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味のタイプ:白麹を使った新政お得意の酸味系日本酒。今年(H29BY)は前年と違ってとんでもなく酸味過剰で、甘さが吹き飛んでる。味の後半は酸が強烈すぎて、むしろ痛いほど。さすがにやりすぎじゃないだろうか。

お酒の特徴:酸っぱさしかない、去年より白麹を2倍使用、大雑把すぎる、これならワインのほうがいい、H29BY

僕の評価:50点/100点(マニアックでありつつもバランス派なのが新政の長所だけど、これはない)

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今回のお酒は、みんな大好き新政から「新政 亜麻猫(あらまさ あまねこ)」をご紹介。これはH29BY(酒造年度)のものです。去年も同じお酒を飲んでまして一昨年は中取りの亜麻猫を飲んでますね。何が言いたいというと、僕の大好きなお酒だということです!強めの酸味とキュートな甘みの奇跡的なバランスが大好きなのです。特に去年のは実に良かった・・・。昔の記事読みましたが、「尊い」とまで書いてますね(笑)。

やはり日本酒は甘さが基本でして、この甘さをどういう種類のものにするか考えて、酸味・苦味・うま味とどうバランスを取るかが杜氏の腕の見せ所なわけです。亜麻猫の「素直な甘さ×クエン酸系のフルーティ酸味」は、僕的にベストな組み合わせなのですよ。

新政は毎年味がいろいろ変わりますが、H29BYはエクリュもすっごく良かったし、当然亜麻猫も期待してました!裏ラベルを見ると「白麹を100%増量したよッ(意訳)」と書いてあります。白麹を2倍?それって2倍酸っぱいの?うーん、あれ以上酸っぱくするのか、どう調整するんだろ。でも、新政だから大丈夫だよね。よし、飲んでみよう!

◆味が1要素しかない日本酒

結論は冒頭に書いちゃってますが、こりゃやりすぎです。日本酒である意味がなくなってますよ。味を説明すると「ハリネズミのような刺激感ある酸味が甘みを押しつぶしてしまって、味が酸一色になっている。後半は刺激が痛すぎてアルコールより目立つ」という、バランスのバの字もないようなタイプでした。

今までの亜麻猫は、単独で飲んでその美しさにうっとりするタイプでして、純米酒というより大吟醸のようなお酒だったのです。しかしH29BYの亜麻猫は、酸度極振りの単一味のお酒になっているので、単独で飲むなんて無理!料理とペアリングしないと飲めたものではないです。甘さが足りていないので、さつまいもの甘煮に合わせて甘味をおぎなったら、かなり良かったですね。

新政は日本酒の4要素(甘さ、うまさ、苦さ、酸っぱさ)の内、うまさと苦さを極小にして酸味と甘味でモダンなお酒をつくるのが得意なのですが、そこから甘さを抜かしたらそりゃ酸っぱいだけになりますわ!お酒としての完成度は、めっちゃ下がってます。これはいけません。

◆革新にも良いものと悪いものがある

イノベーションの権化である新政ですが、この方向転換はダメですね。いくらなんでも極端すぎます。全く別物になってますよ。いままでのファンは、頭にクエスチョンマークが浮かんでしまいます。味噌汁だと思って飲んだら、醤油でした!みたいな体験ですよ。お酒単体で味わえるのが亜麻猫のいいところだったのですが・・・。

極端な味のお酒は、それはそれで存在価値があります。ペアリングで力を発揮しますし、このH29BYの亜麻猫もきっとそういう飲み方ができる。しかし、なにも元々バランス型であるお酒を崩してつくらなくても。それならば別商品を企画したほうが良かったのではないでしょうか。

「新政 亜麻猫」、残念ながらH29BYはおすすめしません。昔の亜麻猫を知っている方には特に、ですね。来年は元に戻ってることを願ってます。

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名称
:新政 亜麻猫(H29BY 火入れ 純米酒)
精米歩合:麹米・50% 掛米・60%
酒米:あきた酒こまち100%
酵母:新政酵母(6号酵母)
アルコール度:15%
日本酒度:不明
酸度:不明
アミノ酸度:不明
蔵元情報:新政酒造 株式会社(秋田県
購入価格(税込):1749/720ml
購入日:平成30年6月6日
購入店KISSYO トレッサ店(神奈川県横浜市)



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