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こんなタイプ:
蔵元で熟成されたお酒をさらに酒屋で熟成した大古酒。アルコール度の高い原酒なのに、びっくりするほどまろやか。完熟した日本酒とは、まさにこのお酒のこと。

お酒の特徴:純米酒、原酒、蔵元で8年熟成、さらに酒屋で15年熟成、チョコレート味、蒸留酒的、火入れ

僕の評価:75点/100点(見事に枯れた理想の古酒。熟酒はこうじゃなくっちゃね)

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このブログ読んでる皆さんは、休日を使って酒屋を5軒、10軒と梯子するぐらいわけないと思いますが、20軒に1軒ぐらい古酒に妙~なこだわり持ってる酒屋さんに出会いませんか?店主が熟成について恐ろしく詳しく、話してるとバックヤードからどんどん自家熟成のお酒を出してきて勧めてくれるような。なにがアナタをそこまで駆り立てるんだぁ!と言いたくなる場合も多々ありますよネ。

今回のお酒も、そんなキマってしまったナイス店長におすすめされて購入したお酒です。福井の舟木酒造がつくった「富成喜(ふなき) 純米 古酒」であります。2年前の夏休みに訪問した三軒茶屋のお店が、このお酒の名前を借りてましたね~。メインの銘柄は北の庄というものだそうです。このお酒を買った後に香港・マカオ行ったら、マカオに北の庄が妙に充実したスーパーがあってちょっと笑いました。なんだったのだろう、あれ。

もともと熟成して出荷される商品で、瓶詰め時点で8年熟成(おそらく常温熟成)しているお酒を、酒屋で15年熟成させたやりすぎなお酒です。蔵元での熟成の約3倍時間経ってますよ!しかも原酒。酒屋でも室温で保管されていたはずですね。こりゃ~期待できますよぉ。

◆開栓して、さらに放置してからが本番

色は当然真っ茶色。味はチョコレート×紅茶とでも言えばいいのかな、10年を超える古酒特有の素晴らしい熟し感です。いや~、これ凄いよね。アルコール度は18~19度にもなるのに、驚くほどすっきりしてるんですよ。もちろん強いアルコール感はあるのだけど、後味がスッと消えていくからかな。チョコレートの甘さも濃いのだけど、ベタつく感じが皆無で飲み続けるのが苦じゃない。

ウィスキーとかもそうだけど、長期熟成したアルコールにしか出せない落ち着きとまろやかさがありますよ。ちなみに、長期熟成古酒は開栓してすぐにはおいしくないらしくて、購入した酒屋の店長さんに「熟成年数×3日は開けた後放置したほうがいいよ」とアドバイスされました。去年の12月に開栓して、今年の5月ぐらいに飲んでます。温度は断然常温ですね。

◆古酒よ、もっと広まれぇ!

やっぱ古酒はいいよな~と、再度確認できたお酒でした。熟成古酒って普通の日本酒の常識が通じないんだよね。この前、ワインのカクテル用にクレーム・ド・カシスを買ったのですが、Twitter経由であのGEM by motoの千葉麻里絵さんに「カシス、枯れた古酒に混ぜるといいですよ」とアドバイスいただいたのでこのお酒でやってみたのですが、これがイケるんですよ。

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ほんの数滴垂らしただけなんですが、カシスの酸味が富成喜の甘さを引き立てて、ぐっとモダンな印象のお酒になったんですね~。これ、古酒ならではだなと思います。土台ががっちりしている古酒は、ちょっとお酒を混ぜただけじゃ崩れたりしないので、こういう楽しみ方すらありなんですね。

この記事の冒頭に書いたように、一部の酒屋さんは古酒のこういう面白さにやられちゃってるのでしょうね~。うんうん、わかります。これだけ楽しいのに、知名度はやたらに低いのが残念ですが、古酒専門の試飲会や酒屋も出てきて盛り上がっている日本酒古酒界隈。いや、ほんと一部でだけなのが悔しいけど!僕も普及に力添えしたい!

「富成喜 純米 古酒」、製造年月日が古いの見つけたら掘り出し物です。ぜひとも買ってみてください!

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名称
:富成喜 純米 古酒(H6BY? 原酒 火入れ)
精米歩合:60~65%
酒米:五百万石100%
アルコール度:18~19%
日本酒度:+4~+5
酸度:1.6~1.7
蔵元情報:舟木酒造 合資会社(福井県
購入価格(税込):2580/720ml
購入日:平成29年12月2日
購入店遠州屋酒店(神奈川県横浜市)



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