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味の傾向:
やや不自然な甘味が目立つ、灘流の普通酒。辛口と名前がついているが、僕から言わせれば相当な甘口である。冷酒・常温・熱燗、どの温度帯でも甘さが主役なのだが、アルコールが邪魔をして不格好な味となっている。

おすすめシチュエーション:甘さを抑えることができる冷酒が、ギリギリ飲める水準か。生もとらしい苦味などの雑味感を、悪くない意味で味わうことができる。合わせる料理は醤油、出汁、みりん、味噌系の飾らない和食家庭料理で。肉じゃが、ブリの照焼き、豚の生姜焼きなど、昭和っぽくいこう。

評価:50点/100点(飲めないわけじゃないけど、買う必要なし)

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今回は久しぶりのスーパー・コンビニ銘柄の紹介であるッ。僕の大好きな大手銘柄・菊正宗の、「菊正宗(きくまさむね) 上撰 さけパック生もと辛口」だ。増量パックとも言われる2リットルパックのみ展開している商品で、糖類添加なしの普通酒である。全商品中、添加物ありは2商品(辛口パック・ピン淡麗)だけというのは、キクマサのいいところ。本当は全廃してほしいけどね~。しかし、容量バリエーションが2リットルだけってのは、どういうことだろう?

実は恥ずかしい話なのだが、このお酒は菊正宗・本醸造パックと間違えて買ってしまったものなのだ。新年の八王子で、金色に輝くパックを見て、「これが夢にまで見た、キクマサの本醸造かー!!!!」とハイテンションで買ったら、違うお酒・・・。もちろんよく確認しなかった僕が悪いのだが、キクマサさん、まさかわざとやってませんよね?似てるだろ、これ~(泣)。


さて、まずは蔵元推奨の常温から試してみる。香りは・・・う~ん、エタノール感がけっこうある。まあ、これはしょうがないか。サワークリームをイメージする酸っぱさは乳酸の香り。これは生もと(キクマサが得意とする製法)ならではですな。甘さも香るんだけど、これは醸造用アルコールの匂い。ま~、アル添普通酒ならごく当たり前のアロマだけど、苦手な人は苦手だろうね。

飲んでみる。う~ん、甘辛口の灘酒だけど、かなり甘い。そして肝心のその味が合成っぽく不自然だ。スィートって感じではなく、甘味(かんみ)って感じだね。酸が立たず、立体感のない印象だ。このメインである甘味に人工物っぽいアルコール感が漂っているので、どーにもおいしくないのだ。フィニッシュにも甘さが残る系日本酒だけど、その後味も不自然。

熱燗にしても、この甘さは残留して飲み手を悩ませる。糖類添加のような奇妙さが、イマイチ感を増幅しているのだ。冷酒にするとギリギリかなぁ。甘さが落ちつくからね。中盤の苦味の演出はさすがキクマサ。フィニッシュも苦味と酸味が頑張ってくれるし。あくまでマシってレベルなんだけどさ。


なんと驚くことに、八王子のスーパーではこのお酒が上撰さけパック生もと純米よりも値段が高かったんだよ!あの傑作とこの駄作の値段があべこべ!?目を疑ったね。もうこういうお酒、販売中止でいいじゃない。他の商品に比べてサイズのバリエーションが極端に少ないのだって、売れてないからでしょ?なんでダラダラ売り続けてるんでしょうか。

こういうお酒がいまだにあるから、うっかり地雷として踏んでしまう若い人が出てしまうわけで。ギンパック発売樽酒純米酒化など良い施策進めるなら、同時に悪いのはバッサリと切っていかないと。お客さんと直接商売をする飲食店や酒販店では、いまだに「日本酒=まずい」のイメージの払拭に苦労してるっていうんだからさー。これ、香港の酒屋でも言われたよ!ワールドワイドかよ!(そういや、香港ではキクマサよく売っていたなぁ!) 本当に日本酒の将来考えるなら、売上以外も考えてください。難しいだろうけど。

「菊正宗 さけパック生もと辛口」、買う必要はないと断言できるお酒。安くても購入しちゃダメですよ。

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名称
:菊正宗 さけパック生もと辛口(普通酒 火入れ)
精米歩合:不明
酒米:不明
アルコール度:15%
日本酒度:+5
酸度:不明
蔵元情報:菊正宗酒造 株式会社(兵庫県)
購入価格(税込):1400円ぐらい/2000ml
購入日:平成30年1月2日
購入店:東京都八王子のスーパー





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