵母)らしいお酒だね。匂いの感じはミルク青りんごって感じ。このミルク感がいいのね。いいお酒の予感がするぜ。

飲んでみる。お米を磨きまくった味最高!そして酸が凄い!!いや~、これはわかりやすい。滑らかさと一緒にくる高精白感がたまらないよ。限りなく水なのに甘味とうま味がしっかり閉じ込めれられている感じ。これぞ日本酒の醍醐味だ。さらに熟成によるチョコレート感もある。

そして酸!酸っぱいとかじゃない、シャープでビビットなんだけど控えめ。そしてジューシー。酸がね、舌の上で溶けるの。高級霜降り肉のステーキとか、最上級三元豚のとんかつとかで肉が舌の上で溶ける感じあるじゃん。まさにあんな感じなのよ。今年のお酒だと悦凱陣・純米吟醸・興がまさに同じだった。おそらくどちらも熟成による結果だと思う。いや、凄い醸造技術だなぁ。


とまあ、味は満足いける内容だった。開栓後の劣化は急なので、2日以内に飲みきったほうがいいぞ。

さて、じゃ買いか?というと「う~ん」とうなる点が多い。まず値段が高い。おいしいけど4合3240円払うお酒かというと厳しいだろう。高精白感なら獺祭三割九分のほうが安くてお手軽だし、楽しい味なら悦凱陣・純米吟醸・興の方がいい(しかも安い)。さらに而今と味の差別化が意外とできてなく、飲み続けると疲れるところとか変わらないなぁと感じるところもあった。

「高砂 純米大吟醸 松喰鶴」、帯に短したすきに長し、というお酒だった。来年以降の新商品に期待だね。

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名称
:高砂 純米大吟醸 松喰鶴(H28BY 火入れ)
精米歩合:45%
酒米:三重県産山田錦100% 酵母:14号
アルコール度:16%
日本酒度:+1
酸度:1.6
蔵元情報:木屋正酒造 合資会社
購入価格(税込):3240円/720ml
購入日:平成29年11月11日 
購入店:神のごとき友人様より




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