こんにちわ~、お酒ミライの神奈川建一です。

先日、あの日本酒専門WEBメディア・SAKETIMESさまより「白鶴の若手がつくった日本酒のお披露目イベント開催するので、来てくださいね(来ないと許さん)」というメッセージをいただき、「はい、喜んで!(ヒィッ、怒られる!)」と即答したので、渋谷で「『別鶴(べっかく)プロジェクト』×SAKETIMESトーク&試飲イベント」に参加してまいりました。

ご招待いただきありがとうございます!本当に!ええ。

SAKETIMESさまの別鶴プロジェクトの記事は、こちらこちらをどうぞ。


さて、いやしくも日本人なら白鶴酒造の名前を知らない人はいないでしょう。日本酒の生産量でぶっちぎりの大手であり、兵庫・灘を代表する企業です。定番商品「まる」の赤い紙パックは、コンビニ・スーパーのお酒売り場の顔と言っても言いすぎじゃないです。

ただ、皆さんこう思ったことはありませんか?「延々と下がり続ける日本酒消費量を見ていて、大手酒蔵で働いている人は何も感じないのだろうか?」と。「もっと新しい飲み手を増やせるような、凄いお酒を販売する気はないのだろうか」と。

もちろんそんなことはありません!強い危機感を持ち、このままではダメだ、俺達がつくる日本酒で新しい飲み手を開拓していくんだ!と熱いパッションを持った若手社員が白鶴酒造にはいるのだッ!(ババーン)

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そんな彼らが始めたプロジェクトが、この「別鶴プロジェクト」なのです(ぜひMakuakeプロジェクトページをご覧ください。実にいいですよ)。しかし、別格という言葉と白鶴のネーミングをかけ合わせたこの名前、めっちゃかっこいいなぁ。

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今回はプロジェクトメンバーの内、リーダーの佐田さん、生産担当の梶原さん、広報担当の大岡さんが来場してくださり、SAKETIMES小池編集長とトークショーを行なってくださいました。貴重なお話、ありがとうございます!

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写真左から、佐田さん、梶原さん、大岡さんです。

お聞きした話をざっくりまとめて感想を書くと「大きな組織の中で、自分たちのやりたいことを貫くのはめっちゃ根性いるなぁ」というものです。いや、ほんと、皆さん若い(平均年齢32歳!)のによく完成までこぎつけましたよ。

もし、この記事を読んでる皆さんが、大きな組織に属している、もしくは属していたのなら、少人数の同士だけで前例のない仕事をつくることの大変さが想像できるのではないでしょうか。僕はちょっと考えただけで「ムリムリムリムリッ!」と叫んでしまいましたよ。

「別鶴プロジェクト」は2016年の12月(約2年前)からスタートしたそうでして、部署を超えた飲み会で意気投合した社員が、就業後に部活動のようにコソコソ活動していたのが始まりだったのだとか。予算はなんとか付いたのだけど、最低限で常にギリギリだったそうです。

そして社内の逆風!特にお酒が形になるまでは、まったく応援してくれる声がなかったそうです。しかもそんな状況の中で、高級なお酒を仕込む設備を押さえて試験醸造しないといけないという・・・。仕事人生ベリーハードモードですか?よくめげなかったよなぁ、皆さん。尊敬します。

そんな臥薪嘗胆な日々も、今から半年前の社長への直接プレゼンで商品発売へのGOサインをもらってから大いに報われました。クラウドファンディングで販売スタート、400%を超えるサクセスをゲットしたのです!いやー、感動ですねぇ!というか、その社長への直訴をどうやって実現したのか、細かく聞きたかった!

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さて、そんなドラマ化まったなしな苦難を超えて別鶴プロジェクトが目指したお酒は「日本酒を飲んだことのない人も楽しめるお酒」というもの。どっかで聞いたことある言葉だなぁと感じるかもしれませんが、さすが根性すわった彼らがつくったお酒、生半可なものではありませんでした。

商品化したお酒は3種類、そのスペックを列記しましょう。全種類が「純米酒、原酒、火入れ、白鶴錦使用」です。

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木漏れ日のムシメガネ(右側)
精米歩合 70%
アルコール度 11%
日本酒度 -45
酸度 8.0

陽だまりのシュノーケル(真ん中)
精米歩合 78%
アルコール度 12%
日本酒度 -30
酸度 4.0

黄昏のテレスコープ(左側)
精米歩合 70%
アルコール度 12%
日本酒度 -35
酸度 2.5



どうです、このイカれた数値!わけがわかりませんね!(褒めている) やたらにポエミーな商品名にもいろいろツッコみたいと思いますが、我ら日本酒バカとしては、このめちゃくちゃなスペックにこそツッコみたい。3種類もお酒出すんだし、1つぐらい普通のお酒があってもいいのに(笑)。

最大のポイントは、低アルコール日本酒ばかりだということでしょう。アルコール度14%でもかなり低いですが、11~12%ではめちゃくちゃ低いと言っていい数値です。下手すればペラペラで飲みごたえのまったくないお酒になってしまうのですが、その危険を犯しても初心者が飲める、初心者が気に入る日本酒を目指したのでしょう。

イベント当日は最終サンプル(製品版ではない)が試飲できました。で、じっくり飲んでみた感想は

「大手のプロ、SUGEEEEEEEEE!!」

こりゃ事件ですよ、部長!
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いやぁ、おいしい。マジです。そして果物入りのリキュールかよってぐらい際立った味と香りの個性!日本酒でここまでやれるのかって感じです。

1杯目に飲んで欲しいと紹介されていた「木漏れ日のムシメガネ」、まるでシトラスやライムが溶け込んだような香味が素晴らしい。このお酒は低アルコール感も少なく、刺激的でした。僕一番のお気に入り。

昼間の野外のバーベキューで気軽に飲んで欲しいと説明された「陽だまりのシュノーケル」、マーマレードが日本酒になったかのような柑橘感たっぷりのお酒です。もちろん低アルなので飲みやすい!

夜にじっくり楽しむためのお酒が「黄昏のテレスコープ」。これは果物系というより、ギュッと甘みを凝縮したデザート酒ですね。貴醸酒的というか。低アル貴醸酒とか新しいわ~。

これちょっと凄くないですか?きっちり、いやそれ以上に狙い通りにつくれている。これぞまさに日本酒を飲んだことのない人へ向けた商品ですね。今までの初心者向け日本酒が霞むほどの出来栄えです。

もちろんアルコール度が超低いので、飲みごたえはありませんよ?でも、それはマニアだからの意見。日本酒をまともに飲んだことのない人には、アルコール度17%とか高すぎて飲み続けるのも辛いのです。そんな時11~12%という、ワイン並かそれ以下のお酒があってしかも美味しかったら・・・もしかしたら日本酒好きになってくれるかもって思いませんか?

ちなみに、生産担当の梶原さんに少し突っ込んだ話も聞けたので、メモしておきます。



・このお酒の最大のポイントは酵母。白鶴で保管されていた400種類の酵母の中から、最適なものを選出して使用している。具体的には、アルコール発酵が弱く、醸造しても低アルコールになるようなものを選んでいる。普通に考えればダメな酵母だが、今回のお酒には最適の酵母だそうです。

・アミノ酸度は普通ぐらいらしい(1.5ぐらい?)。もっと低いかなと思っていたので意外でした。さすがにアルコール度低くてアミノ酸度も低いと、軽すぎるお酒になるからでしょうか。極端にマイナスとなっている日本酒度も、低いアルコール度を補うのに役立っているので、飲んだ感じは違和感まったくないです。

・全てのお酒に樽酒がブレンドされているそうです。これも低アルコールでも飲みごたえをつくるための設計だとか。これはGOODでしたね。特に「木漏れ日のムシメガネ」で上手に味が出てました。というか、ムシメガネ好きすぎです、僕。

・加えて白麹も使用。これもグッドチョイスですね。クエン酸特有の酸味と苦味が味わいに良い影響を与えています。たぶんムシメガネとシュノーケルに使用されているのではないでしょうか。



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さて、いかがでしたでしょうか、「別鶴プロジェクト」イベントレポート。興味出てきたのではないでしょうか?

正直なところ、僕が別鶴プロジェクトの話を聞いた時は、「よくある企画だなぁ」程度に思っていました。若者向けの商品といいつつも、この程度?な商品をいくつも見てきたせいですね。

しかし、この別鶴プロジェクトは違う、志しが違う!それはお酒を飲めば、たちどころにわかります。これだけのお酒なので、お値段は高いです(4合瓶2500円)。しかし、今はいいものにはお金をかける時代です。この価格でも十分勝算があると思います。

飲んでみたいと思った皆さん、別鶴プロジェクト・クラウドファンディングは2019年3月6日23:59までです。即特設サイトに行って、申し込んでみてください。若きチャレンジに驚愕することを保証いたしましょう!

お酒ミライは「別鶴プロジェクト」を応援してます!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。