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味の傾向:
冬に発売される新酒のあらばしり部分のお酒。それ1年間酒屋さんで貯蔵している。香ばしい甘みと苦味が、いかにも古酒という感じだ。素直に熟成しており、さらなる成長が期待できそう。

僕の評価:70点/100点(将来有望な古酒の素。1年熟成で飲んだのはもったいなかった)

◆◆◆

今回ご紹介するお酒は、あの齋彌酒造店「雪の茅舎  荒走(ゆきのぼうしゃ あらばしり) H29BY」であります。あれ?と思った方は正解!毎年冬の始めに出荷されるお酒で、これは1年前に出たものを酒屋さんで熟成させたものです。

こういった自家熟成は、酒屋・飲食店問わず行われていますよね~。僕らも自宅で同じことができるので、日本酒の別の楽しみとして、結構好きです。自分でエイジングして最高の1本がつくれるって、かなりロマンチックじゃありません?

しかし、僕はせいぜい「原酒(お水で割ってない濃い日本酒)で熟成するとよい」と「低温熟成と常温熟成では別物ができあがる」ぐらいしか知らないミジンコレベルの熟成勢なので、素敵な古酒をつくる自信がありません~。どなたか自家熟成術を教えてください。熟成は各所で語られているテクニックが多すぎてわからねぇンだよッ!(逆ギレ)

えーさて、このお酒は毎年11月ぐらいに発売される普通酒の新酒で、アルコール度18%の生原酒(濃厚でフレッシュ)になります。それを酒屋さんの冷蔵庫(恐らく)で1年保管したものなのですね。劣化しやすい生酒を熟成なんて「えー!?」って感じですが、上手にやるとなんとも言えない味ができるんですよ。しかもこのお酒は原酒ということで、味のノリも期待できそうです。

◆素直な熟成感に思わずニッコリ

味は「しっかり色づいたお酒が香ばしい、深みのある甘苦感がグッドな熟成酒」というものでした。おお~、想像通りの綺麗な古酒ですね!

醸造用アルコール添加かつ18%の原酒なので、アルコール的な刺激はあるのですが、1年の熟成もあいまってまろやかさが出ています。つくりもいいんでしょうね~。お酒は時間が経つと、アルコールの分子構造が変化してより馴染んだ味に変わるのだそうです。これが古酒を独特のものにしている秘密ですね。この雪の茅舎・荒走は、軽くその特徴が出ていてよいです。

よく古酒は紹興酒みたいって言われますが、僕としてはこのお酒はあえて紅茶っぽいって表現したいです。味の表現としては正確じゃないんですけど、この渋みと酸味がある甘苦さを言い表すには近いと思うんだよなぁ。古酒好きの皆さんの意見はどうでしょうか。

さすがにアルコール度が高いので食中には向きません。まあ、僕はそんなこと気にせず、飯中にガンガン飲むんですけどね!だから合わないなってわかるんですけどね!たまにアルコールなら何でもいいのかって思いマス・・・。

◆まだまだ伸びしろあるお酒

新酒の状態から1年で、ぐいっと熟成の美味さが伸びたお酒でした。これ、まだまだ成長しますね。正直1年目で飲んだのはもったいなかったかも。5年、いや3年後に味わってみたかったなぁ。ある意味中途半端なタイミングだったのかもしれませんね。

古酒は難しいです。3年目よかったけど4年目はダメだったとか、古ければ古いほどよいというわけでもないらしいし。しかもプロの技になると、熟成年数の違うものを複数混ぜるテクニックもある(剣菱達磨正宗が有名ですね)。そして消費者層がニッチなので、情報もヒントも出てこなーい!まさにマニア泣かせのジャンルだと思いますね。

たまたまいろんな縁があって、いま自宅には古酒が数本集まっています。最近はずいぶんサボっていたので、一度ちゃんと飲んでみようかと思います。

「雪の茅舎 荒走 H29BY」、少し早飲みしちゃったかなという素性のいい生原酒でした。5年ものなど探してみたいですね。

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名称
:雪の茅舎 荒走 H29BY(生原酒、普通酒)
精米歩合:65%
酒米:不明
酵母:不明
アルコール度:18%
日本酒度:不明
酸度:不明
アミノ酸度:不明
蔵元情報株式会社 齋彌酒造店(秋田県
購入価格(税込):1080円(たぶん)/720ml
購入日:平成30年12月1日
購入店:秋田から直送





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