こんにちはー、お酒ミライの神奈川建一です。

先日東京の人形町にて開催された「秋の秘蔵中の大熟成古酒・試飲会2018」に参加してきましたので、レポートをお届けしますッ。

こちらのイベントは、日本中のお酒を古酒にすることを目論む悪の秘密結社日本酒の熟成古酒の普及と製造技術の向上を目的としている長期熟成酒研究会が主催の試飲会です。去年も春に開催された会に行っているのですが、これが実にいいんですよ皆さん!今回もこの良さを伝えるために、不詳、私めがレポートさせていただきます。

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場所は人形町駅から歩いてすぐの綿商会館。いろんな催し物が開催できるビルですが、他のスペースが試験やら将棋の予選やらで使用されているのに、最上階にはこのようにクレイジーな同士達が集結しております。前回もそうだけど、日本酒の古酒にラブな人達がこんなにたくさん集まるなんて、腰を抜かしそうなほど驚きです!

当日は20蔵+1店舗が集結。その出し物全てが黄金色の熟成古酒というのだから、集まった変態の皆さん(あ、言っちゃった)にはたまらないごちそうです。今回はコンパクトなスペースにギッチリ蔵元さんが集まっていたので、非常に回りやすかったですね。そのおかげでかなり飲めたので、その中でも指折りのものをご紹介しましょう!

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まずは京都・伏見から玉乃光。えー、玉乃光が熟成古酒!?と不安になったアナタ、ご安心ください。玉乃光の出品酒はドス黒かったりすることはなく、清涼な透明のお酒です。3品出品されてましたが全部氷温熟成のものなのですね~。どのお酒も吟醸酒の熟成酒なので、実にまろやか。

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僕はこの「純米大吟醸 備前雄町 熟成古酒シルバー(3年貯蔵)」が良かったですね。柔らかくてお米の甘さが上手に出てました。

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和歌山からは黒牛です!「黒牛 純米吟醸 H26BY」、3年熟成ですね。蔵元の方は、他と比べるとまだまだ若いお酒とおっしゃってましたが、こいつはそれがしっかりと個性になっていました。古酒と新酒の中間みたいな味がイカしていたんですよね~。アタックの強さ、香りの濃醇さ、なめらかな飲み口、グッドバランスです。

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「一ノ蔵 Madena2013」、これ前回感動したやつ!今回も来てました~。マディラワインを参考にした製法でつくられる一ノ蔵渾身の新商品。5400円(720ml)という価格にもかかわらず、僕が参加した第二部ではすでに現地販売が終了していたというのが凄い。酸が高い系熟成酒なのですが、甘さのタイプが実に独特で確かにこれは売れるわという味。酸味のおかげで飲みやすいので、古酒初心者におすすめですね。

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兵庫県から沢の鶴~。え、古酒つくってたの?というのが正直な感想ですが、ずらりとお酒を用意してくれました。5種、熟成年度順に並んでいたので、てっきり同じお酒のBY違いかと思ったら、全部つくりが違うと知ってびっくり!純米酒、生もと造り純米酒、生もと造り純米酒オーク樽貯蔵、純米大吟醸、純米吟醸、とバリエーション豊か。年数と造りにしっかり根拠があるのが凄い。さすが大手、パネェぜ。味もキャラクターが立っててびっくりですよ。

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そうそう、長期熟成酒研究会のイベントは、多くの出品酒を買って帰れるのがいいです。これ、ニーズあるけど意外と他のイベントでは見かけないですよね。冷蔵設備とか在庫の関係でしょうがないんですけど。しかし、我らが熟成古酒は冷蔵設備不要、売れ残ってもむしろ価値が上がる等、試飲会直販に最適な性能を備えてます。なんつーか、古酒最強じゃね?なんで売れないの、世の中間違ってない?と感じちゃいますわ。

ちなみに今回は、スクエア端末によるクレジットカード払いにも対応していたみたいです。ますます便利になってますねぇ。

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山形の朝日川。どっかで聞いたお酒だな~と思っていたら、このブログでレビューしてました。謝れ自分。その時は普通酒だったけど!

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ここのはこの「朝日川 酒母四段古酒2000」が良かったですね。生もとの純米酒を四段仕込みしたものだそうで、他の熟成酒とは違う味がしっかりつくれてました。メジャーどころと伍して頑張ってるなぁと感じました。

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古酒は任せろ!な、花垣さんです~。やはりここは表現が上手ですよねぇ。推しはこの貴醸酒の熟成酒シリーズ(BY違いで4種類)。一番ウケがいい7年熟成を中心として、4本全部に明確な役割があるのが素晴らしいです。このあたりは、さすがパイオニアの貫禄ですね。いま自宅に10年熟成のヤツを貯蔵しているので、近々開けてみたいです。

さて、20+1の蔵元が参加した今回のイベント、僕的最高の1本は・・・「達磨正宗 十年古酒」に決定しました!で、写真撮り忘れました(アホー!!!)。幸いパンフレットを貰っていたので、そこから引用です。ほんまスンマセン。

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このお酒、10年以上熟成の古酒(本醸造、純米含む)をブレンドしているのですが、めちゃくちゃ奥深い味でした。5年古酒も出品しており、そちらはインパクトのある派手な味でしたが、十年古酒の落ち着いた味に潜む複雑さの方が魅力的でしたね。アルコールの刺激がほとんどなく、コーヒー、紅茶、麦茶といったお茶類の味がぎっしり詰まってるかのような味なのです。いやー、これは素晴らしい、普通の古酒とは明らかに別物ですね。ブレンドは熟成酒の味を大きく飛躍させる技術ですが、さすが達磨正宗、専業なだけあって、素晴らしい技術です。

最後に鑑定団さんのブース。個人で保有している熟成酒を出品しているそうだけど・・・?
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なんかどっかで見たことのある古酒が並んでるなぁ(笑)。聞いてみたらやはりSAKE UNDERGROUNDでお酒を提供していただいた方だそうです。ブラジル産日本酒の古酒なんて、日本で保有している人この方だけでしょうねっ。曰く「世界最後の1本をご提供」がモットーだそうです。このイカレ具合が許されるのも、長期熟成酒研究会!

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今回も2時間みっちり楽しませていただきました。出店者もマニアックなら客もマニアックなので、同好の士が醸し出す心地よい空気が魅力のイベントですね。今回はプレミア酒を持ち込む蔵元さんがけっこういて、そのお酒は500円の有料試飲なのですが、いいアイデアだなと思いました。古酒は超高級品も珍しくないので、そうそう飲む機会がないお酒もたくさんあります。そのお酒を有料とはいえ格安で体験できるのは、まさに試飲会の役割を果たしていると言えましょう。

熟成古酒は、マイナーな日本酒の中でもさらにニッチなジャンルです。でも、ジャンルの幅広さがその文化のレベルを引き上げると僕は思ってます。なので古酒って日本酒において凄く大切なんですよ。こうやって大きなイベント開いて、必死にアピールするのって重要な活動だと思います。長期熟成酒研究会、これからも応援してますぜ!今回はありがとうございました!




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