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味の傾向:
爽快な酸味がきいたフレッシュな新酒。典型的な搾りたての日本酒であり個性的ではないが、いいんです、冬にはこういうお酒が飲みたいんだよ!と言い切れる素敵な一品。

お酒の特徴:新酒の一番槍、香り高い純米酒、特別純米、乾杯酒にぴったり、無ろ過生原酒、原酒の割には落ち着いたアルコール度(16%)

僕の評価:75点/100点(まさに秋田の新酒の味。良い)

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正月気分も抜けて皆さんいかがお過ごしでしょうか?神奈川建一です。新年明けたとはいえ、我が家では新酒を消費する簡単なお仕事が山積みであります。今回もそんな中から一本ご紹介。秋田の「出羽鶴(でわづる) 純米新酒生 新酒初しぼり H30BY」であります。これも秋田の友人からの直送品です。

出羽鶴は秋田清酒株式会社がつくるお酒で、東京や神奈川では見るような見ないような、メジャーでもマイナーでもないようなポジションの秋田酒な印象です。同じ会社が醸す「刈穂」や「やまとしずく」の方が見かける気がしますね。まあ、秋田は層が厚すぎますから、しょうがないんですけどねぇ。一軍のみならず、二軍三軍まで粒ぞろいなんだから、酒飲み泣かせです。

今回のお酒は新酒の第一弾として11月ごろに発売される商品でして、気持ちのいいぐらい典型的なスペックです。公式HPによると(商品の説明が素晴らしい!)、生酒の原酒でアルコール度16~16.9%、特別純米、中辛口タイプ、日本酒度+2、酸度1.6、精米歩合60%というもの。コメントとして「搾りたてをその場でビン詰めしたので、のどごしに微炭酸的な爽やかさを感じます」とあります。もう外しようがないぐらい新酒なアトモスフィアを漂わせています!いいですね~。

◆ストレート150キロ、剛速球な新酒

味は「シュワシュワの微炭酸にくっきりした甘酸っぱさ、後半は酸味・苦味・刺激の豪快な爽快感がイイ!」というタイプでした。まさにザ・新酒。そうだよ、僕はこういうお酒が飲みたかったのさ!

この青草を思わせる香りとジューシーな甘酸っぱさ、刺激的だけど行きすぎない酸味のピチピチした感じ・・・う~ん、これぞ蔵元で絞ったまんまの感動そのものですね。昔は流通の冷蔵化が進んでなかったので地元でしか味わえない味だったのに、今はこうやって横浜の片隅でも飲めちゃうんですからねぇ。はー、いい時代になったものです。

この出羽鶴は上に書いたように典型的な新酒なのですが、原酒とはいえ低く抑えられたアルコール度のおかげか、細部のバランスがグッドで杯が進むタイプです。この前飲んだ泉川は味の後半のアルコール感がきつくて食中になじまないお酒でしたが、この出羽鶴は無問題ですね。甘みや酸味だけでなくうま味もやや多めっぽいので、新酒ならではの荒々しさを適度にフォローできてるのではないでしょうか。

◆秋田はやっぱり甘みと酸味が素敵

うーん、僕は秋田酒の甘酸が大好きなんだなぁと再確認した一本でした。新政ゆきの美人美酒の設計などもそうですが、適度なアルコール度で甘み酸味を楽しませてくれるので、秋田酒は飲み始めると止まりません。皆さんはどうでしょうか?

今回の出羽鶴は、悪く言えば個性のない秋田酒です。ブラインドで飲めば、新酒であることはすぐわかりますが、出羽鶴のお酒と当てるのは難しいでしょう。でも、いいんです。僕はこういうお酒が大好きなんですよ!このお酒も、コンソメスープといぶりがっこ片手に、4日間で飲みきりました。

それにしても技術が高く、特徴の作り方が上手な秋田県、見事ですねぇ。県単位では対抗できるのは新潟県、山形県、福島県、島根県&鳥取県ぐらいかなぁと思ってます。まあ僕ごときのしょぼい経験値からの話なのですがッ。ワインと異なり、地域性・品種より造り手の技術で味が決まる日本酒だからこそ、あえて県で個性を出そうというのはとても重要な取り組みだと思います。これこそ真の商品開発と言えるのではないでしょうか。

「出羽鶴 純米新酒生 新米初しぼり H30BY」、飲んで後悔しない、パーフェクト秋田新酒でした。真冬に飲むお酒はこれで決まり!

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名称
出羽鶴 純米新酒生 新米初しぼり H30BY(特別純米 生原酒)
精米歩合:60%
酒米:ぎんさん100%
酵母:不明
アルコール度:16%
日本酒度:+2
酸度:1.6
アミノ酸度:不明
蔵元情報:秋田清酒 株式会社(秋田県
購入価格(税込):1296/720ml
購入日:平成30年12月1日
購入店:秋田県から直送





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