P1150115s
味の傾向:無ろ過生原酒らしい濃縮された甘味に、ミントのような爽快感が実にマッチしている豪快なお酒。アル添の吟醸酒ならではの飲みやすさで、ガンガンいけちゃう危険な日本酒だ。ただし変化が早いので、購入したらできる限り早く飲もう。

おすすめシチュエーション:キリッと冷やした冷酒でどうぞ。温度が上がると味の輪郭がぼやけるので注意。これだけジューシィなお酒だけど軽さも出ているので、食前・食中・食後も大丈夫。合わせる料理は味が濃いものがいいかも。味噌カツ、鮭の塩麹漬け焼き、もつ煮込みなど。濃厚なチーズも試してみたい。

評価:80点/100点(コテコテの無ろ過生原酒に軽快なドライ感が融合した、見事なお酒)

◆◆◆

今回のお酒はこちら~。長野県の「佐久乃花(さくのはな) 辛口吟醸 無ろ過生原酒 H29BY」である。長野と言うと、日本酒好きの間では綺羅星のごとく良い蔵が存在する県というイメージだけど、世間一般ではまるでそう思われてないのが残念なところだ。蔵元の数は多いから、いろいろできそうなんだけど、簡単じゃないんだろうな~。県として一丸となってる印象の山形や福島、NEXT5の存在が大きい秋田、みなまで言うなの新潟、このあたりと肩を並べてもいいとは思ってるのですが。

さて、こちらは以前の純米吟醸手詰め直汲みと同時に注文した1本。どうやらレギュラー商品である辛口吟醸を無ろ過生原酒化したもののようだ。生酒だし、春先の限定ものなのかな?佐久乃花は、まだ前回の1本しか飲んだことないけど、こちらも生原酒ということで、ドバっと味が濃厚に出たお酒を想像しているぜ。

アル添の辛口吟醸酒は僕の好きなジャンルで、例えばくどき上手のばくれんだ。香り高い吟醸香にキリッと辛口+アルコールの気持ちよさは癖になるんだよね~。磯自慢の本醸造もそっちのタイプだったね。皆さんはこういうの好きだろうか?この佐久乃花は、それを無ろ過生原酒化したとのこと。どう仕上げているのか、楽しみである!


さてさて、そそいでみましょう。しっかり10度以下に冷やした冷酒でそそぐ。お、お酒の色はずいぶん薄いね。ほんのちょっぴりしか黄色くない。無ろ過だし、やはり搾って早めに出荷してるのかな。熟成を抑えて、フレッシュ感を重視した設計のようだ。香りは濃い!この感じ、佐久乃花ってイメージだなぁ。グレープフルーツ、ミント、油脂、杏仁豆腐、もう生酒だぜー!って主張がめっちゃ出てる。これ好きな人たくさんいると思うな。

飲んでみよう。うお~、これはレベルが高い!辛口吟醸酒がそのまま2倍濃くなった感じ。それでいてバランスは崩れてなく、軽快感もしっかりあるお酒だ!例えるならハッピーターン250%食べた時の感動と言うべきか。え、伝わらない?(笑) このお酒、濃いけど軽いんですよ。このバランスが見事。まずアルコール度が18%もあるのだけど、そこから生じる強い刺激や苦味が少ないのだ。アルコールだけ浮いた感じなどもなく、しっかり甘味に溶け込んでるようだ。

味の流れは、図太い甘さ・うまさからスタートし、酸味・苦味・渋み・刺激が混ざった辛さでシュッとキレるスタイル。さすがに生原酒なので、キレの後にも少し甘味が残るけど、辛味が実に爽快なので気にならない感じ。メンソールみたいなイメージなんですよ。濃いのが苦手な僕でさえ、食前でもいけるなって思ったぐらいだもん。飲めば飲むほど、この辛さはドライ感が増していくので、ドンドン飲めちゃう。き、危険だこのお酒!


いやー、ここまで上手だと個性を感じますね。グッドです、佐久乃花。実際すぐ飲みきっちゃったしね。ただ、この酒早く飲むこと前提のお酒のようで、保管は細心の注意を。実は2本買ったのだけど、2ヶ月後に開けた2本目は、ひどくバランスが崩れていたのだ(その顛末は、こちらの記事をどうぞ)。買ったら、すぐ飲もう。

「佐久乃花 辛口吟醸 無ろ過生原酒」、パーフェクト辛口吟醸だった。辛口好きの人も、濃厚好きの人も、ぜひ試してみていただきたい!

IMG_0617s
名称
:佐久乃花 辛口吟醸 無ろ過生原酒 H29BY
精米歩合:59%
酒米:長野県産米100%
アルコール度:18%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:佐久の花酒造 株式会社(長野県
購入価格(税込):1458/720ml
購入日:平成30年3月8日
購入店:楽天市場









Twitterやってます。お気軽にフォロミー!
神奈川建一(@KanagawaKenichi) 

お酒ミライのFacebookページはこちら。いいね、もらえると喜びます!

Instagram始めました
神奈川建一