P1160248
味のタイプ:
ザ・淡麗辛口。味の後半に現れる酸味と苦味が導く辛口は絶品だ。純米吟醸である紅寿は、口当たりの甘みの膨らみも楽しめ、ドライではあるがシャープというよりリッチなテイストである。油モノの料理も余裕でこなす万能酒。

お酒の特徴:純米吟醸、炭素ろ過、もっと評価されるべき、真夏に飲むとうまい、五百万石、プレミアで買っちゃダメ

僕の評価:80点/100点(淡麗辛口が味気ない辛さだけのお酒だと思ってるのなら、この紅寿を飲んでみよう)

◆◆◆

今回は獺祭以上の知名度を誇るお酒、新潟の「久保田 紅寿(くぼた こうじゅ)」をご紹介です!獺祭が売ってないスーパーでも、年末になれば久保田だけは入荷しますもんね~。まあ、その久保田は吟醸の「千寿」な上にプレミア価格ですがッ。

もともと新潟系の淡麗辛口は再評価されていいと思ってたのですが、今回きっかけがあったので横浜君嶋屋本店にて買ってきました。現在の日本酒シーンで活躍している銘柄の多くが、画一的な淡麗辛口系へのアンチテーゼであるため、どーにも悪役にされやすいのが久保田。しかしシチュエーションが合えば、これほどいいお酒もないんですヨ!

この紅寿は純米吟醸で仕込まれており、千寿や萬寿に比べると見かける機会は少ないかもしれないけど、れっきとした通年商品です。嬉しいところは4合1620円(税込)という価格!新潟系のお酒は、純米吟醸になると1800~2000円ぐらいになりがちですからね~。久保田はプレ値のせいでどーにもお高いイメージですが、ちゃんと特約店で買えばリーズナブルなのです。

◆クールなキザ野郎だと思ったら、実は可愛いところもある

味は「キレッキレの辛口をたっぷり堪能できるが、意外と上品な甘さも楽しめる」といった感じでしょうか。そう、甘いんですよ!口当たりの加水由来の滑らかさに加えて、ふんわりとほのかな、でもしっかりとした甘さが楽しめます。あ~、こういう設計か~。これは僕みたいな軽いお酒好きにはたまんないですね!食中でも日本酒らしく味に反応して甘みが出ます。純米酒であることをしっかり意識してますね~。

吟醸である「千寿」は日本酒度が+5なのですが、この紅寿は+2。しかも精米歩合は千寿の方が高いんですよね(麹が50%磨き)。紅寿はお米のエキス分を活かした酒づくりだと思います。飲み比べたわけじゃないのですが後半の辛さによるキレも、千寿は強烈、紅寿はやや優しい印象でした。加えて、甘さの中にほんのちょっぴり苦味が混じってるので、甘さと辛さの橋渡しができてて、さすがやなぁと関心です。

香りは淡麗辛口特有の活性炭ろ過されたものですね。ろ過で取れない乳酸、アルコールの香りのみになるので、とても特徴的なんです。しかし、かすかに甘味を予感させる香りもあったり。いや、これは贔屓目に見過ぎか?(笑)色は凄く澄んでいるので、見た目も涼しげでいいですね~。

◆真夏のお酒は久保田でいい

これ、猛暑のど真ん中に飲んだのですが、すんばらしく季節にマッチしてましたね~。上記の通り甘いのですが、そこは淡麗辛口、全体の印象はやはりクールな辛口なのでクドクなく飲むのがとっても楽しかったです。

毎年いろいろな夏酒が発売されますが、日本酒は基本的に甘いものなので、夏の季節における飲みやすさは劣ります。いくら日本酒度をプラスにしても蔵元の酒質は変えられないものなので、「え、こんなに濃いのに夏酒言い張るの?」ってのもあったり。

そんな時は、ぜひこの「久保田 紅寿」をオススメします。その洗練されたキレはまさに真夏のお酒と言っていいでしょう!食中酒適性もしっかりある万能酒。飲まず嫌いでしたら、ぜひとも試してみてください!

IMG_1504
名称
:久保田 紅寿(H29BY 火入れ 純米吟醸)
精米歩合:麹米・55% 掛米・55%
酒米:五百万石100%
酵母:不明
アルコール度:15%
日本酒度:+2
酸度:1.1
アミノ酸度:不明
蔵元情報:朝日酒造 株式会社(新潟県
購入価格(税込):1620/720ml
購入日:平成30年6月2日
購入店横浜君嶋屋本店(神奈川県横浜市)



Twitterやってます。お気軽にフォロミー!
神奈川建一(@KanagawaKenichi) 

お酒ミライのFacebookページはこちら。いいね、もらえると喜びます!

Instagram始めました
神奈川建一