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味の傾向:
冬の秋田で搾られたピチピチの活性にごり酒。甘さはほんの僅かで、最初から明確な酸味と刺激が舌を大いに楽しませてくれる。後半にかけてしっかりした苦味が出てくるが、軽快感があり気持ちいい。ビールのように楽しめるぞ。

僕の評価:75点/100点(こういう田舎っぽいにごり酒、大好きです)

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さて、今回はH30BY搾りたての秋田新酒、「天の戸(あまのと) じゃごたろ にごり酒・生 H30BY」をレビューします。

天の戸というと、僕は低精白のお酒のイメージですねぇ。むろんそれ以外にも色々なお酒を生産しているのですが、僕が日本酒飲み始めた頃、近所のドンキホーテでよく買ったものが低精白だったからそう刷り込まれているんだと思いますね。ええ、ドンキで天の戸売ってたんですよ(笑)。

このお酒は毎年11月下旬ぐらいから出荷される、その年の新酒一発目的なポジションの商品みたいです。以前紹介した千代緑のにごり酒と似たような立ち位置なんでしょうね~。できたばかりの日本酒を、濾過もせず即瓶詰めしてお届け!みたいなフレッシュ感を売りにしているので、これも日本酒ならではの微炭酸を楽しめそうです。

こういうお酒が店頭に並ぶと、酒処の地方の方は新年が近いなんて思うんでしょうね。ええなぁ、風流だなぁ。関東じゃ地元の蔵が少ないから、そういう文化というか情景は根付いていいない気がします。なんか搾りたてのにごり酒よりも、樽酒の方が新年っぽい印象があるんですよね。遠く灘から届く下り酒が伝統であった江戸の名残なのかもしれません。

お酒のスペックは、公式HPがしっかりしているおかげでいろいろ確認できます。「アルコール度15.3%、精米歩合80%、日本酒度-6、酸度2.3」というものですね。ぱっと見、日本酒度がマイナスなので甘いのかな?という印象、それに加えて強烈な酸度ですから、秋田風の甘酸っぱい味を期待しちゃいますね~。低精白なのはにごり酒だとあまり気にならないので、今回はそれほど影響ないかなと思います。

◆グビグビ飲める、食事が進む!

味の第一印象は「強烈な酸味と苦味がシュワシュワの炭酸と一体となって喉を潤してくれる、フレッシュで爽快な新酒」というものでした。うん、こりゃビールですわぁ!(笑)

にごりはしっかりあるので、瓶を振って撹拌すると真っ白になりますね。これだけ酒粕があるので、香りにお米の匂いがしっかり入ってます。香しいです~。甘みはわずかで、口当たりを経過するとすぐなくなります。メインは厚みのある旨味と爽やかな酸味、それとキレのある苦味です。この苦味がけっこう強い。この味は好みがあると思いますが、僕としてはかなりグッドな印象ですね。キリンラガーのような好ましい、食事に合う苦味です。

しかし、日本酒度-6はどこへ行った!?(笑) 日本酒度はアルコールとそれ以外のエキス分との比重だから、糖分以外の要素が多いのかな。アミノ酸とかのことなんですが、さすがにそこまで影響はないかなー。とにかく、スペックから想像したような甘酸っぱいにごり酒ではなく、日常酒の出来たてをそのまま搾った感じの田舎っぽいお酒ですね。以前紹介した千代緑とやはり似ています。

◆その爽快感を活かした食事に合わせたい

あー、いいですねぇこれ。僕好きですよ。にごりの舌触りも相まって、濃厚な食事にぴったりです。ホワイトシチューとか、チーズグラタンなんかどうかなぁ。僕は焼いたソーセージを乗せたカレーライスなどと一緒に楽しませてもらいました。

こういう新酒特有のピリピリした微炭酸って、日本酒飲み始めた頃には大いに驚いたものです。この天の戸も日本酒に馴染みがない人にとっては、面白いお酒になるんじゃないかなぁ。新年の親類の集まりに持ち込んで、反応を試してみたい気持ちになる商品ですね。やってみようかしら。

天の戸 じゃごたろ にごり酒・生 H30BY」、その田舎っぽさが愛おしい、爽快な一本でした。新年の乾杯にはぴったりの一本ですよ!

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名称
:天の戸 じゃごたろ にごり酒・生 H30BY(純米酒、生酒)
精米歩合:80%
酒米:秋田県産秋田酒こまち100%
酵母:秋田今野No.29
アルコール度:15.3%
日本酒度:-6
酸度:2.3
アミノ酸度:不明
蔵元情報:浅舞酒造 株式会社(秋田県
購入価格(税込):1080/720ml
購入日:平成31年2月10日
購入店:秋田より直送