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こんなタイプ:
酸味しっかりのピーチ味食中向きの日本酒。ふんわり軽め。

お酒の特徴:29BY、10号酵母、14%低アルコール、純米酒、新体制になってから2造り目、茨城県

僕の評価:75点/100点(食中とそれ以外で味が明確に変わる、僕好みのお酒)

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こんにちわー、お酒ミライの神奈川建一です。今回からお酒のレビューの構成を少し変更していきます。今後もよろしくです。

今回のチョイスは、茨城の明利酒類がつくる「水府自慢(すいふじまん) 10号 純米酒」!いやー、前回水府自慢 純米大吟醸 無ろ過原酒を飲んで以降、ぜひとももう一度飲みたかったんだよね~。今回の純米酒は、菊池杜氏体制になって2造り目の商品となる。ラインナップ的には唯一の純米酒で、一番安い普及価格帯のお酒のようだ。

明利酒類というと協会10号酵母発祥の地(分離した場所)。このお酒はもちろん10号酵母(正確には明利小川酵母)を使って醸されていて、名前にもラベルにも大々的にアピールしている。しているけど、ラベル地味!(笑) 明朝体っぽい10の文字に、妙にラベルの紙質が安っぽくてモノクロコピーみたい。いやー、むしろいいね!

6号酵母発祥の新政No.6や、7号酵母発祥の真澄のMIYASAKAがめっちゃ金かけたデザインなので、見劣りする見た目かもしれないけど、ちゃんと消費者に伝わればいいんですよ。今後ともこのデザイン、使って欲しいなぁ。

◆低アルコールならではの、しなやかな白桃の香味にうっとり

味は一言で言うと軽い食中酒。香りも味もピーチっぽさがはっきり出ていて、ライトなフルーティ酒好きにはたまらないところ。いろはすピーチ味を想像するといいぞ。食前に飲んでも十分いいんだけど、やはりコイツの真価は食事中。うま味系の食事に反応して、酸がピシッと立ち食中に映える。よいの~。

いやー、うまいですね。僕の好みです。ありそうでないのが、こういう華やかで淡い吟醸系食中酒なんですよね。僕が紹介してきた中では、新澤醸造店の伯楽星あたごのまつが近い。この水府自慢はアルコール度が14%と低めなので、よりいっそう食事の邪魔をしない。値段の設定といい、毎日飲んでみて!と言ってる蔵元の顔が見えそうだ。

◆10号酵母の魅力をもっと世間に広げよう

皆さん10号酵母を使ったお酒って、なにか思い浮かぶものあります?僕は寡聞にしてほとんど知らず、せいぜいあの「くどき上手」がメインで利用してることぐらいしか挙げられません。10号から派生したM310は鑑評会でも人気の酵母ですが。

10号というと高い吟醸香適性がありつつ酸度が抑えめになる特徴があるそうですが、この水府自慢は酸味バッチリの仕上がり(H28BYの純米大吟醸と同じく原酒?)。つくづく日本酒はつくる人しだいだなぁと感じ入りました。

日本酒は技術の蓄積が有効なので、10号による醸造の実績が増えていけば、さらに日本酒のバリエーションが増えていくのではないかなぁと思ってます。協会9号酵母のお酒が市場に多い理由は、先人が積み重ねた経験がテクニックとなり、新しいつくり手に受け継がれていったという事実があるのです。

ぜひとも売れて欲しいですな「水府自慢 10号 純米酒」!10号酵母うんぬんを除いても上質なお酒。食中酒好き、ライトフルーティ酒好きはぜひとも探してみてください!

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名称
:水府自慢 10号 純米酒(H29BY 火入れ)
精米歩合:66%
酒米:五百万石
アルコール度:14%
日本酒度:±0
酸度:1.9
蔵元情報:明利酒類 株式会社(茨城県
購入価格(税込):1296/720ml
購入日:平成30年3月31日
購入店鈴木屋酒店(神奈川県横浜市)
各種数値はこちらを参照しました







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