P1160498
味のタイプ:
甘みとうま味と辛さが拮抗した、ハイパーバランスいい系日本酒。こういうお酒はつくるのが難しく、そうそうお目にかかることがないので貴重。ぜひともワンランク上の食事を用意して堪能しよう。

お酒の特徴:春先には生酒も販売、名前が最高にイカス、実は原酒、秋田酒万歳、やや入手困難、お菓子系日本酒、意外と辛口

僕の評価:90点/100点(やはりトップレベル。真似しようと思ってもできないでしょう)

◆◆◆

さあ、きました!当ブログ2年ぶりの登場ですっ。「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ) 美酒の設計 純米吟醸 火入れ H29BY」です!いやー、ようやっと入手しました(秋田県在住の友人経由です。あざっす!)。いつも買えていたところで買えなくなって以降、縁がなかったんですよね~。小ネタですが、渋谷の十徳というリーズナブルな日本酒酒場では、ほぼいつでも美酒の設計が飲めます。興味のある方は行ってみてくださいね。

こちらのお酒は、雪の茅舎という銘柄が主力の齋彌酒造店(秋田県)が販売する特別仕様の日本酒です。面白いのは、この商品は1種類しかなく(生酒、火入れのバージョン違いはあり)、例えば「美酒の設計 純米大吟醸」とか「美酒の設計 特別純米」などは存在しないのです。よっぽどこのお酒に自信があるんですねぇ。スペック上は特別目立ったところはありません。このお酒の凄さは、数値に表れないところにあるんですよ、ふふふ。

今回は秋田の友人のアドバイスに従って、開栓後長期間かけて味の変化を探りながら飲んでみました。なんでも味が良い期間が相当長いのだとか。こういう華やかなタイプで持久力があるお酒はとても少ないので、じっくり観察してみました~。

◆なんでこんなに美味しさが続くのか!?

味は「ムッチリしたトロみがマシュマロをイメージさせる、超バランス系甘辛日本酒」です。いや~、これぞ美酒の設計ですね!このマシュマロ感をつくっている滑らかさは、熟成した吟醸酒の特権のようなもので、飲んだ印象をめちゃくちゃ良くしてくれます。最近だとSAKE100の百光がたっぷり含んでいた要素ですね。

あと美酒の設計は甘辛なんですよ!ふんわりとした甘さの後に、しっかり鋭い辛さがある。このさじ加減、絶妙やわ~。みたらし団子のようなコクを感じます。甘口派も辛口派も満足しちゃうような中庸感。そりゃ、誰が飲んでもおいしいわけですよ。この感じは久保田の純米大吟醸にもありましたね。最近僕が大好きなタイプの味です。

さて、開栓後の味と香りの変化ですが・・・これが見事に長持ち!2週間はまったく問題ないですね。開けてから2日ぐらいは香りがやや尖っているのですが、その後まろやかな甘味を予感させる匂いになります。やー、美酒の設計は香りも半端ないっすね~。個人的な表現ですが、クリスタル感とでも言うようなものがあります。香りがキラキラしてるんですね。アルコール度も16%だし、このぐらいが吟醸香を楽しむには最適なんでしょう。

最終的に開栓から27日後に飲みきりました。さすがにここまで引っ張ると歪みが出てきて、味の後半に不必要な苦味が出てきます。まあ、これはしょうがないでしょう。この手のフルーティな吟醸酒で2~3週間楽しめるなら全然OK。一升瓶で買っても大丈夫ですよ、皆さん!

◆こういうお酒が一番難易度が高い

美酒の設計、今回も高次元のバランス感覚を見せつけてくれました。やっぱり甘辛が同居してるところに、僕はハートを撃ち抜かれちゃうなぁ。いろいろな要素がありつつも、お互いが極端ではなく、調和して存在している・・・パーフェクト酒として多くのファンがいるのも頷けるお酒です。

こういうお酒こそ、つくる難易度が高い日本酒なんでしょうね。長期間味が保つところも含めて、黒龍のお酒づくりを彷彿とさせます。この2つのお酒に共通する要素の謎、いつか理解できるようになりたいなぁ。

「雪の茅舎 美酒の設計 純米吟醸 火入れ H29BY」、合わせる料理は精一杯いいものを用意してください。きっと至福の時間を過ごせますよ。

IMG_1992
名称
:雪の茅舎 美酒の設計 純米吟醸 火入れ(H29BY 原酒)
精米歩合:55%
酒米:兵庫県産山田錦100%
酵母:自社培養酵母
アルコール度:16%
日本酒度:+2
酸度:1.4
アミノ酸度:不明
蔵元情報:株式会社 齋彌酒造店(秋田県)
購入価格(税込):1890/720ml
購入日:平成30年8月4日
購入店:秋田県より直送







Twitterやってます。お気軽にフォロミー!
神奈川建一(@KanagawaKenichi) 

お酒ミライのFacebookページはこちら。いいね、もらえると喜びます!

Instagram始めました
神奈川建一