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味の傾向:
辛口と言いつつもカラフルな味が楽しめる、新世代辛口日本酒。甘さ控えめなドライ系ではあるが、フルーツのテイストや華やかな香りもあるので、非常に幅広い層にウケそうだ。獺祭より芯があり、八海山より色っぽい。信州を代表するお酒である。

おすすめシチュエーション:冷酒で温度上げ気味(10~15℃)か、上燗(45℃)あたりがおすすめ。合わせる料理はなんでも大丈夫と言えるほど、ペアリング力が高い。こってり脂がのった赤身の刺身から、香辛料香るパエリアまで自由に合わせよう。

評価:75点/100点(日本酒として合格点。好みに合えば80点のとてもいい酒)

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今回ご紹介するお酒は、長野の大信州酒造がつくる「大信州(だいしんしゅう) 辛口特別純米」である。最初にお断りしておくと、このお酒は僕の好みにドンピシャなので、正直評価が甘いと思う。「甘さ控えめで、酸味からくる辛さがあるキリッとしたお酒。でも、なんかビューティフルな感じ」的なお酒には弱いんだよ~。なので評価も80点ではなく75点としてみた。自分に厳しく!

好みを越えて嗜好品を評価するのって難しいよね。基本的に好き嫌いの世界だから、正解はないようなものだし。しかし、気に入ればどんな味のお酒でもOK、と思いがちな日本酒の世界にも良し悪しはある(らしい)。そこをつかんで、少しでも皆さんに伝えられればなぁと思っております。


とりあえず飲みますか。温度は冷酒の10℃前後。ちょっと香りが出てくる温度だ。くんくん、ひょ~、青りんごやオレンジを思わせるキリッとしたフルーツフレーバーがあるぜ。生酒にありがちな、井草や青草、ミントのような香りが、ツーンと鼻を抜けていく。これは火入れだから、瓶燗火入れの証拠だろうね。最近この処理方法多いから、生酒との区別がつきにくくて困る。

飲んでみる。うへへへへへ、こりゃ今流行のフレーバーを辛口のお酒にブッかけたような味だ!いやー、いいよーいいよー。具体的に言うと、うま味メインで酸味が辛さを作り上げているお酒だ。だけど色々なところに甘味が隠れているし、その甘味と酸味が合体して果実感も楽しめるし、硬水のミネラルウォーターのような水質の硬さもまたおいしい!滑らかさもあるし、お酒を単独で口の中に含んでも楽しめる。辛さもアルコール感や苦味で演出するタイプではないので、クドくなく最近の流行の吟醸酒メインの人にもウケそうだ。

淡麗辛口系の濾過された辛さでもなく、灘のような酸味を排除した甘辛口タイプでもない、新世代辛口酒。これよこれ、僕大好きだなぁ!難点は、飲んでから最初~中盤はいいのだが、後半酸味から苦味が大きく出てしまい、アル度16%らしい強いアルコール感と重なって余韻をキツくしてしまう点だ。これがアル度15%ならなぁ、と残念に思う。もうちょっと頑張れば完璧やで!


いやー、とはいえモロに好みだったので、あっという間になくなってしまった。ちなみに上燗は苦味が消え、フルーティな熱燗を楽しめた。寒い季節は熱燗も十分ありなお酒だぞ。

「大信州 辛口特別純米」、素晴らしき次世代型辛口酒だった。これからも信頼してるぜ!大信州!

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名称
:大信州 辛口特別純米(H29BY 火入れ)
精米歩合:70%(麹米49% 掛米70%)
酒米:長野県産酒造好適米ひとごこち100%
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:大信州酒造 株式会社
購入価格(税込):1404円/720ml
購入日:平成29年12月22日
購入店:港屋上原酒店(神奈川県横浜市)








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