こんなタイプ:精米歩合18%という超高精白のお米で醸した最高級酒。あらゆる雑味を排除した甘さに、圧巻の滑らかな舌触り、非凡なうま味の膨らみ。日本酒の技術の粋が集まったお酒だ。
お酒の特徴:楯の川酒造が醸造を担当、超高級酒、出羽燦々、職人技、純米大吟醸、トロトロムチムチな甘さ
僕の評価:95点/100点(完璧に狙い通りにつくれてる。今の日本酒の凄さが味わえる逸品)
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はい、待たせたな!2018年4月に突如クラウドファンディングで先行発売がスタートした話題の高級酒「SAKE100(サケハンドレッド) 百光」のレビューをお届けしますよ~。百光は「ひゃくこう」ではなく、「びゃっこ」と読みます。
そのお値段、なんと4合16800円(税込)!!1680円じゃないですよ、16800円です!(大事なことなので2度書きました) いやもう、なんとも目ん玉が飛び出るお値段です。告知があった時、誤字じゃないかと二度見しちゃいましたよ(2020年11月現在では27500円!)。
企画元は、日本酒メディアSAKETIMESを運営する株式会社Clearというところです。曰く、「日本酒市場はコスパに優れる低価格帯ばかりで、グレードのバリエーションが少ない。それでは世界に出て戦っていくには頼りなさすぎる。今こそ高級日本酒市場をつくりあげ、日本酒の価値を引き上げるのだ!」くー、かっこいいじゃないか。その挑戦、のったぜ!ということで、清水の舞台からマリアナ海溝に落ちる覚悟で応援しちゃいましたよ。このチャレンジの詳細は、ぜひ公式のページでご確認ください。
醸造を担当するのは山形の楯の川酒造なんですが、これが購入を決断する最後の決め手でしたね。ここは高精白の高級酒に実績がたくさんありますから、あ、信用できるなって。なんせ去年はあの精米歩合1%のお酒を出しましたし!これは1本10万円ですがね!(白目)
◆日本酒の技術、全部ぶっこんだお酒
精米歩合18%という、あの獺祭の二割三分をも超える磨きまくったお米でつくられた百光、その味も期待を裏切らないものです。とにかく味がトロトロ、抜群の滑らかさ!そして甘味と旨味がぶわぁぁぁぁって膨らむ。なんというか、ムチムチ、美女の太ももに霧吹きを吹きかけたかのような艶めかしさだ!こんな例えを許して!
甘みには一切の雑味がない。純米大吟醸らしい、いやそれ以上の「水のような」甘さです。現代日本酒の魅力に、高精白米によるなんとも言えない切ない甘さがあるけど、それが十全に味わえます。ほんと、これ凄いよなぁ。この百光は上に書いたムチムチトロトロ感があるので、水っぽいで終わらないのが素晴らしいです。余韻は酸味苦味がやや多めに出てしまうんだけど、こんだけ高精白だとボディがどうしても軽くなるから、致し方ないところでしょう。
ちなみに開栓後2日目以降は、山形っぽい個性が出てきてこれも良いですね。甘みがぐっと前に出てきて、うま味と酸味が後退する感じ。出羽桜やくどき上手、十四代などを思い出してくれるとちょっと伝わるかな?僕は開栓初日のクリアー感が好みでしたが、これは人それぞれでしょうね。10日ほどで飲みきったのですが、味が急速に劣化することもなく1週間ぐらいは大丈夫そう。丁寧な熟成と火入れの成果ですね。
◆世界よ、これが日本酒だ
さて、この百光、そのお値段に値するお酒か?という問いがあるのですが、僕は「その問い自体が無意味」って思いますね。なぜなら百光は、僕らのような日本酒ファンに向けられた商品じゃないからです。
熱心な日本酒好きなら、このお酒よりコスパが良くおいしい高級酒をいくつも挙げられるんじゃないでしょうか。而今純米大吟醸NABARI、黒龍石田屋、十四代龍月などなど、ここまで有名じゃなくてもたくさんあると僕も思います。それらに比べるとこの百光、お値段も高く積み重ねた評判もありません。
じゃ、いったいなんのためにこのお酒は存在するのか?それは「人に、世界に日本酒を紹介するため」にあるのです。
例えば日本酒に詳しくない、でも自分にとって大切な人に日本酒を飲んでもらう場合、お値段どうこうよりも、「外さない」ことのほうが重要ですよね。それが海外の方ならなおのこと。このお酒はその点で完璧です。日本酒という文化を知ってもらうためのお酒だと僕は思います。値段の圧倒的な高さは、その高価さも含めて必要なものなのです。フランスで言うならドン・ペリニヨン。明らかに高いけど、最良を味わえる。これです。
「SAKE100 百光」、自分のために買うことはもうないと思いますが、大切な人のためには次もぜひ買いたい、そんな新しい日本酒でした。飲む機会があったら、ひたむきに味わってみてください。今の日本酒の粋が詰まってますよ。
名称:SAKE100 百光(H29BY 火入れ 純米大吟醸)
精米歩合:18%
酒米:山形県産出羽燦々100%
酵母:不明
アルコール度:15.5%
日本酒度:-2
酸度:1.3
アミノ酸度:0.7
蔵元情報:楯の川酒造 株式会社(山形県)
酒米:山形県産出羽燦々100%
酵母:不明
アルコール度:15.5%
日本酒度:-2
酸度:1.3
アミノ酸度:0.7
蔵元情報:楯の川酒造 株式会社(山形県)
購入価格(税込):16800円/720ml(2020年11月現在27500円)
購入日:平成30年7月10日(到着日)
購入店:Makuake(クラウドファンディングサイト)
ピュリニー・モンラッシェと百光の飲み比べ記事はこちら!購入店:Makuake(クラウドファンディングサイト)
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