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味のタイプ:低アルコールで醸された純米吟醸原酒のお酒。甘さ控えめのさじ加減が絶妙で、真夏にグビグビのんであっという間になくなってしまった。現在の首都圏日本酒シーンの半歩先を行く、見事なトレンド酒だ。

お酒の特徴:一回火入れの低アルコール原酒、新潟ニューウェーブ、甘さ控えめ、でもドライというほどではない、越淡麗、夏酒にピッタリ、バランスタイプ

僕の評価:80点/100点(とにかく飲みやすく、すぐに無くなってしまった。夏酒として最高)

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今回のご紹介日本酒は、久保田に引き続き新潟のお酒です!大洋酒造がつくる「無想(むそう) 純米吟醸生詰原酒 心静」であります。「しんしん」と読めばいいのかな?やっぱり新潟は日本一酒蔵がある県ですから、たくさん日本酒があっていいです。この無想も、新潟の懐の深さを感じさせる1本ですよ。これも友人からセレクトしてもらったお酒になります。

大洋盛で有名な大洋酒造が、H27BYから販売している新規の銘柄だそうで、見た目からして流行を意識した都会向けのブランドです。老舗のメーカーが銘柄名変えてトレンド意識したお酒を出すのはいい戦略なのですが、正直「またか~」という感じもありますね。食傷気味というやつです。この無想も、試飲したこともあるのに、スルーしていたのはそういうのが原因だと思います。飲んでみないとわからないアルコールという商品の宣伝って、ほんと難しいですよね。

このお酒の最大の特徴は、アルコール度15%の原酒というところですね。発酵を失活させて加水しないままリリースされる低アル原酒は、甘みが残存するところや、水を加えないがゆえにお米のエキス分がたっぷり味わえる点が最大のメリット。仙禽や新政が十八番にしている手法ですが、最近は珍しくないのも事実。はてさて、この無想はどう魅せてくれるのでしょうか?

◆これは新潟魂が宿った新しいトレンド酒!

飲んでみた感想は「淡麗だけどうま味・酸味があり、ドライだけど甘さもあり、軽いけど芯もしっかりしている味」です。何を言ってるのかわかんねぇ!

淡麗辛口のようなライトな辛さでもなく、秋田NEXT5のようなトレンドバリバリな酸味甘みでもなく、アルコール度10%前半系の低アルコールのような軽すぎる感じもなく・・・でもめっちゃうまい。なんというかすっごい中庸なんですね。バランスがいいんです。味の組み合わせがいいお酒は他にもいろいろあるけど、ここまで個性を保ちながらレベルの高いバランスを備えてるのは凄いですよ。美酒の設計とか、そっち系の迫力を感じます(味は違いますけど)。

ポイントは甘みよりうま味が強く出てることですね。これがお酒のバランスに貢献しています。原酒で出す意味がしっかりありますね~。アミノ酸度は高めじゃないかな。それでいてアルコール度は15%なので、お酒が進むこと進むこと!春ぐらいに発売された商品みたいですけど、真夏に飲んだらヤバかった。マッハで無くなりましたよ。

香りも綺麗に各要素が出ていて、美しいんですよ。実にモダン、都会派。初めて飲んだ時はホテルのバーに似合いそうだなぁ、という印象を受けました。これでイメージ伝わるかな?

◆新潟勢の巻き返しに期待

いやー、避けてた自分が恥ずかしくなるぐらい完成度高いバランス酒でした。季節モノらしく、春から夏にかけて飲むと最高でしょうね。新潟もいいお酒が出てきたなぁと感心です。ここ数年で、加茂錦久保田の純米大吟醸とか新しい流れがきているんでしょうね。

しかし、いまさらかよ!というのも正直なところ。東北のお酒があんなに盛り上がっていたのに、ようやっと動いてまだほんの少し、というのも事実でしょう。新潟はちょっと閉鎖的なのがいけません。市場が縮小しまくってる時代に、新しいこと目指していかないと先がないです。お酒つくる技術は本当に高いのですから、皆期待してるんですよ?

「無想 純米吟醸生詰原酒 心静」、新潟ニューウェーブという名がふさわしい、完成度が高い美酒でした。ぜひ別の商品も飲んでみたいですね。

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名称:無想 純米吟醸生詰原酒 心静(H29BY 一回火入れ)
精米歩合:55%
酒米:岩船産越淡麗100%
酵母:不明
アルコール度:15%
日本酒度:不明
酸度:不明
アミノ酸度:不明
蔵元情報:大洋酒造 株式会社(新潟県
購入価格(税込):1474/720ml
購入日:平成30年7月21日
購入店:シークレット




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