こんにちはー、お酒ミライの神奈川建一です。
前回の日本酒編に引き続き、今回は香港のワイン・ビール(+他のお酒)をレポートします。
香港をお酒の面から見ると、最大の特徴は輸入関税も酒税も0%ということ(もちろん消費税もない!)。ビールも、日本酒も、マッコリも全部税金ゼロ!嘘ッ、すげぇ!しかし、さすがに全アルコール飲料が対象ではなく、度数30%未満のお酒のみです。ウィスキーやブランデー、ウォッカなどは課税されちゃうのですね(物品税として100%の税率)。
とはいえ、関税はともかく酒税はバンバン取る他国に比べて、香港がぶっちぎりのアルコール天国であることは疑いようもない事実。特にアルコール度数が低い醸造酒にとっては、世界一お酒の輸入が自由な国なのです。つまり、世界中のお酒が集まる酒飲みのヘブンなのだー!うおおおおおッ。
でも、実際のところどうなのか?現地のアルコール価格は?せっかく香港に行ったので、しっかりチェックしてきましたよ!(注:わりと適当です) 特に念入りに酒販店を見てきました。スーパーマーケット、コンビニエンスストア、専門店、デパートでは、どのようなお酒がどうやって売られているのか?実に興味深いものを見れたので、皆さんとシェアしたいと思います。
①ビール激安!水のように飲めるぞッ
今回の香港訪問、僕的には日本酒とワインが目当てで、ビールはまったく考えてなかったのだけど、初日にセブンイレブンに入って驚愕した。香港はビールの国である。
安い。とにかく安い。500ml缶が1本100円以下とかザラである。330mlなら70円台だ。写真はわりと高級なスーパーのものだが、青島プレミアムラガー500ml×4が33.5HK$(約485円1本あたり121円)、青島ピュアドラフト500ml×4が26HK$(約377円1本あたり95円)、右端のBLUE ICE500ml×4にいたっては、22.9HK$(約332円1本あたり84円)である!(1HK$=14.5円で換算。以下同じ)
日本製ビールは香港では高級品であり数割値段が高いのだが、それでもこの値段。例えばアサヒスーパードライ350ml×6が57.9HK$(約840円1本あたり140円)、キリンラガー500ml×6が69.9HK$(約1014円1本あたり169円)という感じ。ほとんど日本の第3種ビールの感覚である。いかに酒税がビールの値段を押し上げているかがわかる実例ですな。
ここまではスーパーだけど、コンビニもビールが楽しい。写真がなくて申し訳ないのだが、なんとコンビニでもビールの安売りをしているのだ。その方法は「2本(もしくは3本)買うと◯◯$!」というもの。例えば1本10HK$で売ってるものが、2本買うと11.5HK$!みたいな感じなのだ。「どういう計算なんだそりゃ」みたいに安くなるので、つい多めにかってしまう。この売り方、香港人は好きなようで、いたるところで見ることができる。1つ買うと2つ目は50%オフとかね。洋服の青山みたいだ。
香港1日目に購入したBLUE ICE BEER。確か2本で11HK$。選んだ理由は一番安いから(笑)。香港醸造だけどフィリピンの会社らしい。薄味だったけどうまかった。
これは2日目にスーパーで買ったシンガポールのタイガービールとドイツのBLUE GIRL。2つで20HK$ぐらいかな。別々に買ってるのでちょっと高い。BLUE GIRLは香港でよく見る銘柄だ。
ビールと言えば、酒好きとしてはクラフトビール!こちらもたくさん売っているが、相場は日本と同じぐらいかな。酒税がないとはいえ少量多種の輸入は、やはりコストががかさむのだろうなぁ。
しかし、大量に買うと話が変わってくるのが香港流。写真はイギリスのスーパー、マークス&スペンサーのビール売り場だけど、「3 FOR 2」の文字がたくさん付いている。「2本買うと1本おまけするよ!」という意味だ。お店のプライベートブランドとはいえ本格クラフトビールが1つ多く買えるとか・・・なんて羨ましいんだ!
香港でアルコールに迷ったら、なにはともあれビール。お値段でも味でも間違いがない選択肢だね!
②ワインがアルコールの王様!
今回の香港旅行、その目的は日本酒とワインでして、特にワインは「くくく、めっちゃ格安でいいお酒が飲めるにちげぇねぇ!」と根拠もなく思ってました。
しかし、現地に行ってみると、スーパーでもコンビニでも1本100HK$(約1450円)ぐらいからが基本で、200HK$、300HK$のものも普通に売ってるという、日本より物価高いんじゃね状態でした。日本のアルパカワインみたいに、500円ワンコイン・ワイン!なんてものは、ほぼ見かけなかったですよ。まあ、香港の下町行ったら、フルボトルで1本20HK$(約290円)というのもありましたが・・・(笑)。怖くて飲めん。
しかし、ワインは間違いなく香港の「お酒の王様」でした。コンビニでもスーパーでも、お酒売り場の一番いいところを占めているのはワインなのです。
こんな感じ。日本のスーパーでもこのぐらいの棚はありますが、香港は明らかにいい位置にあるところが特徴。そして香港人(というか中国人)、噂に違わずの赤ワイン・それもボルドー系ワインが好きなのが分かる。
日本と同様ビールが基本のアルコールではあるのだけど、「良いお酒とはワインのこと」というイメージが根付いている印象なんだよね。2014年時点で1人あたりの年間ワイン消費量は、香港がアジア最大(日本の1.5~2倍ぐらい)との政府機関発表もあり、これを裏付けていると思う。
お値段の方は、世界標準価格と同じぐらいなのかなーという印象。
これは実際に僕が買ったワインだけど(空輸するのにかなり気を使った・・・)、左のワインから値段を列記してみると
Gravner Breg Anfora Venezia Guiulia(イタリアの白ワインで、皮まで発酵させてる変わったタイプ)490HK$(約7105円) 国際平均価格71.00US$(約7526円) 日本価格7560円(税込)
Terralsole 'Vigna Pian Bossolino'(イタリア・トスカーナの赤ワイン。試飲して最高だったので衝動買い)580HK$(約8410円) 国際平均価格95.00US$(約10070円) 日本価格 不明
Calem Velhotes - Old Friends Fine Ruby Port(ポルトガルの酒精強化ワイン・ポートワインのハーフボトル)50HK$(約725円) 国際平均価格13.00US$(約1378円 ※フルボトル) 日本価格 不明
1HK$=14.5円 1US$=106円で計算。国際平均価格はwine-searcherより
こんな感じである。ちょっと安かったり高かったりというところだろうか?生産国じゃないから格安にはならないけど、国際平均価格で買える国のようだね。となると品ぞろえ勝負ということになる。こればかりはワイン素人の僕には判断できないのだけれども、香港中心部にはワインの専門店がいたるところに存在するのだ。
中環(セントラル)近くにある「wine etc...」。名前がかっこいい。
高級ショッピングモール・国際金融中心にある「エノテカ」。日本のエノテカと同じ、日本資本のショップだね。できたばかりみたい。
ちなみに上記2ショップには入ってすらいません。だって、入り口付近に並んでるワインですら1000HK$(約14500円)の値札がついてるんですもん。奥に入ったらいくらなのよ・・・。
こちらはマカオ唯一のデパート「ヤオハン」。食品売り場が6階にあるという面白い構成。ワインはとにかくフランス産ワイン最高!という品ぞろえで、カジュアルにロマネ・コンティが売ってました。1995年ので200万ぐらいでしたが・・・。
ワインのアジア中心地を狙っている香港、ワイン好きには無視できない土地になりつつあるようだ。これは、もうちょっと勉強してからリベンジしないといけませんな~。
③香港の下町では、紹興酒・白酒がまだまだ現役
さて、ここまで洋酒ばかりの香港、中国伝統のお酒はどうなのよ?とお思いの方もいるでしょう。基本どこのスーパー・コンビニでも紹興酒や白酒は売っているのですが、まあごく目立たず普通に売っている感じで、日本での焼酎よりも扱いがおとなしめな印象です。蒸留酒苦手な僕は試すこともなく、連日ワインやビールを飲んでたのですが、B級グルメを求めて香港の下町「元朗」(中心部から地下鉄で30分ぐらい)に行った時に、ちょいとスーパーを覗いてみると・・・
キターーーーーーーーー!紹興酒・老酒・白酒の山!!!
もう、お酒売り場からして、中心部のスーパーとは全然違う(ちなみにここに1本20HK$のワインがありました)。見てよ、この巨大ペットボトル!日本の焼酎ペットボトルそっくりだ。そして、瓶の形をしているのがカワイイ。
あ~、やっぱり香港のお父さん、おじいちゃん達は、こういうお酒を自宅であおってるわけですねぇ。なんというか安心しました(笑)。値段も紹興酒ならワインの半額ぐらい、白酒にいたってはめちゃくちゃ安いようだ。
このスーパー、地元の人で大賑わいでしたが、店内も相当ワイルドで、むき出しの冷凍庫に魚やら肉やらのぶつ切りが無造作に並んでいたり、生肉の解体売りもあったりと、日本のスーパーとは大きく違います。ここで見る限り、中心部とその郊外ではずいぶんと生活様式が違うようだね~。
④まとめ 香港のアルコールはまだまだ奥が深い
さて、ざっとでしたが香港のお酒事情、いかがでしたでしょうか?正直、ぜんぜん捉えきれなかったなぁというのが僕の感想です。まあ、5日かそこらの滞在ではわからないのは当然なんだけどね。いわゆるお酒を出す飲食店にも行かなかったし。
しかし、ビールがバカ安で驚いたり、ワインが所得階層別に分かれた販売形態をとっていたり、下町には中華のお酒が色濃く残っていたりと、想像外の体験がガンガン飛び込んできて、思考のキャパオーバーになった感じが強いです。これに加えて、近年伸びている日本酒、関税の関係で高級品扱いのウィスキーなども加えると、まあ香港はお酒の要素が多いこと!しかも、政策上の流動要素が多く(アルコール度数30%以上の関税廃止の噂もあるとか)、なんとも混沌としているのが香港のお酒シーンです。
10年後どころか、5年後でも大きく変わってそうなのが香港ですね。そこに僕らの日本酒がどう食い込めるのか・・・興味深いっす。
あなたも、アジアのアルコール事情に興味を持ったら、ぜひ香港も選択肢に入れてみると良いですよ。いつ行ってもエキサイティングな文化の動きを体験できるでしょう!
次回は香港【観光編】になります。お楽しみに~。
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コメント
コメント一覧 (2)
ですよねー。日本のビールだってめちゃ安いっすもん!そこで日本酒飲むのは、かなり贅沢でしたw