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味の傾向:
フルーティさのない、朴訥な酸味系日本酒。しっかりした酸味(+苦味)があるのに、うま味主体という面白いお酒。ややもするとフルボディ山廃酒みたいな味になるところを、低アルコールと生貯蔵のフレッシュ感でうまくフォローしている。面白い。

おすすめシチュエーション:蔵元のオススメはしっかり冷やした冷酒らしい。温度が上がると主張が少し増すが問題ないレベルだ。うま味と酸味のおかげで合わせられる料理は幅広い。牡蠣のオイル漬けや、根菜の辛味噌炒めのようなうま味にピッタリのものから、焼き鳥やメンチカツのような酸味で味を切るのが楽しいものまで楽しめるだろう。

評価:75点/100点(田舎系の味なのに個性的。地味派手とはこれのことか)

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はい、今回もsaketakuから届いた日本酒を紹介するぜっ。だんだんこのサービスで届く日本酒の傾向もわかってきた気がする。とりあえず半年続けてみて、まとめの記事なんかをつくってみるつもりです。

今回のお酒は「岩手誉(いわてほまれ) 本醸造生貯蔵酒 南部 亀ノ尾」だ。ここの蔵元、わりと生貯蔵が好きなのか、そこそこレギュラー商品で用意しているみたい。このお酒は瓶のサイズも面白く、一升瓶が存在せず、かわりに4合瓶と300mlがある。早飲みしてくださいよーという蔵元からのメッセージなのかな?

このお酒、面白い点がいろいろあって、まず酒米の亀ノ尾を本醸造で使っていること。亀ノ尾といったらむしろプレミアムなお酒(大吟醸など)で使われることが多く、けっこう高級品というイメージだけど、このお酒はアル添の本醸造なんだよね。またアルコール度数が14.5%と、平均より低いのもユニーク。アルコール度数は食事との相性に影響が大きい数値である。そこにこの度数とは・・・なかなか期待できそうだぜッ。酸度は1.7、日本酒度は+5、精米歩合65%である。


ほどほどに冷やしてそそいでみる。色はごく淡い黄色で、緑は見えない。ふーん、精米歩合低めなのに綺麗につくってるんだ。香りの方はごくごく穏やか。ほんの少し酸っぱい匂いに、穀物の匂い、玄米とかゴボウとか落花生とか・・・軽く熟成してますな。

クイッと飲んでみる。おほ~~~う、うま味の上にはっきりした酸味が乗る、うま酸っぱ系日本酒だ!あー、これは面白いね、珍しいけどアリな味だ。まず酸味は明確にある日本酒だけど、流行りのモダン系生もと(新政や仙禽など)とは違い、フルーティさなどは全くない、飾り気のない田舎酒タイプだ。その手の酸とうま味があるお酒と言うと、クラシックな分厚い山廃系の日本酒が定番だけど、このお酒はそれとも異なるのが面白い。

アルコール度数の低さのせいかな~。ボディが厚くなりすぎず、飲みやすさがあって食中にしっかり合うのよ。それでいて、醸造用アルコールの添加と共に加水もそれなりにしているのに味がペラペラになってないので、うま味がしっかり料理の味を支えてくれる。酸味もはっきりしているから、油したたる和食にもOK。こりゃやりますね。酸味系日常酒。家でつくった飾り気のない和食にバッチリ合う。いいねー、好きだよこれ。


saketakuは、言ってしまえば田舎酒な、都市部の日本酒シーンでは注目されない味のお酒を届けてくれる。どれも地味で、派手さを競う東京などで販売されるお酒と比べれば面白さに欠けるかもしれない。でも、丁寧に飲めばこういうお酒にも出会えるですなぁ。いや、いい発見だった!

「岩手誉 本醸造生貯蔵酒 南部 亀ノ尾」、ますます岩手行ったら飲みたくなる銘柄となった。盛岡駅降りたら、まず探したいお酒だぜ。

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名称
:岩手誉 本醸造生貯蔵酒 南部 亀ノ尾(H29BY 1回火入れ)
精米歩合:65%
酒米:亀ノ尾100%
アルコール度:14.5%
日本酒度:+5
酸度:1.7
蔵元情報:岩手銘醸 株式会社(岩手県)
購入価格(税込):1015円/720ml
購入日:平成30年1月31日(到着日)
購入店saketaku(通販サービス)




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