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味の傾向:
9%という異次元のアルコール度が作り出す、ライチジュースのような甘酸っぱ系日本酒。流行の味わいながら、独特で立体的な酸味と甘味のハーモニーが楽しめる本格派日本酒だ。ワインとは違うペアリングを楽しめるぞ。

おすすめシチュエーション:温度は冷酒で。下げすぎると甘味が足りなくなると思うが、そこは好みでいいだろう。低アルコールなので、食前酒として最初の一杯に最適。合わせる料理は思いっきり冒険しよう。オリーブオイルたっぷりのイタリアン、和フレンチ、アメリカンな肉料理。新しい可能性を探してみよう。

評価:80点/100点(他とは違う個性がきっちり確立している。このお酒じゃないと味わえないテイストだ)

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今回のお酒はこちら。一度見たら忘れられないボトルでおなじみ、長野県は澤の花の「ボー・ミッシェル」でありまーす。これ、飲んでみたかったんだよね~。どうですか、このセピアカラーの渋いデザイン。グラッパボトルもかっこよくて、ついジャケ買いしちゃいそうなお酒だよね。一時期手に入りにくかったみたいだけど、今年は入荷情報をTwitterで入手して、速攻で買いに行きましたよ。SNSはこういう時、本当に便利。皆さんもぜひ始めましょう。で、僕をフォローしてください(PR)。

このお酒最大の特徴は、アルコール度がなんと9%ということ!なんと10%切ってるのだ。ここまで低いのはそうそうない。この前紹介したイットキーが12%だけど、それを3%も更新する低アルコールっぷりだ。恐らくお酒の発酵の途中で搾ってしまっているのだろう。発酵が完全に進んでいないのでアルコール度が低くなり、お酒の中に発酵されなかった糖分がたっぷり残っているタイプの日本酒だと思われる。

ただ気になるのは、アルコール度が低すぎる状態が、お酒としてのおいしさをそこなっているのでは?ということ。味わいにおいてアルコールは、甘さと苦さに影響を与えるのだけど、ここが弱いとお酒として頼りない味になってしまうのだ。さあさあ、ボー・ミッシェルはどういう風に9%のアルコールを料理しているのか?試してみよう!


キリッと冷蔵庫で冷やしてグラスにそそいでみる。お、予想通り黄色いね。糖分がたっぷり残っていて、それが加熱などで色がついているんだ。香りは爽やかなフルーツ感。バナナ系で酸っぱい香りも混じるけど、どれも穏やかでワイングラスじゃないと気づきにくいだろう。こんなところもローアルコールですな。

飲んでみよう。うん、完全にジュース、ライチジュースだ!でも、酸と甘味の独特なバランスがコクを作り出していて、飲んでて非常に楽しいぞ!もう、驚くほどジュースなんだよ。味の後半においてアルコール感が凄く少ないので、お酒って感じがしないのだ。お酒ってのどごしでアルコールがパァッと広がるのが普通じゃない。これがこのお酒には存在しない。なので、フルーツジュースを飲んでるかのように錯覚するのだ。

じゃ、物足りないのか?いやいや、そこをしっかりおぎなった造りをしているのがボー・ミッシェルの見事なところ。甘味と酸味がきっちり別の味としてお酒の中に存在し、この2つが口の中で混ざり合うのをじっくり楽しめるのだ。味が立体的?というか、コクがある?というか、単調じゃないんだな。こういうところ、やっぱりお酒なんだなぁって感じる。食前メインの食中酒として、新しい味つくってるね~。

ちなみにアヒージョとペペロンチーノに合わせるのを試したけど、十分イケる。ワインのほうがもちろん合うけど、甘味を一緒に味わいたいならこっちが秀でてるぞ。サングリアとかよりもイケてるんじゃないかなぁ。特にスパゲッティは炭水化物のせいか、たまらなくマッチして食が進みまくりだ。スパゲッティ類と日本酒は相性いいので、試してみて欲しいぜ。


「ボー・ミッシェル」、さすが話題になるだけあるいいお酒だ。アルコールが苦手な人にも勧められるのもいい。かっこいいボトルも含めて、プレゼント適正も抜群だ。日本酒の新しい可能性を切り開いたこのお酒、甘酸っぱ系はまだまだ進化するなーと大いに納得したぜ。

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名称
:ボー・ミッシェル(H29BY 純米酒 火入れ)
精米歩合:不明
酒米:不明
アルコール度:9%
日本酒度:不明
酸度:不明
蔵元情報:伴野酒造 株式会社(長野県
購入価格(税込):1080/500ml
購入日:平成30年3月21日
購入店伊勢丹新宿店(東京都新宿区)






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