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味の傾向:
典型的な大吟醸のいいところ(香りや甘味)に加えて、酸味や苦味を伴った重厚なうま味が楽しめる、東洋美人らしさ溢れる純米大吟醸。蔵のいいところがこれだけ詰まっているのにも関わらず、極めてリーズナブルなお値段は素晴らしい。入門用に最適だ。

おすすめシチュエーション:香りを楽しむために適度な温度の冷酒で。味はこれだけ厚みがあるので、料理も同じく厚みがある和食がいいだろう。ピーマン肉詰め、肉じゃが、みりん干し、牛タン味噌漬け。うま味たっぷりなので、幅広い料理に似合うはずだ。

評価:75点/100点(吟醸酒でこれだけのうま味を使いこなすところは少ない。見事だ)

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前回の「純米吟醸 大辛口」と同時に買ったのが、山口県を代表する蔵元である澄川酒造場が醸すお酒、「東洋美人(とうようびじん) 純米大吟醸 Asian Beauty」である。変わった瓶が使用されており、その容量が750mlと普通の4合便(720ml)よりも30ml多いのだが、その上お値段が税込1350円と驚きのコスパ酒なのだ。大吟醸でこの値段だと、大手酒蔵の1100円台のものとタメ張る価格帯だ。凄い経営努力、頭が下がります。

東洋美人を飲んで思うことは、フルーティな香り漂う綺麗な酒質なのに、うま味がたっぷりで味全体が分厚いところが秀逸だなぁということ。最近の売れ筋日本酒の傾向は、うま味を抑えて軽いテイストにして、酸味と甘味で勝負するタイプが多い。僕自身そういうお酒が好きなのだけど、好みを超えて東洋美人はおいしいって感じるんだよね。この「分厚い味」と「フルーティな味」が絶妙に両立しているところに感動してるのだろうと思う。これは同じ山口の獺祭と比べると、よくわかるぞ。

このお酒は山口県産山田錦を利用した火入れの純米大吟醸で、精米歩合50%、アルコール度15%、日本酒度+5、酸度1.5、アミノ酸度1.2という数値である。やっぱり目立つのは、アミノ酸度1.2かな?アミノ酸度はうま味、お酒の分厚さ(フルボディかミドルボディかライトボディか)につながる数値で、獺祭はこの数値が0.7~0.8ぐらなのである。新政などは0.6だったりする。いかに東洋美人が「酒はフルボディや!ガツンとうま味や!」と思ってるかわかるというものだ。


さあ、とりあえず飲んでみよう。そそいでみると色はくすんだオレンジ色だ。エキス多めのお酒をしっかり熟成した感じかな。純米大吟醸にしてはずいぶんと色がついてる。やっぱアミノ酸たっぷりっぽい。香りは酸味も感じる軽やかなフルーティ香。開栓直後はわりと凡庸なんだけど、数日経つとぐんぐん香りが良くなる。超フレッシュなメロンという感じ。青臭さもあるので、瓶燗火入れだろうか。

ゴクリと飲む。抜群の芳醇な味!でもキレよく淡麗でもある。相反する味が融合した高バランス純米大吟醸だ!うわぁー、いいなぁ、これ。この味のさじ加減は傑作ですよ。まず基本はフルーツ感ある甘味。ピーチとかチェリーとかのイメージ。そこにどばーんとうま味が乗っかってくるので、予想どおりフルボディのお酒になっている。しかし、なんというか粗野な味になっていない。とても整った味だ。

また芳醇、濃厚な味の日本酒って他にもいろいろあるけど、この東洋美人はそのどれとも似ていない。ヘビーなうま味というと、例えば菊姫があるけど、あちらとは違いこのお酒は淡い甘さが感じられる。また、無ろ過生原酒系の濃さとも全く違う、味のバランス調整により実現した極めてハイレベルな濃厚さだ。すごいね、東洋美人。ここは超絶技巧派の蔵元だなぁ。


いやいや、蔵の実力をバリバリ感じられる一品だった。なんか評価点が低いと思われるかもしれないけど、それはもっとおいしい東洋美人があるだろうという予感が確信を持って感じられるからだ。そのぐらいこの「東洋美人 純米大吟醸 Asian Beauty」には、ブランドの長所がつまっている。東洋美人入門用として最適のお酒。ぜひ、ここから始めてみてはいかがだろうか。

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名称
:東洋美人 純米大吟醸 Asian Beauty(H29BY 火入れ)
精米歩合:50%
酒米:山口県産山田錦100%
アルコール度:15%
日本酒度:+5
酸度:1.5 アミノ酸度:1.2
蔵元情報株式会社 澄川酒造場(山口県)
購入価格(税込):1350/750ml
購入日:平成30年3月9日
購入店:楽天市場
数値などはこちらを参照しています。





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