こんにちわー、お酒ミライの神奈川建一です。
先日、「SAKE100 百光」という超高級な日本酒を購入してしまった僕(お酒のレビューはこちらの記事をどうぞ)。そのお値段、16800円(税込)!よっちゃんイカ(15g)が311個も買えてしまう価格。何が彼をそこまで駆り立てたのだろうか?誰か僕に教えて、ティーチ・ミー!
そして、どうせ頭のネジが外れたのなら、さらに外してしまえとばかりに、高級なワインを購入してきました。その名も「2015 ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・フォラティエール/フィリップ・シャヴィ(フランス白ワイン シャルドネ品種)」、呪文か、お前は!そのお値段、16500円(税込)。アホか、お前は!
このワインを買ってきた理由はただ1つ。「お値段が同じお酒だったら、ワインと日本酒どっちが感動するの?」というものです。嗜好品であるアルコール飲料、醸造酒とはいえジャンル違いのお酒を比べるなんて無謀なのは重々承知。しかし、アルコールバカとしては一度はやってみたいンですよ!
世界のトップに君臨するアルコールであるワインと、我らが誇り高き日本酒、どちらがより脳髄をシビレさせるのか?仮説を語り合うことはいくらでもできますが、実際飲み比べられる機会はそうそうないこのシチュエーション。何事もやってみないとわからない。さあ、諭吉を溶かすようなこの実験、さっそくやってみようじゃないか!
◆まずは選手紹介だッ
日本代表の日本酒は、「SAKE100(サケハンドレッド) 百光(びゃっこ)」。新進気鋭の高級酒専門ブランドです。醸造は山形の楯の川酒造が担当。同じく山形県産米の出羽燦々を18%という恐るべき高精白で磨いた超級純米大吟醸となっています。日本酒度は-2、酸度1.3、アミノ酸度0.7、とほのかな、しかし美しい甘さを予感させる見事なスペックです。アルコール度はもちろん15%。日本酒の黄金率であります。
対戦相手はフランス代表の「2015 ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・フォラティエール/フィリップ・シャヴィ」。これは世界一の白ワインをつくると言われるブルゴーニュ地方のピュリニー・モンラッシェ村で生まれた白ワインです。フィリップ・シャヴィさんが1級畑(プルミエ・クリュ)のレ・フォラティエールという畑で収穫されたブドウのみを使ってつくったということが、お酒の名前になっています。アルコール度は13.5%。これまた白ワインのドンズバな値じゃないでしょうか。(単体のレビューはこちらからどうぞ)
対戦日時は2018年の7月16日。猛暑が本格化しつつある横浜の片隅の部屋で、冷蔵庫でしっかり冷やした状態で行われた。さあ、この世紀の対決、その結果やいかに?
◆感動には質があるのです
結果から申し上げましょう。「この勝負、勝負自体が無意味でした」な、なんだってェェェェェェェ!!!???
いや、冗談じゃないです。真面目です。頼むから、その一升瓶を床におろして欲しいです。
どっちもとんでもないお酒でしたよ。百光は圧巻の滑らかさ、そのトロトロムチムチな甘さが絶品でしたし、ピュリニー・モンラッシェは極上の酸味とミネラル感に、柑橘系の香水を思わせる香り!ステキすぎる体験でした。
しかしですね、その感動の質、いわば方向性というものがまったく違ったのです。
この飲み比べをするまで、日本酒とワインを比べて語ることは可能だと思ってました。例えば良質チリワインの代名詞である「コノスル」と「仙禽」を飲み比べて、「ふんふん、けっこう共通項あるなぁ。これマニアトークの題材になるぜ、ふふふ」なんて思ってました。
図にするとこんな感じです。
向いてる方向は違うけど、同じ醸造酒同士、けっこう近いよね?みたいに考えていたのです。
しかし百光とピュリニー・モンラッシェはこんな感じなんです。
お酒が高みに行ってしまうと、方向性の違いがとんでもなく大きな位置の差を生んでしまい、もはや共通項を探すことが不可能なのですね。では、その方向性とはなにか?「日本酒を飲むとつくっている人に思いを馳せることになり、ワインを飲むとそのワインが生まれた自然に感動する」ということではないでしょうか。
◆日本酒をつくるのは人、ワインをつくるのは自然
百光を飲むとその流麗な甘さにウットリしてしまいますが、これは最新式の精米機を利用して全体の82%もの部分を削り取ったお米がつくり出したもの。いわば人類の科学によって可能となったものです。科学とは人の知恵ですね。
またそんな超高精白のお酒を醸す技術も、現代になってようやく一般化した吟醸造りという新しいテクニックで成り立っています。数多くの杜氏、蔵人の努力の結晶なのですね。百光を飲むと、希代の職人が難しい顔をしながらお酒をつくってる様子が目に浮かんじゃうんです。
対してピュリニー・モンラッシェを飲むと、あ、外国の味だって思います。そりゃ当然なんですが、このお酒の凄いところは、そのブドウが生まれ育った地方、村、畑まで脳裏に浮かぶところなんです。いわゆるテロワールといやつですが、ワインを飲むとその国の情景が幻視できるなんて、まさかーアハハハハ、って言っていたらマジでしたよ!
これは言葉で伝わりにくいと思いますが、湿度最悪、室温30度オーバーの日本のボロアパートで飲んでも、「カラッとした空気に柔らかい日差し、ミネラルをたっぷりと含んだ数百年越しの地下水が育むブルゴーニュの豊かな自然~」なんてものが感じられちゃうんです。ちょっとしたトリップ体験。安酒じゃこの経験は得られません。
この2つの体験を一言で表すと「日本酒はスイス製精密機械式時計、ワインは富士山」って感じです。どっちも素晴らしいものですが、比べる意味はないでしょう?そう僕は感じました。
◆まだまだ道半ば
頭の悪いこの思いつき実験、いかがでしたでしょうか。納得!と感じた人もいれば、何言ってんだコイツ?みたいな感想もあるでしょう。僕自身、日本酒はようやっと初級に入ったぐらい、ワインに関してはド素人同然ですからね。一般的に言われてることとは違うかもしれません。
ただ思ったことは、お酒って表面から見えること以上に語りかけてくることがあるんだなぁということと、それは違う種類のアルコールを経験するとより深く理解できるんじゃないかな、ということです。よく言われることですが、論より証拠、やってみると理解度が全然違いました。今回はお値段という要素も積み増したおかげで、よりくっきりと実感できたんじゃないかなぁ。
こんなアホな記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでもお酒の面白さを感じてもらえたのなら嬉しいです。それではまた、ブログに遊びに来てください!
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コメント
コメント一覧 (1)
じゃあこの日本酒はそこまでいいお酒じゃないってことですね?笑