こんにちわー、お酒ミライの神奈川建一です。香港お酒レポートも今回が最後。ラストは現地で日本人が経営するワインと日本酒のお店「PILLARIWINE」へ立ち寄った時の感想を書いていみようかと思います。
前回の【観光編】はこちら。
香港観光2日目、香港の酒屋を総なめにしてやるぜー!と朝から気合を入れて観光してました。トイレ事情の日本との違いなどに戸惑いつつも、行き当たりばったりながら現地で売られてる日本酒にたっぷり出会えて、お前ら異国で頑張ってるなぁ!と声かけたくなるぐらいでしたよ。
そして夕方近くに訪れたのがこの「PILLARIWINE」さん。SAKETIMESのこの記事で超気になり、必ず行くぜ!とマップにメモしておいたお店です。香港島のビジネス街・中環(セントラル)のビル3階(イギリス式表記では2ndfloor)にあるお店で、上にも書いた通り日本人の方が経営されているとか。日本から近いとはいえ、異国の地で酒屋を開いているとは凄い。あ~楽しみだなぁ。
ビルの前にある看板。酒の文字がやっぱり嬉しい。
ポスター。鶴齢が看板商品となってますね。
エレベーター前のニコリともしないおじいさんの警備員さんに驚きつつも(笑)、階を上がってお店に入ると、15畳ぐらいのコンパクトな店内にワインと日本酒がちょうど半々で並んでいる。お、日本酒コーナーの方に角打ち用のテーブルがある。男性の方が1人、先に飲んでいるようだ。
店内はこのような感じ。並べられたお酒のバリエーションに驚く。竹鶴、悦凱陣、鶴齢、相模灘、醸し人九平次、神亀、菊姫、綿屋、亀齢、辨天娘、梅津の生もと、十旭日、睡龍、生もとのどぶ、奥播磨、花巴、山陰東郷、開春、磯自慢、etc.etc...とんでもないな、この揃え!醇酒(じゅんしゅ コク系のお酒)と熟酒(じゅくしゅ 熟成酒など)に振り切ってるよ。それでいて越乃景虎や醸し人九平次も揃えているあたり、お客さんのニーズに答えている感じがします。
角打ち(有料試飲)のメニュー。これまた濃い・・・。写真がボケてて文字が読めなくなっているのだけど、一杯90mlでお値段は30HK$(約435円)ぐらいからのようだ。香港の地でこれは破格だね。2時から7時までなのか。
しばらくすると、このお店で日本酒を担当している小川さんに対応していただいた。うわお、恐縮です!香港とは思えない素晴らしい揃えですねと感動を伝えると、笑顔で香港にまつわる興味深いお話を聞かせていただいた。超嬉しいです。
・お店は6年目で、日本酒を扱ってからは3年目となる。もともとはネットショップからスタートしたのだとか。
・儲けを最優先にしていないから、オーナーのもと好きにやらせてもらっているそうです。品ぞろえ見ると、とても納得!
・磯自慢は広東語読みで通じるらしい(!)。香港も漢字圏なので、縁起のいい漢字(龍とか)のお酒は売れやすいのだとか。逆にひらがなのお酒(こしのはくつる、など)は関心を呼びにくいのだそうな。
・お客さんの構成比は香港人が4割ぐらいだそうだ。つまり残りの6割は日本人?やはり異国の地では日本酒に飢えるのか。
・ここ数年で、香港には日本酒バーも輸入業者もすごく増えたそうだ。日本酒輸入金額の上昇の原因ですね。
・香港のレストランは客のお酒持ち込みがとてもウェルカム。日本では逆に嫌がられる行為なので、文化差として興味深いそうです。客側のこちらとしては、凄く羨ましいなぁ。
・まだまだ、「日本酒飲んで悪酔いした」的なお客さんはたくさんいるのだとか。うーん、香港でもそうなのか・・・。
いや~、聞けば聞くほど興味深くて、すっごく勉強になりました。小川さま、ありがとうございます!
よくこのお店見つけられましたね~と聞かれたので、「SAKETIMESの記事読んで来ました!」と答えたら、記事のことずいぶん褒められていた。おお、さすがSAKETIMES、評判が良いなぁ。
さて、そんなこんなでお酒の話をしていたら、皆で角打ちしましょうということに。しかも燗酒は曜日が決まっているのに、特別につけてくださるとか。うひゃー、まじですか、嬉しい!その後来店された日本人の方に加えて、オーナーも参加してくださいました。まさかの香港で日本人による日本酒会です。
机にIHのコンロがついていて、その場でお酒を温める事が可能。かっこいい~!
お酒は、小川さんが傑作と評する睡龍のH17BYとH22BYからスタート。常温でしか味わえない良さなどをお聞きする。く、勉強になるッ。
山陰東郷飲み比べ。これは星マークが日本酒度+11、ハートマークが日本酒度ー11という以外はBYも酒米も同じという面白い商品だとか。初めて知りました・・・。
この変わったグラスは、Gravnerというイタリアワインをつくるワイン蔵オリジナルのグラスなのだそうです。そこのワイン専用ということか!「それで睡龍飲んでみて?」と言われるままにお借りする。なんとも不思議な体験である。
YMOのレコードが流れる中、またまた色々なお話を聞く。
・香港には暖房という概念がないので、この時期(2月)は日本人的には辛いそうだ。暖房器具日本から持ってきても、電圧の関係で壊れちゃうのだそうだ。うおお、そりゃ辛い。赤外線ヒーターとか使えないのか・・・。
・僕が香港訪れた時は、学校でインフルエンザが大流行中で、子供がいる親御さんは大変だったそうな。なにせ学級閉鎖されると3週間は休みとか。共働きのご家族は、メイドさんにスケジュール変更をお願いしたりと大わらわだそうだ。
・ご一緒させていただいた現地在住の日本人の方は、酒器をこのお店に預けて他の人に使ってもらっているそうだ(僕が使っていたのがそれ!) これによって器が育ち、いい感じなるのだそうだ。うへー、そんなテクがあるのか・・・(酒器に無頓着な僕)。
いやー、他にもたくさんお話させていただいた。もうめちゃくちゃ楽しかったですね。皆さま、本当にありがとうございました。
最後にオーナーにお土産のワインを選んでいただき、角打ちの代金(凄く安かった・・・)と合わせてお支払いして退店。最高でした!そしてビルから出る時、出入り口が柵で閉鎖されているから気をつけてね~と教えていただく。あ、ほんとだ(笑)。香港だと、まだ開いていても一旦は締めるのか~。
◆◆◆
僕が体験した香港一夜の日本酒酒宴、いかがでしたでしょうか。持った印象は「やっぱり故郷の酒は恋しくなるのだなぁ」ということです。730万の香港人口に対して、日本人は2.6万人ほどだそうでして、少数派なのは間違いないです。異国の地で感じる故郷の味ってのは、たまらないのでしょうね。東京のアメリカンクラフトビール店に、アメリカ人がたくさん集まるのも納得というものです。
あと、醇酒・熟酒のラインアップでも、ちゃんと好む香港人はいるのだなぁというのにも驚きました。これは僕の偏見で、やはり外人さんは獺祭のような綺麗で香り高い吟醸酒を好むんでしょ?と思っていたのですが、そんなことは全然ないのですね。日本でもなかなか賛同者が少ない味なので、嬉しい体験でした。
いやー香港、本当に楽しかったです!やはりお酒を求める旅は楽しいです。今後もガシガシ行ってみようと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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香港観光2日目、香港の酒屋を総なめにしてやるぜー!と朝から気合を入れて観光してました。トイレ事情の日本との違いなどに戸惑いつつも、行き当たりばったりながら現地で売られてる日本酒にたっぷり出会えて、お前ら異国で頑張ってるなぁ!と声かけたくなるぐらいでしたよ。
そして夕方近くに訪れたのがこの「PILLARIWINE」さん。SAKETIMESのこの記事で超気になり、必ず行くぜ!とマップにメモしておいたお店です。香港島のビジネス街・中環(セントラル)のビル3階(イギリス式表記では2ndfloor)にあるお店で、上にも書いた通り日本人の方が経営されているとか。日本から近いとはいえ、異国の地で酒屋を開いているとは凄い。あ~楽しみだなぁ。
ビルの前にある看板。酒の文字がやっぱり嬉しい。
ポスター。鶴齢が看板商品となってますね。
エレベーター前のニコリともしないおじいさんの警備員さんに驚きつつも(笑)、階を上がってお店に入ると、15畳ぐらいのコンパクトな店内にワインと日本酒がちょうど半々で並んでいる。お、日本酒コーナーの方に角打ち用のテーブルがある。男性の方が1人、先に飲んでいるようだ。
店内はこのような感じ。並べられたお酒のバリエーションに驚く。竹鶴、悦凱陣、鶴齢、相模灘、醸し人九平次、神亀、菊姫、綿屋、亀齢、辨天娘、梅津の生もと、十旭日、睡龍、生もとのどぶ、奥播磨、花巴、山陰東郷、開春、磯自慢、etc.etc...とんでもないな、この揃え!醇酒(じゅんしゅ コク系のお酒)と熟酒(じゅくしゅ 熟成酒など)に振り切ってるよ。それでいて越乃景虎や醸し人九平次も揃えているあたり、お客さんのニーズに答えている感じがします。
角打ち(有料試飲)のメニュー。これまた濃い・・・。写真がボケてて文字が読めなくなっているのだけど、一杯90mlでお値段は30HK$(約435円)ぐらいからのようだ。香港の地でこれは破格だね。2時から7時までなのか。
しばらくすると、このお店で日本酒を担当している小川さんに対応していただいた。うわお、恐縮です!香港とは思えない素晴らしい揃えですねと感動を伝えると、笑顔で香港にまつわる興味深いお話を聞かせていただいた。超嬉しいです。
・お店は6年目で、日本酒を扱ってからは3年目となる。もともとはネットショップからスタートしたのだとか。
・儲けを最優先にしていないから、オーナーのもと好きにやらせてもらっているそうです。品ぞろえ見ると、とても納得!
・磯自慢は広東語読みで通じるらしい(!)。香港も漢字圏なので、縁起のいい漢字(龍とか)のお酒は売れやすいのだとか。逆にひらがなのお酒(こしのはくつる、など)は関心を呼びにくいのだそうな。
・お客さんの構成比は香港人が4割ぐらいだそうだ。つまり残りの6割は日本人?やはり異国の地では日本酒に飢えるのか。
・ここ数年で、香港には日本酒バーも輸入業者もすごく増えたそうだ。日本酒輸入金額の上昇の原因ですね。
・香港のレストランは客のお酒持ち込みがとてもウェルカム。日本では逆に嫌がられる行為なので、文化差として興味深いそうです。客側のこちらとしては、凄く羨ましいなぁ。
・まだまだ、「日本酒飲んで悪酔いした」的なお客さんはたくさんいるのだとか。うーん、香港でもそうなのか・・・。
いや~、聞けば聞くほど興味深くて、すっごく勉強になりました。小川さま、ありがとうございます!
よくこのお店見つけられましたね~と聞かれたので、「SAKETIMESの記事読んで来ました!」と答えたら、記事のことずいぶん褒められていた。おお、さすがSAKETIMES、評判が良いなぁ。
さて、そんなこんなでお酒の話をしていたら、皆で角打ちしましょうということに。しかも燗酒は曜日が決まっているのに、特別につけてくださるとか。うひゃー、まじですか、嬉しい!その後来店された日本人の方に加えて、オーナーも参加してくださいました。まさかの香港で日本人による日本酒会です。
机にIHのコンロがついていて、その場でお酒を温める事が可能。かっこいい~!
お酒は、小川さんが傑作と評する睡龍のH17BYとH22BYからスタート。常温でしか味わえない良さなどをお聞きする。く、勉強になるッ。
山陰東郷飲み比べ。これは星マークが日本酒度+11、ハートマークが日本酒度ー11という以外はBYも酒米も同じという面白い商品だとか。初めて知りました・・・。
この変わったグラスは、Gravnerというイタリアワインをつくるワイン蔵オリジナルのグラスなのだそうです。そこのワイン専用ということか!「それで睡龍飲んでみて?」と言われるままにお借りする。なんとも不思議な体験である。
YMOのレコードが流れる中、またまた色々なお話を聞く。
・香港には暖房という概念がないので、この時期(2月)は日本人的には辛いそうだ。暖房器具日本から持ってきても、電圧の関係で壊れちゃうのだそうだ。うおお、そりゃ辛い。赤外線ヒーターとか使えないのか・・・。
・僕が香港訪れた時は、学校でインフルエンザが大流行中で、子供がいる親御さんは大変だったそうな。なにせ学級閉鎖されると3週間は休みとか。共働きのご家族は、メイドさんにスケジュール変更をお願いしたりと大わらわだそうだ。
・ご一緒させていただいた現地在住の日本人の方は、酒器をこのお店に預けて他の人に使ってもらっているそうだ(僕が使っていたのがそれ!) これによって器が育ち、いい感じなるのだそうだ。うへー、そんなテクがあるのか・・・(酒器に無頓着な僕)。
いやー、他にもたくさんお話させていただいた。もうめちゃくちゃ楽しかったですね。皆さま、本当にありがとうございました。
最後にオーナーにお土産のワインを選んでいただき、角打ちの代金(凄く安かった・・・)と合わせてお支払いして退店。最高でした!そしてビルから出る時、出入り口が柵で閉鎖されているから気をつけてね~と教えていただく。あ、ほんとだ(笑)。香港だと、まだ開いていても一旦は締めるのか~。
◆◆◆
僕が体験した香港一夜の日本酒酒宴、いかがでしたでしょうか。持った印象は「やっぱり故郷の酒は恋しくなるのだなぁ」ということです。730万の香港人口に対して、日本人は2.6万人ほどだそうでして、少数派なのは間違いないです。異国の地で感じる故郷の味ってのは、たまらないのでしょうね。東京のアメリカンクラフトビール店に、アメリカ人がたくさん集まるのも納得というものです。
あと、醇酒・熟酒のラインアップでも、ちゃんと好む香港人はいるのだなぁというのにも驚きました。これは僕の偏見で、やはり外人さんは獺祭のような綺麗で香り高い吟醸酒を好むんでしょ?と思っていたのですが、そんなことは全然ないのですね。日本でもなかなか賛同者が少ない味なので、嬉しい体験でした。
いやー香港、本当に楽しかったです!やはりお酒を求める旅は楽しいです。今後もガシガシ行ってみようと思います。
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