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味の傾向:18%のアルコール度を活かしたヘビー級の純米大吟醸。少々の甘味に大吟醸らしいトロみ、熟成感が加わる技術レベルの高いお酒だ。しかし、そのつくりのよさと、お酒の用途に噛み合わないものを感じる。

おすすめシチュエーション:温度は滑らかさを十分に感じるために、やや高めの10度ぐらいの冷酒がよい。アル度が高く単独で飲むとキツいので、濃い料理の食中に飲むのがおすすめ。ソース焼きそばや、親子丼、串揚げやレバニラなどが好相性だ。

評価:65点/100点(出来は良いのだが、お酒の方向性が間違ってる気がする)

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今回もsaketaku銘柄~。お世話になってるぜ、saketaku!前回と同じ銘柄・安東水軍の「安東水軍(あんどうすいぐん) 純米大吟醸 出羽燦々仕込」である。この前のお酒は山廃仕込みのアル度15%純米酒ということで、実に僕好みの食中酒だった。こちらのお酒は、山形の酒造好適米・出羽燦々(でわさんさんさん)を使った純米大吟醸!しかもアル度18%で、恐らく原酒というスペックだ。真逆のお酒を同一ブランドで送ってくるとか、やるねsaketaku。

この蔵の方向性は、山廃純米を飲んだ限りでは日常に寄りそう地酒らしい食中酒を目指していると僕は思う。しかし、この純米大吟醸はラベルを黄色一色のちょっとモダンにタイプにしていて、もしかしたら違うテイストを狙ってるのかもしれない。わざわざ山形の酒米を使っていて、しかも原酒だしね。うーん、蔵元としては、けっこうチャレンジングなお酒なのかもしれない。


さて、冷酒でそそいでみよう。ふーむ、色は綺麗だ。なんかクリスタルみたい。淡い黄色で緑はなし。お米磨いてるって感じだね。香りはメンソール、マジックインキ、油脂系と、フルーツ系ではない日本酒らしい匂い。割とシンプルで酸っぱさとかもない感じだ。

飲んでみる。ほ~う、アルコール感は強いが、苦味などしっかり抑えられているなかなかの出来栄えの純米大吟醸だ。僕が感心したのは、後味。全体的に薄い甘味がある。それに加えてトロトロの滑らかさと熟成した香ばしい苦味がこのお酒の基本なのだけど、アル度18%の割には後味で苦味が目立ちすぎず、スッと消えてくれる。そのおかげでお酒の余韻の段階で、アルコールがふわっと揮発するような印象が残るのね。これはいい。

ただ問題は、このお酒をどういう状況で飲めばよいのかわからないということ。アルコール度18%というのは、やはりかなり高い。なので、単独で食前に飲むと辛いのだ。無ろ過生原酒のようにフレッシュさやフルーティさでカバーできてるお酒じゃないので、どうしても食中に飲みたいし、合わせる料理は味のボリューム感があるのがいい。しかしそうなると、今度はせっかくの良くできた大吟醸の味がわからなくなってしまうのだ。おいしいんだけど、これなら高アルコール純米酒でよくね?と思うのだ。


なんか、気合い入れてつくったのはよくわかるんだけど、目的を見失ったようなお酒・・・という印象である。例えるなら「時速300キロ出る焼き芋の販売カーつくったよ!」「凄い!でも、それ意味あるの?」的な感じ。とても惜しい。市場調査は苦手なのかなぁ。

「安東水軍 純米大吟醸 出羽燦々仕込」、よくできてるのに残念な子、そんなお酒でした。次は狙いを外さないでくれぇ!


名称:安東水軍 純米大吟醸 出羽燦々仕込(H29BY 火入れ 原酒?)
精米歩合:50%
酒米:出羽燦々100%
アルコール度:18%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:尾崎酒造(青森県)
購入価格(税込):不明/720ml
購入日:平成29年12月30日
購入店saketaku(通販サービス)






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