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味の傾向:
素朴な酸味がうま味に先行する田舎風純米酒。アル度15%らしい軽さがある食中酒だ。味の中盤から後半にかけて、酸味がキューッと収斂していくような流れがあり、独特である。

おすすめシチュエーション:温度による味の要素の変化は少ないので、お好みで選ぼう。ペアリングする料理は正直見つけられなかった・・・。どうやら肉料理には合わないと思われる。魚、野菜系なのかなぁ。すまん。

評価:65点/100点(初めて出会う日本酒タイプで、正しく評価できてないと思う)

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さて、今回は当ブログ3度めの登場、香川の銘酒「悦凱陣(よろこびがいじん) 手造り純米」でーす!悦凱陣というと、このお酒のようにラベルにびっしり数値が書き込まれたイメージが強いけど、この手造り純米はクラシックなラベルタイプになっている。悦凱陣はマニア層のハートをガッチリ掴んでる銘柄で、やや入手が難しい日本酒だ。うま味系のコクのあるお酒のイメージだけど、僕が飲んで感動した純米吟醸・興のようなガチフルーティ甘口酒もつくるので、なかなか気の抜けないブランドである。

詳しく書かれたスペックを読むと(ありがたい!)、60%磨きの純米酒で、酒米はオオセト、酵母は熊本9号と、悦凱陣の基本のような内容である。ポイントはアル度15%と、精米歩合60%では低めのアミノ酸度1.1である。濃厚にただよう食中酒の予感!(じゅるり) アル度15%は単独で飲むと物足りなく、アミノ酸度1.1も同様で味にふくらみを感じないはず。だが味が追加される食事中ではむしろメリットとなり、気持ちよく飲めるお酒になるのだ。これが僕は大好きなのよ。


常温でグラスにそそいでみる。色は・・・普通かな。淡い黄色系。緑は混ざってない感じだ。香りは酸っぱさが強めの内容。メンソール的なひんやりする感じとか、アルコール感もあるけど、どれもごくあっさり。まあ純米酒ですし、そこまで主張する香りは目指してないのでしょう。酸度1.7らしい、酸味を予感させるぜ。

飲んでみよう。う、う~ん?うま味主体で丁寧な滑らかさが舌に楽しいが、この酸味はなんだ??いや、変とか、おいしくねぇ!ってわけじゃないのよ。スペックから予想したとおりの、丁寧につくられた食中酒なのがよくわかる味だし、ごはんと一緒に飲んでも苦にならないのは嬉しい。しかし、この酸味はどうやって料理に合わせたら良いのか、僕にはまるでわからねぇ!なんなんだ、これは。

こう・・・レモンとか夏みかんとか食べると口の中がキュッとなるじゃない、あのキュッとなる感じから酸っぱさそのものを50%オフにした感じなのよ。うーん、伝わらないかな。とにかく飲み続けると体の温度が下がる酸味と言うか、他のお酒なら酸味が後味でバーンと弾けたり、苦味と合体して辛さになったりするんだけど、このお酒はそういうのがない。ひたすら低下する酸味という感じ・・・。むうう、こんなお酒初めてだぞ。

僕の家では主に焼く系の肉料理が多くて、野菜は生か煮る、調味料はみりん、醤油主体というわりと偏ったスタイルなのがいけないのかもしれない。魚系で、生や煮る、蒸す、味噌とかかなぁ・・・。申し訳ないけど、僕じゃこのお酒の真価には気づけなかったと思う。つくりが抜群なのはわかるから、どうにももどかしいです。お酒って食事抜きじゃ評価できないなぁと反省しました。

実は開栓初日や2日目は、ちょっと印象が違っているのね。香りは甘めの匂いもあって、味はずいぶん白米に合った。しかし、それ以降は上記の味で安定したので、この記事では開栓後3日目以降の印象をメインで書いてる。開栓即飲みするためのお酒じゃないはずなので、このようになりました。開栓直後に飲む方は、違う印象持つかもしれません。


「悦凱陣 手造り純米」、僕では評価が難しいお酒だった。ぜひ、皆さん自身で真価を探って欲しいぞ。

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名称
:悦凱陣 手造り純米(H29BY 火入れ)
精米歩合:60%
酒米:オオセト100% 酵母:熊本9号
アルコール度:15~16%
日本酒度:+9
酸度:1.7 アミノ酸度:1.1
蔵元情報:有限会社 丸尾本店(香川県)
購入価格(税込):3024円/1800ml
購入日:平成30年1月20日
購入店岸田屋酒店(神奈川県横浜市)



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