味の傾向:油との相性が最高な、ちょっと濃いめの甘酸っぱい食中酒。新政らしく軽快だが、ラインアップの中ではどっしりしたタイプと言える。お酒でお酒を仕込む貴醸酒といわれるタイプのお酒で、普通の日本酒とは違う体験を楽しめるぞ。
おすすめシチュエーション:なんとなくぬる燗も良さそうだけど、試しませんでした。冷酒なら間違いなし。5℃ぐらいの冷酒なら酸が立ちハードめに、10~15℃なら驚異的にまろやかになるぞ。合わせる料理は脂っこいもので。ずばり中華は最高である!他にも手羽先唐揚げや、エビフライなども良さそう。甘味があるお酒なので、洋風のバターを使ったタイプの料理は避けよう。
評価:80点/100点(さすが新政、軽やかな味がどストライクである。大好き)
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はい、当ブログ最多登場銘柄(たぶん)の秋田の銘酒・新政(あらまさ)が今回のお酒だ。本当にここのお酒は大好きだな~。毎年味がアップデートされるところなんだけど、最近は味が軽やかな方向へ進んでいるので、ふわっとしたお酒好きとしてはますます目が話せないブランドになってきましたよ。
今回のお酒は「新政 貴醸酒 陽乃鳥(ひのとり)H28BY」である。貴醸酒(きじょうしゅ)というのは、水の代わりに日本酒を使って仕込むお酒のことだ。当然味が濃くなりズッシリしたテイストになるので、とても個性的なお酒になる。糖分が多くなるので熟成にも向くらしくて、この陽乃鳥も新政にしては珍しく低温での自家熟成を裏ラベルで勧めているぐらいだ。
日本酒を好きになった初期のころに、まだ茜孔雀という名前だったこのお酒を飲んでるのだが、その時は好きになれない味だったのを覚えている。まだ自分の好みの幅が狭かったんですな。お酒って舌がいろいろな種類になれてくると、味覚が広がるじゃないですか。さて僕はこのお酒も楽しめるようになっているのか?レッツトライである。
冷酒(10℃ぐらい)でそそいでみると、綺麗な淡い黄色だ。他の新政に比べると、やっぱり濃いねぇ。香りはむっちゃいいな!あま~いミルク感が鼻孔をくすぐる。いちごミルクといった感じかな?とにかくエレガントで、さすが新政だ。その香りの中に穀物感、ローストしたナッツ感も混じっており、色の印象通りある程度の熟成をおこなっているようだ。ラベルを見ると、瓶入詰めてから9ヶ月熟成しているようだね。おそらく低温熟成でしょう。
飲んでみる。うほほほほほほ~~い、トロリまろやか温州みかんを思わせる甘酸っぱい日本酒だ!いやー、やっぱり新政は裏切りませんな。エクリュとかと比べると明らかに濃いが、全体的にライトタッチのお酒で、新政の美点の1つである味の後半のエグミのなさは、もちろん標準装備である。一般的な意味での貴醸酒らしさは少ないが、後味まできっちり甘味が残るところなどがらしいと言えるかな。余韻も素晴らしく、酸味だけがフワワワ~と続いていく。う~ん、ビューティフル!
開栓して2日目は酸っぱさのみがぐっと強くなる。まるでレモンを数滴しぼったみたいだ。恐らくこれがこのお酒本来の味かなと思う。キュッと酸味が立つ甘酸っぱいお酒だ。1日目は食前酒としてもいける味だったが、2日目以降は食中酒として飲むのが良さそうだな。油ものと相性抜群。口の中の油をサッと流すのがいいんだよ~。こう、食事の中で油ものを攻略する時に、ピンポイントでこのお酒投入するといいだろうな。ま、家飲みでは、そこまで深く考えて飲みませんが(笑)。
新政にしては珍しく、開栓後も味のバランスが崩れない、よくできた食中酒だった。これは確かに熟成したくなるかも。裏ラベルの推奨熟成期間は4~5年ってのがガチすぎますけどね!僕としては軽さこそが新政の良さだと思っているので、このお酒は好みの方向ではないけど、こっちが好きという人はたくさんいると思う。新政が苦手とする濃い料理にも対応できるところが頼もしいぜ。
「新政 貴醸酒 陽乃鳥 H28BY」、異端の新政、でもやっぱり新政ファミリーだったおいしいお酒である。食事中のアクセントにピッタリ!おすすめだ。
名称:新政 貴醸酒 陽乃鳥 H28BY(純米酒 生もと 火入れ)
精米歩合:麹40% 掛米60%
酒米:美山錦100%
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:新政酒造 株式会社(秋田県)
酒米:美山錦100%
アルコール度:16%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:新政酒造 株式会社(秋田県)
購入価格(税込):1900円/720ml
購入日:平成29年12月16日
購入店:鈴傳(東京都新宿区)
購入店:鈴傳(東京都新宿区)
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