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こんにちは~。お酒ミライの神奈川建一です。

皆さん、香港と聞いてどんなイメージを持ちますか?百万ドルの夜景、おいしい広東料理、ジャッキーチェン、怪しいネオンと怪しい市場・・・などなど、いくつもあると思います。

僕のイメージは「日本酒の輸入額が、アメリカに次いで第2位の日本酒輸入大国」というもの。平成27年度の日本酒輸出額は約140億円。そのうち50億円ほどがアメリカ向きであり、ぶっちぎりのトップですが、2位は23億円の香港なのです。

アメリカに比べて、金額ベースではかなりの差がある香港。しかし、国の人口が違います。アメリカ3.2億人に対して、香港の人口は734万人!全然ちげぇ!1人あたりの日本酒輸入額は、アメリカ1.56円に対して、香港は313.35円!実に200倍という差なのですッ。さすがアルコール30%未満は関税ゼロの国だけあるぜ。

もしかして香港、世界で一番日本酒を楽しんでる外国なんじゃないか?日本文化の結晶とも言える日本酒が、異国の地でどんな風に売られているのか・・・気になったら止まりません!

というわけで、運良く長期休暇を取ることができましたので、香港に行ってまいりました。名付けて「香港お酒レポート」。実際に現地のお店に入って、値段などを見てきました。果たして数字で見るような勢いを店頭から感じられるのか?ワクワクしてしまいます!(注:近いのでマカオも混じってます)

※今回は僕の趣味で、飲食店で提供されている日本酒はほぼ体験せず、店頭売りメインのレポートとなっております。


①コンビニ&地元スーパーマーケット
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一番地元感が強いのが、香港に所狭しとあるコンビニ(セブンイレブンとサークルKがガチンコで競ってる)とスーパーマケット(wellcomeというチェーンが、香港中心部にはたくさんある)。この辺りの売場では、日本酒は売っていたりなかったり、そして大手酒メインといったところでしょうか。まー存在感は薄いですなぁ(笑)。でも、都市部では意外と売ってる!これは嬉しいわ!

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セブンイレブンで見つけた菊正宗。ずいぶんとそろってるな。

見かける銘柄は、圧倒的に菊正宗、それと日本盛かな。たまに上善如水。大関や白鶴、月桂冠は見なかったなぁ。きっと流通が確立していて、注文がしやすいのでしょう。


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マカオのスーパー。なぜか北の庄が恐ろしくそろってる。なんだこれは。店長の趣味か。

値段は輸入物としてはかなり安く。やはり日本から近いという地の利を感じさせる相場です。コンビニなら

菊正宗生貯蔵酒300ml 42HK$(約609円 日本での価格375円)

菊正宗生もと大吟醸300ml 48HK$(約696円 日本での価格527円)

菊正宗生もと純米大吟醸300ml 58HK$(約841円 日本での価格648円)

※1HK$=14.5円で計算。以下同じ。


と、こんな感じ。日本での値段の1.3から1.6倍といったところでしょうか。コンビニでのワインのハーフボトルが40~60HK$なことを考えると、価格的にも味的にもライバルという感じでしょうかね。

スーパーに行くともっと安くて

菊正宗上撰1800ml 97HK$(約1406円 日本での価格2355円)

日本盛特撰1800ml 147HK$(約2131円 日本での価格2373円)

って、日本より安いんかーい!まあ、日本価格は定価ですが・・・。これはマカオのスーパーでちょっと特殊かもしれません。なにせ北の庄の久頭竜720mlが約1276円(日本の定価は1520円)という、ちょっとおかしいお店だったので。なんですか、密輸?

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この菊正宗上撰一升瓶は、いろいろなところで見かけました。日本酒の「に」の文字も見かけない香港の下町にある中華食材屋で売っていたのは衝撃でしたなぁ・・・。


②高級スーパーマーケット

香港の中心部に数多くあるのが高級なスーパー。並んでいる食材も輸入物ばかりで、コーナーによっては「ここは日本か?」というぐらい日本語が溢れてたりします。向こうでは珍しい薄切り肉を手にとって見ると、山形産とか書いてあるんですよ。さすが日本の農水産物輸出先No.1ですな!

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日系スーパーであるcity'super。広大な店舗と商品の多様さが驚き。日本以外の商品もめっちゃある。

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wellcomeの高級版とも言えるMARKETPLACE。ここも日本製品バリバリ。

いわば成城石井や紀伊国屋みたいな立ち位置のお店ですね。こういうところだと日本酒もずらり。多様な銘柄を選べるようになります!その一部をご紹介。
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みんな大好き獺祭~。いろいろなところで売ってましたね。さすが世界の獺祭。

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見て吹き出しそうになった朝日鷹本醸造!しかも出荷が古い、プレミア価格!埃かぶってるし(笑)。

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つい最近レビューした山香の本醸造が。わお、こんなお酒まで入るのか!

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天吹の愛山!これはけっこうお高いですなぁ。向こうでも愛山の価値は認知されてるのかしら。

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ここからはcity'superの写真です。ここはSAKETIMESに載るぐらいなので、揃えも統一感があり保管も良好。さすがです。そろえも久保田はともかく、麒麟の熟成酒とか攻めてますなぁ。

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淡麗辛口大人気。でも大那も扱ってる~。うふふ、ええのう。

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七田!!値札に冷酒・熱燗マークがあるのもいいです。

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日本酒の4分類の説明が。やはりこの区分けは使いやすいよね~。啓蒙してくれるのはありがたいっす。


扱っている銘柄は、MARKETPLACEが

獺祭、日本盛、白雪、玉乃光、黄桜、山香、松浦一、播州街道、など

city'superが

獺祭、富久長、伯楽星、久保田、開運、玉川、南部美人、八海山、上善如水、出羽桜、七田、大那、麒麟、いずみ橋、など

という感じ。city'superは淡麗系のクラシック推し。MARKETPLACEはよくわかってねーな(笑)的な感じです。あれでしょ、適当に飲んでおいしかったの買い付けてるでしょ?


お値段は代表的なところで

獺祭50・720ml 190HK$(約2755円 日本での価格1539円)

山香本醸造720ml 149HK$(約2160円 日本での価格874円)

富久長 海風土720ml 185HK$(約2682円 日本での価格1620円)

七田 純米吟醸720ml 225HK$(約3262円 日本での価格1566円)

久保田 萬寿1800ml 1125HK$(約16312円 日本での価格8758円)


1.7倍から2.5倍といったところでしょうか?だいたい100ドル後半ぐらいのお値段のが定番酒で、200ドル~300ドルともなると純米吟醸クラスになる感じですね。スーパーのワインが100ドルぐらいが一番下の値段で、200ドル300ドルのものも珍しくないことから、やはりここでもワインを意識した値段付けが行われているなーという感じです。

同じスーパー内でも値段の倍率が違うのは、直取引と店頭購入の差かなぁと推測。こういうの、日本の輸入ワインでもけっこうありそうですね。


③日本酒専門店

待たせたな!みんな大好き日本酒専門店だ!僕的にも一番期待しているジャンルです。

ここはもう、高級ワイン店と同じ感覚で営業されていて、お金に糸目をつけないで最高の味を追い求める場所という感じ。いいお酒は高くて当たり前という感覚ですね。商品も蔵元からの直取引はほとんどなく、買い付け(悪く言えば転売)がメイン。しかし、日本ではお目にかかれない品ぞろえと値札などは、文化の違いを感じさせて興味深かったです。


廃校になった学校をリノベしたSAKECENTRAL。すっごいカッコイイ。ワイン的アプローチの店内だ。
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日本人が経営しているワイン&サケショップのPILLARIWINE。ここは鶴齢などが直取引でお安い。そろえはガチうま味&コク系で、感動するレベル。
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高級ショッピングモール国際金融中心にあるLIQUIDGOLD。店内は十四代の一升瓶がどかーっと並ぶ頭のおかしいお店。黒龍、磯自慢などいくらでもある。そこに横山五十が適正価格で売ってるのが面白い。日本酒好きなのね。
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さぁ、気になる取扱い銘柄は?

SAKECENTRAL

獺祭、菊水、雁木、若波、出羽桜、真澄、るみ子の酒、Fu、三井の寿、鍋島、醸し人九平次、澤屋まつもと、仙禽、奥能登の白菊、風の森、大倉、車坂、扶桑鶴、賀茂金秀、勝山、竹泉、宮寒梅、日輪田、〆張鶴


PILLARIWINE

藍の里、亀齢、神雷、梅津の生もと、辨天娘、十旭日、玉櫻、三十六人衆、米鶴、花の香、竹鶴、悦凱陣、醸し人九平次、神亀、磯自慢、鶴齢、越乃景虎、生もとのどぶ、睡龍、花巴、奥播磨、菊姫、山陰東郷

LIQUIDGOLD

十四代、黒龍、磯自慢、横山五十、田酒


LIQUIDGOLDの潔さよ・・・。もっとあったと思いますが、ゆっくり眺める余裕すらありませんでした。而今はあったような・・・。新政はなかったですねぇ。SAKECENTRALは日本の今のシーンをそのまま写し取ったかのようなラインアップ。PILLARIWINEはバイヤーの好みがそのまま出た揃えって感じですね。

この3店舗を見てわかるように、日本の酒屋さんみたいに直取引メインではなく買い付けが基本となると、居酒屋のような品ぞろえになりますね。日本の酒屋さんよりも、経営者の趣味性が色濃く出るという感じでしょうか。それだけに、誰がバイヤーを担当しているかが重要だと思います。


では、代表的なお値段を列挙してみましょう!

菊水ふなぐち200ml 50HK$(約725円 日本での価格286円)

真澄 MIYASAKA720ml 280HK$(約4060円 日本での価格1404円)

醸し人九平次 別誂720ml 900HK$(約13050円 日本での価格4584円)

鶴齢 特別純米雄町720ml 240HK$(約3480円 日本での価格1836円)

悦凱陣 金毘羅大芝居720ml 430HK$(約6235円 日本での価格2808円)

鍋島 純米大吟醸 山田錦720ml 780HK$(約11310円 日本での価格3103円)

横山五十 純米大吟醸720ml 280HK$(約4060円 日本での価格1985円)

黒龍 大吟醸しずく1800ml 3300HK$(約47850円 日本での価格10800円)

十四代 七垂二十貫1800ml 9500HK$(約137750円 日本での価格11105円)


最後の2本は参考価格ということで!他のを見てみると、2倍から3倍といったところでしょうか。直取引である鶴齢は1.9倍ぐらいなので、やはり安いですね。醸し人九平次が高いですが、元も高いのでしっかりこの倍率の範囲内。鍋島はプレミアム上乗せのようで、3.7倍のお値段です。この価格帯が、香港で商売していく上でのアベレージということなんでしょう。

このあたりも、高級ワインショップでは珍しくもない値段設定でしょう。いい酒は高い!が当たり前の文化では、黒龍や十四代のお値段もごく常識的なものと思われます。それだけ価値があり希少ならば、市場原理により値段は上がる。当然と言えば当然です。定価販売にこだわる日本文化の特別性が、逆に実感できる体験でしたね。


④まとめ

さて、香港の日本酒事情、いかがでしたでしょうか?僕が感じたのは「なんとなく日本のクラフトビール市場っぽいなー」というものです。

お値段は他の酒類と比べると高め、でも熱狂的なファンがいる。認知度は低く普通の人が飲むものではないが、スーパーやコンビニにも売っている。成長著しい市場で、新しいプレイヤーがどんどん参入しつつある。専門酒屋に加えて、専門バーも都市中心部をメインに拡大中・・・どうでしょう、似てませんか?


都市部ではビールがメインで、ワインがかなり強く、かつダウンタウンエリアでは伝統的な白酒や紹興酒が幅を利かせている香港。日本酒が定着するには、まだまだほど遠いのが実情でしょう。しかし大いに注目を集めてるのも確か。食料品の多くを輸入でまかなってる香港は、現地生産にこだわらない特別なお国柄。日本酒の文化が世界に広がっていくには、ここで目立っておくのが戦略的に意味がありそうです。

10年後の香港の日本酒はどうなっているんでしょうね?いまから楽しみでなりません。がんばれ、僕らの日本酒!


次回はワイン・ビール(+他のお酒)編になります。ぜひ見てね!




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