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味の傾向:
芳醇な果実の香りが魅力的な甘口の食中酒。なのだが、新酒ならではの渋み・刺激が、まろやかな味わいを阻害してしまっている。この蔵ならではの滑らかな舌触りを楽しみきれないのが欠点。

僕の評価:85点/100点(十分おいしい。けど、低温貯蔵酒の方がもっとおいしいです)

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前回に引き続き、山形の高木酒造のお酒をご紹介!いやー、うちみたいなショボいブログが2回もレビューできるなんて。購入を手助けしてくれた友達に感謝です!

今回の日本酒は「朝日鷹(あさひたか) 新酒特撰 生貯蔵酒 H30BY」でございます~。名前の通り、新酒らしさをウリにした朝日鷹の限定酒ですね。前回の特撰・低温貯蔵酒と対をなす商品です。

一応限定品だそうですが、販売期間が12月~5月と約半年もあるので、ほぼ通常商品ですね。生産量の多い低価格帯の商品なので、長い間多ロットで醸造されているのでしょう。新酒と言いつつも生貯蔵(つまり一回火入れ)なので、ある程度は熟成されていると思われます。

さて、今回のお酒は、低温貯蔵酒と飲み比べしながら楽しみました。ほぼすべての要素が共通しているため、大して違いはないだろうと思っていたのですが、予想に反してかなり違いましたね。その差異が興味深かったので、もし前回のレビューをご覧になっていないようでしたら、ぜひ一読していただけるとより楽しめるかと思います。

このお酒のスペックは、当然「醸造用アルコール添加、精米歩合60%、アルコール度15%」というもの。個人的にはアルコール度15%は食中酒の大正義なので、一流蔵がこの度数で定番商品を出してくれると嬉しくなっちゃいますね~。他にも黒龍のいっちょらいなどが15%ですね。苦味と甘味が落ち着き、食事と程よく調和するのがこの度数の特徴です。ただ、新政みたいに、15%でも原酒仕様(加水していない)ものは、糖分がたっぷり残存しているので、まったく違う味わいになります。

◆まろやかすぎると長所が短所になる

味の第一印象は「新酒らしい芳醇な香りとピリッとした刺激がある。しかし、綺麗すぎる味わいにとっては新酒らしい要素が邪魔に感じられ、玉にキズになってしまっている」というものでした。あ~、高木酒造ほどのお酒になると、普通のお酒ならメリットである要素が、デメリットに感じられるんですね~。

香りはすっごく濃厚です。これは低温貯蔵酒よりずっといいですね。アルコール度15%でここまで出すんですなぁ。開栓から5日ぐらい経つと濃密な熟れたバナナのような印象になります。新酒と言えば青草やメンソールを思わせるあの香りですが(アセトアルデヒドという物質です)、そこまで強くない印象ですね。やはり多少は熟成させ落ち着かせているのでしょうか。

味はやはり甘口の食中酒という感じです。程よい旨味と共に舌を楽しませてくれます。味の後半は高木酒造らしいあのまろやかさがあるのですが、ここに新酒らしい渋みと刺激が混ざってスムーズな喉越し感をちょっと邪魔しちゃっているのです。これがね、残念なんですよ。

もちろん嫌味な感じなんてしないですよ?味のバランスを崩さない程度に、新酒っぽさを楽しめる設計になっています。でも、やはり高木酒造といったら、あの奇跡のような喉越しのまろやかさこそが長所だと思うのです。この新酒はその味わいに邪魔が入るのがもったいないと思うんですね。

◆贅沢すぎる文句

上では何度も残念~的なコメントを書いていますが、はっきり言ってこれはアラ探し的なものです。この朝日鷹はマジでめっちゃくちゃおいしいですから。大体おいしくないものを高木酒造が半年も販売し続けるはずがありません。朝日鷹の新酒が飲みたい!というニーズがあるから生産が続いているのですからね。低温貯蔵酒より新酒の方が好きな人も多いでしょう。あくまで僕個人の感想であります。

ただ、2つを飲み比べてみると明確な差があり、高木酒造らしさは低温貯蔵酒の方がよく出ているなぁと感じたのです。この新酒・生貯蔵酒は、おいしいんですが他の蔵元のお酒でも味わえる要素が多いんですよね。新酒特有の香りや味わいは強くシンプルなので、酒蔵ごとの差異が出にくいのだと思います。それがこの感想に反映されているのかなぁと感じますね。

「朝日鷹 新酒特撰 生貯蔵酒 H30BY」、しっかり美味、でも選べるのなら低温貯蔵酒を僕は飲みたい、そういうお酒でした。なんと贅沢なんでしょうか(笑)。

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名称
:朝日鷹 新酒特撰 生貯蔵酒 H30BY(特別本醸造 火入れ)
精米歩合:60%
酒米:不明
酵母:不明
アルコール度:15%
日本酒度:不明
酸度:不明
アミノ酸度:不明
蔵元情報:高木酒造 株式会社(山形県
購入価格(税込):2160/1800ml
購入日:平成31年1月5日
購入店:Yahoo!ショッピング