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味の傾向:
香りは若々しく、アルコール度は高い。濃厚な味にグワッとキレを演出する苦味が特徴のしぼりたて新酒だ。驚くべきは開栓後の味の変化で、とても長い間おいしい味が楽しめる。黒龍の中ではかなり珍しい味わいだが、さすがの造りの上手さに唸ってしまう。

おすすめシチュエーション:キリッと冷やして冷酒で。ぬる燗にして、ガス感を抜いてみるのもいいだろう。アルコール度が高い生原酒なので、特有の苦味がある。苦手な人は食中に楽しみ、逆に好物な人は、食前にそのフレッシュさを堪能するといい。合わせる食事は、アルコールに負けない味の厚いものを選ぼう。

評価:80点/100点(今どきの濃厚な生原酒もつくってしまう黒龍、すげぇ)

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ゴールデンウィークも終わりですね。皆さん、たっぷりお酒飲めました?今日は僕が1ヶ月ぐらいかけて、ちょうどGWに飲みきった日本酒を紹介するぜ。それがこの「黒龍(こくりゅう) 純吟 垂れ口」であーる。

黒龍は言うまでもなく今の日本酒を代表する銘柄の1つで、食中酒に向いたお酒を多くつくっている銘柄だ。商品のラインアップもアルコール度15%のものが多く、アルコールの苦味甘味で食事を邪魔しないことを目指していることがよくわかる。

しかし、この純吟・垂れ口は、アルコール度17%の純米吟醸うすにごり生原酒という珍しいもの。毎年2月に発売される新酒で、スペックからすると相当荒々しいんじゃないかと思う。僕にとって黒龍は、昔から地味ウマ酒のイメージなので、こういう仕様のお酒は想像つかないのだけど、はたしてどんなものだろう?


冷蔵庫でしっかり冷やしてグラスにそそいでみる。おお~、色はしっかり白くうすにごりしている。やっぱりなぜかテンション上がるね、うすにごり(笑)。香りはムワッとくるぐらいの青い香り!畳の香りとか青草のイメージだね。いかにも新酒!という感じ。その中にキウイやスイカのような爽快感ある甘味の香りが混ざる。さすがに開けたてだと青さが強烈で、香りの細部まではわからないですな。

飲んでみる。なんとまぁ!甘味がドバっときて、舌を刺激するピリピリ感があって、キレを演出する鋭い苦味が最後を締める、バリバリ濃厚生酒だ!えー、これが黒龍?というぐらい派手なお酒である。この濃厚さは、好きな人多そうだ。予想通り食中酒というより、単独で楽しむ食前酒か食後酒に向いてる。新酒特有の刺激があるので、味の整った和食より、大雑把な洋食の方がいいかなーと思う。和風ハンバーグとかいいなぁ。

雑に言ってしまうと、而今や花陽浴のような甘さと苦味を主体としたお酒なんですよ。本当に黒龍っぽくない。僕の中では、黒龍はうま味主体で、単独では地味なお酒のイメージなんですよね。この純吟・垂れ口は、まったくそんなお酒じゃない。というか、こういうお酒もさらっとつくっちゃう黒龍すげぇ。

そして、黒龍らしさは開栓後に現れる。とにかく味がくずれないのだ。2週間越えてもピリピリする刺激は健在で、フレッシュ感を十分に楽しめる。後半になればなるほど香りは整っていき、1ヶ月も経つと熟れ熟れなリンゴのような甘い香りがプワ~ンと漂う。も、これが最高ですわ。この時期になると新酒の刺激は薄まり、味の後半に飴のような甘さが混じるのだけど、うま味と綺麗に融合してじゅわっと舌の上で広がるのがいい。いやー、完成度高すぎ。


正直、僕が好きな黒龍のタイプではないのだけど、これは全然あり。むしろこっちが好きな人も多いだろう。5月の今だと売ってるところを探すのは難しいと思うけど、ぜひ来年買っていただきたいお酒の1つだ。新酒好きなら間違いなくおすすめ!

「黒龍 純吟 垂れ口」、やはり黒龍はすごかった。一升瓶で買っても全く問題ないぜ!

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名称
:黒龍 純吟 垂れ口(純米吟醸 うすにごり生原酒 H29BY)
精米歩合:55%
酒米:福井県産五百万石100%
アルコール度:17%
日本酒度:+2
酸度:不明
蔵元情報:黒龍酒造 株式会社(福井県
購入価格(税込):3240/1800ml
購入日:平成30年3月27日
購入店:楽天市場




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