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こんにちは~、お酒ミライの神奈川建一です。

令和の始まりを祝う雰囲気に包まれた5月、登戸にて開催された「黒龍・無二を楽しむ会」に参加してきましたので、さっそくレポートしたいと思います。

超高級酒「黒龍・無二(こくりゅう むに)」!2018年に発表されるやいなや、日本酒ファンの間に驚きの声が広がった商品です。最大のポイントは、卸売価格を業者による入札で決定したこと。言ってしまえば、味のいいお酒はいくらでも値段が上がっていくシステムを採用したのですね(詳細はこちらのSAKETIMESの記事をどうぞ)。

いわゆる日本酒安すぎ問題や、転売問題を正面から受け止め、解決をはかることで日本酒の世界販売の道筋すらつけようとする壮大なチャレンジです。それができる力量と覚悟がある黒龍酒造、さすが日本一の蔵元だぜ!と僕は熱くなったものです。

が、いくら熱くなったところで、僕ができることはなにもありませんでした。なにせ無二の値段は約10万円~20万円!!(ちなみに4合瓶) 剣菱の5合瓶が一生分(200本)買えてしまうお値段です。丸々1本買うのも困難ですが、お店で飲むのだって至難。最高価格の無二2013を半合(90ml)飲もうとしたら、80000円ぐらいになってしまいます。ひえ~。

しょせん庶民である僕には関係ないことサ、と黒松剣菱をちびちびやる生活をしていたところ、通っているインフィニット酒スクール経由で、登戸を代表する蕎麦屋「更科」にて無二を楽しむ会が開催されるという情報をキャッチ。しかもその参加費は、内容から考えるととんでもない破格のお値段!一瞬の躊躇の後、「参加させてください!」とフェイスブックで申し込ませていただきました。

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いい天気のGW最終日、JRに乗って登戸に到着です。駅前すぐにある蕎麦屋がここ更科です。登戸で黒龍って言ったらここと呼ばれるお店だそうですよ(僕の友人談)。

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更科店長である手塚晶之さんの開会のご挨拶(右手前)。こんなハイパー凄い会、開催していただきありがとうございました!インフィニット酒スクールの生徒でもあるそうです~。

アドバイザーとして参加していただいたインフィニット酒スクールの菅田ゆう先生(左奥)。福井出身の先生のコメント聞きながら無二飲めるとか・・・。ティスティング能力のない僕には最高の環境ですわぁ!!

さて、気になるお酒のラインアップはこちらです。上から順番に提供されます。

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全8種類、全て黒龍。しかも最低精米歩合は40%、8本中6本は精米歩合35%!うはははは、なんですかこれはー!(笑)
しかも食前酒が石田屋(黒龍のフラッグシップ純米大吟醸。1本10000円)!僕、石田屋なんて初めて飲みますよ!

心の準備もままならないまま、料理とお酒の提供がスタート。僕も含めて参加者の皆さんは、ティスティングコメント用の筆記用具とノートを準備します。さすが集まったのはツワモノばかりですねッ。

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最初の料理は「鯛海苔巻き揚げ」。海苔巻きのパリパリ感、磯っぽさが堪りません!サーブされたのは黒龍・石田屋。香り穏やかでサラッとした高精白大吟醸ですね。以下、当日の僕のコメントです。

石田屋 H30BY
香り低め、ドライ、ほんのり甘い。サラッとして軽い。物足りない人もいるかも。後味にメロンの印象が交じる。返り香かな?

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お酒はこんな感じで、区別がつくようリングが付いた状態で提供されます。さすがです。

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次の料理は主菜の「うにそば」。見ての通りクリームパスタをイメージした蕎麦ですが、日本酒の邪魔をするバターはなし!サラリとしてコッテリという、素敵な一品。これに黒龍・無二を合わせます!

では、無二の感想を書いてみます。

無二 2013
外見はちょっと黄色い。香りは酢酸イソアミル系。オイリーな香りもあり。味わいのテクスチャーはトロトロで、その後舌から味が消える感じが秀逸である。やや苦味ありだが、こちらも消えるのが早い。17.5%のアルコール感がよく目立つ。2015と比べると甘さを強く感じる。食中でも同様の傾向あり。

無二 2015
外見はうっすら黄色い。ほとんど透明。香りは2013と同系統だが、とても心地よく自分の好みに合う。アルコール度が16.4%なのが大きいと思われる。トロトロしたテクスチャーは2013より後退するが、後味がシュッと消えていく。柔らかで儚い、綺麗。ウニとめちゃめちゃ合う。

ああ、至福の体験ですわぁ・・・。無二を楽しむには最高のシチュエーションでしょう!手塚さん、本当にありがとうございます。僕は2015が好みでしたね。

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これは購入者だけが見れる無二の仕様書。これはほんの一部で、とんでもなく詳しく情報が開示されています。こういうの、ワインのヴィンテージに習ったんでしょうか。凄い・・・。正しい情報公開こそが、お酒の価値を保証するのですね。

菅田先生のコメントを聞きながら無二を十分に楽しんだ後は、怒涛の黒龍高級酒の連続ティスティング。それを支えるのがこの「七寸十宝」です!うおおおお、すげぇ!出てきた時は参加者の皆さんから、歓声が漏れます!

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芹、新玉葱、ミニトマトのおひたし、あおさの出汁巻き玉子、白海老のうに醤和え、木の芽豆腐、そば味噌胡瓜、ヤングコーンのクリームチーズディップ、鴨の焼売、漬け鮪の山かけ、イバラガニの内子塩辛和え、潮うに

か、完璧やん・・・。もう僕は、黒龍の飲んで美食をむさぼるだけのマシーンになりましたよ!

八十八号 H30BY
華やかな酢酸イソアミル系の香り。メンソールの印象もあり。味わいは濃厚だがドライ。エキス感が強く、まるで原酒のようだ。

つるかめ H30BY
受注販売のお酒。香りにミルク感があり、黒龍にしては珍しいカプロン酸エチル系のお酒。味わいは糖分多めで甘い。苦味少なめ。食中では酸が際立つ。良い。

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さあ、そろそろ酒の味がわからなくなってきたぞぉ(笑)。ノートに書いてあるコメントも似たようなものになってきったぁ!

料理も追加。たくさん食べているようでも1つ1つの量は少ないので、満足感はありつつも満腹感はありません。完璧なコース料理って凄いですね。

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「そば寿司2種 ねぎトロとからすみ&五味五色」。
そば寿司なんて初めてですよ・・・。これもあっさりしつつも寿司のおいしさを味わえる一品。まるで精進料理みたいですね~。写真を取り忘れましたが、「野菜と出汁の味噌仕立て」も提供されました。

龍×FFBE H30BY
ファイナルファンタジーコラボの大吟醸。香りは柑橘系?石田屋に似た印象。美味。

火いら寿 H30BY
柑橘系、甘い。甘辛い生酒。

しずく H30BY
これも柑橘系?すっきりさわやか

後半、柑橘系しか言っていない僕のコメント(笑)。お許しくださいませ。アルコール強くないんですよッ。

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しずくはビーカーでご提供。好きなように飲んでくださいとのこと。しずくがピッチャーで提供されるだなんて!

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このあたりで自己紹介タイム。やはり自己紹介は酔っ払った後が楽しいですね。大半がインフィニット酒スクールの生徒さんでした。皆さん、向上心高いなぁ。

まだまだ続く素敵な料理たち。ほんとにこんなに食べていいんですか?最高!

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「蛤入りそばがき」
、トロトロの食感と出汁の染み具合が絶品であります。そばがきの良さがわかってくると、大人になったなぁと思いますね(ドヤァ)。

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「ほうじ茶ぷりん」。
ラスト、スィーツです。最後まで丁寧な薄味が黒龍に完璧に似合っていました。はー、生きててよかった!

その後お酒がなくなったので、追加で開栓される黒龍たち。おいおい、店長さんイイんですか!?特吟と吟十八号が提供されたのですが、僕が飲んだのは吟十八号。

吟十八号 H30BY
スッキリ。

もうね、察してください。

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最後に参加者全員で記念写真と、お酒の記念撮影です。ゴールデウィーク最後を飾る、素敵な会でしたね~。いやー、余は満足じゃ。更科店長の手塚さん、菅田先生、本当にありがとうございました!

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無二の会、いかがでしたでしょうか?僕の感想としては、ペアリング体験を目的としたコース料理は、普通に外で飲むのとはまったく違う経験である、ということですね。以前にも増して飲食店で日本酒を飲むことが減っている僕なのですが、これならば時間とお金をかけてでも体験したいと思います。お酒と料理の無限の可能性を垣間見た、貴重な機会でした。

さて、皆さんが一番興味があるであろう課題、「無二はその超高額な値段に見合うお酒なのか?」ですが、僕の感想は

「わからん」

です。

いや、もちろん凄い美味でしたよ?特に無二2015は香り・味わい・テクスチャー・アルコール感の全てがバランスよく、実に僕好みでした。

ただ、直前に提供された石田屋の10倍以上のお値段が付くと言われると、「?」という印象なのです。そこまでの価値があるのか、理解できないのですね。

考えてみたんですが、僕は2つの原因があるように思います。それは「経験値不足」と「無二は実験商品」という点ではないだろうかと。

まず「経験値不足」ですが、無二の良さを理解するためには、たくさんの高級酒、特に黒龍の上級品を味わった経験が要求されるんだと思います。高級ワインは初心者が飲んでもおいしくないのと同じですね。飲み手に力量を要求するお酒なのです。僕が飲んだことがある黒龍の上のランクのお酒なんて、せいぜい「しずく」ぐらいです。これじゃぁEXP足りてないよって話です。

2点目の「無二は実験商品」ですが、このお酒はありとあらゆる要素が初めてづくしで、消費者はもちろん、酒販店、蔵元も含めて、この価格が適正なのか誰もまだ確信できていないのです。日本酒は、値段の硬直性が現在も続いている珍しい酒類です。今回の無二の値段もまだまだ未熟で、これから販売者と消費者の間で妥当な値段を議論していく必要があるのでしょう。まだこの値段が正解とは決まっていないのです。

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いや~、実に考えることが多い楽しい会でした。本当に参加して良かった!そして黒龍を一升瓶で買いたくなってきました(笑)。特吟か純吟あたりを早々に購入したいですねぇ。でも、実は冷蔵庫にいい黒龍が一本あるんですよ(うひひ)。レビューお待ち下さいね!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。