こんなタイプ:シャープな淡麗辛口味にフルーティな香りと味を合体させた、驚きのハイブリッド日本酒。まさか久保田がこんなお酒をつくるとは思わなかった。流行りのスタイルに合わせながらも、久保田らしさは微塵も失われていない。グッジョブな一品。
お酒の特徴:萬寿とは違うので注意、お値打ち純米大吟醸、化粧箱入り、若者向け、その割にはラベルがダサい、五百万石
僕の評価:80点/100点(新しい味として出色のデキ。もっと売れて欲しい)
◆◆◆
なんと今回も前回に引き続き久保田のお酒です!どうした、お酒ミライ?
いやいや、もともと新潟のお酒は好きなんですよ。八海山や〆張鶴のような淡麗辛口から、謙信や村祐のような濃密甘口系までけっこう飲んでます。最近はバランスの良いフルーティ系である加茂錦もいい選択肢になってますよね~。
今回ご紹介するお酒は「久保田 純米大吟醸」です。久保田の純米大吟醸というと、オジサンたちの憧れの1本「久保田 萬寿」が有名だけど、それとは別商品です。なんと25年ぶりにレギュラー商品(通年販売されるお酒)となったピカピカの新商品なのです!そのキャッチコピーは「香る、久保田」。
炭ろ過で日本酒の甘いアロマを根こそぎ消臭している久保田が、いまさらいい香り出しましただと?HAHAHA、寝言は寝て言えってンですよー。大体、普段ノーフルーティ酒つくっているところがあっさりつくれるほど、香り高いお酒づくりは簡単じゃないぜッ。なーんて考えていた時期が僕にもありました。
が、そんなヌルい考えは、友人に飲み会でこのお酒をブラインドで飲ませてもらって見事打ち砕かれました。さすが久保田、伊達に新潟一番の日本酒メーカーじゃないぜ。
前回、久保田の定番酒「紅寿」をレビューしたのも、実はこのお酒と比較するためでした。あっちは飲んでみると夏酒にめちゃハマるという別の発見があったので実に有意義でしたが、メインはこっちの純米大吟醸だったのです。
◆久保田なのに、久保田じゃない?
さて、飲んでみた感想は「いつものキレキレな久保田の味に、甘~い香りと味が綺麗に被さっているハイブリッド淡麗辛口」というものでした。いやね、ホント2つの味が見事に同居してるんですよ。いや、これは凄いんじゃないでしょうか!?言ってしまえば「甘口の淡麗辛口」。想像できないでしょ(笑)。
香りはしっかりフルーティなリンゴ系の匂いで、奇妙な酸っぱさとアルコール臭ばかりの淡麗辛口とは大違いです。そして味もストレートに甘い!この素直な甘さ、このお酒の糖度を感じさせますねぇ。じゃ、普通のフルーティ酒なのかって言うとそこも違う。お酒の余韻がまごうことなき淡麗辛口で、キーンって感じの新潟系らしい辛さがはっきり感じられるのです。
そして、この2つの要素が喧嘩してないのが素晴らしい。これ言葉で説明するのが難しいのですが、甘さと辛さの間をつなぐ味が上手なんですよ。よくぞここまでやったと思うなぁ。杜氏さんグッジョブです。これ、若い人きっと好きだよ!淡白な料理(白身魚とか)に合わせると、より甘みが増して幸福度もアップ。くー、たまんないねっ。
◆売り方が大いに疑問
このお酒、公式サイトにもあるように、若い人たちの好みに合わせてつくられたそうです。10年前に始めてくれよと言いたくなるけど、その意気や良しです。しかしですねぇ、売り方間違ってませんか?
まず、ネーミングがよくわからない。久保田と言えば○寿というパターンで商品名を付けるのが有名ですね。萬寿、千寿、百寿、紅寿、碧寿、翠寿、とそれぞれ趣がありつつ、数字で並べるところなんてドイツ自動車みたいに機能的でかっこいいです。
その商品群の中で、ただの「純米大吟醸」って名前はどうなのかと。なんか仲間はずれじゃないですか。独自性を主張?ならば「甘口の久保田」とかの方が、伝わりやすいんじゃないでしょうか。加えて同じく純米大吟醸の萬寿との違いがわからない。
あとラベルが全く代わり映えしない。せっかく新基軸の商品なのに見た目で判断できないってどういうことでしょうか?紅寿と比べても差がわかりません。せめて赤やピンク、紫のような色変えだけでもすれば、酒屋やデパートで相当のインパクトが得られたでしょう。ラベルデザインは、数少ないお酒のアピールポイント。そこで手抜きする理由がよくわかりませんね。
なんか、かなりの文句になりましたが、それぐらい良いお酒なんですよ、久保田・純米大吟醸。オールドファンには驚きを持って迎えられるだろうし、日本酒自体を飲んだことがない人が飲んでも間違いなく楽しいお酒です。しかもお値段は1695円(4合瓶・税込)。素晴らしいでしょ。
「久保田 純米大吟醸」、傑作なのでとっとと販売体制をリニューアルしてください。僕らも勧めにくいです!
名称:久保田 純米大吟醸(H29BY 火入れ)
精米歩合:麹米・50% 掛米・50%
酒米:五百万石100%
酵母:不明
アルコール度:15%
日本酒度:±0
酸度:1.3
アミノ酸度:不明
蔵元情報:朝日酒造 株式会社(新潟県)
酒米:五百万石100%
酵母:不明
アルコール度:15%
日本酒度:±0
酸度:1.3
アミノ酸度:不明
蔵元情報:朝日酒造 株式会社(新潟県)
購入価格(税込):1695円/720ml
購入日:平成30年6月2日
購入店:横浜君嶋屋本店(神奈川県横浜市)
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コメント
コメント一覧 (2)
私の印象に近い人はいるかな?と思い、辿り着きました。
全てに於いて同意です!
「甘口の淡麗辛口」、言い得て妙です!
ラベル、ネーミング。○寿でなにか考えればよかったのに。純米大吟醸じゃ萬寿と被りますよね。
フルーティーな久保田。驚きとともに感じる久保田の底力。
この先一升呑み干すのが楽しみです。
コメントありがとうございます。いや~、こいつはいい商品ですよ。お値段もお手頃ですしね。
あとは、もうちょっと消費者志向に会社がなってくれれば・・・と祈っておりますw