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味の傾向:
香り抑えめな、酸味皆無、苦味アリアリの脇役系大吟醸。今時の華やかな大吟醸とはまったく性格が違う、高級な食中酒だ。アル度が高いのに、ここまで地味だとびっくりする。完全に地元・新潟で飲むためにつくられており、東京で売られる他のお酒と比較するのは野暮というもの。

おすすめシチュエーション:特別な日に特別な料理と共に飲むべきお酒。結婚式や誕生日、新年のお祝いなどなど。食事も繊細な日本料理を中心に。松茸の茶碗蒸し、焼きタラバガニ、ふぐの唐揚げ、アワビの刺身、白魚の天ぷらなど。思いっきり高級にいこう。

評価:75点/100点(無理やり点をつければ、この点数という感じです)

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当ブログ久しぶりの新潟の日本酒は・・・樋木酒造が醸す「鶴の友 上々の諸白(つるのとも じょうじょうのもろはく)」だ!いやー、ようやく飲めましたよ、このお酒。4合瓶で3348円(税込)という、蔵を代表するフラッグシップである。大吟醸であるがラベルのどこにも表記はない。そして、そのラベルも恐ろしくそっけない!最近の日本酒では珍しいよね。

鶴の友をご存知ない方に説明すると、本当の地酒とも言える銘柄で、新潟県内での販売がほとんどで都内でもあまり出回らないお酒。なにせ新潟で需要が増したから、関東への出荷本数を減らすぐらいに地元重視だ。商品バリエーションはたったの5種類で、季節限定商品もほぼなし。その姿勢に熱心なファンも多いぞ。


さあ、なにはともあれ飲んでみよう(冷酒)!まずは香りチェック!・・・およよ、ほとんど香りがない??ほへ~ここまで抑えてるのは珍しいぞ。すこ~しバナナやリンゴの感じはあるけど、気を抜くとすぐ感じなくなってしまう。う~ん、炭素ろ過(新潟系のお酒でよく使われる手法)かな・・・。いや、それにしてはお酒の色はしっかり黄色なんだよな。酵母の特徴かしら。もしくは吟醸造りが弱めなのか?

飲んでみる。ごくごくごく・・・これは祝い酒だ!お酒単体で楽しむものではなく、合わせる料理はとびっきり高級な和食がいい!具体的な味は、酸味が限りなく少なくてうま味が多め、大吟醸らしい滑らかな舌触りに甘みもほんのりある。16~17%のアル度の影響か味の中盤から後半には苦味と刺激があり、隠すつもりはなく必要な味なのだろう。正直なところ、単独で飲む理由はあまりない。

そして当然というか、食中酒としておいしい!苦味は食欲増進として働き、食事の味に乗って甘みとトロみは倍加する印象だ。そして、これらは高級で繊細な料理になるほど鋭さを増すぜ。こう、味付けの薄い、引き算の料理である和食に合わせるためのお酒だよなぁって思う。間違っても僕みたいに豚キムチとかと一緒に飲まないように!

このお酒、関東に住んでる僕だと正しく評価できないんじゃないかなぁと思った。新潟で、めでたい日にいつもと違う料理で家族で仲間で飲むお酒・・・そんなイメージなんだよね。もしくは近くの料亭に集まって特別に注文するお酒というか。首都圏の日本酒シーンに投げ込んで、他のお酒と比較評価して選ぶ・・・そういう日本酒じゃない。蔵元も東京のことなんて考えてないで醸してるんだろうなぁ。昨今珍しくなってしまった、本当の地酒ってやつだね。

「鶴の友 上々の諸白」、ぜひ新潟県内で特別な日に飲みたいお酒だった。他の鶴の友商品も、いつか新潟で飲んでみたいですな!

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名称
:鶴の友 上々の諸白(大吟醸 H28BY)
精米歩合:不明
酒米:不明
アルコール度:16~17%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報樋木酒造 株式会社
購入価格(税込):3348円/720ml
購入日:平成29年12月9日
購入店渋谷東急フードショー(東京都渋谷区)




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